「しまくとぅばの日(9月18日)」はどんな日?
✅ 「しまくとぅばの日」は沖縄県が2006年に制定し、島言葉を奨励する日。
✅ 「しまくとぅば」は沖縄の伝統的な言葉で、語源は「く(9)とぅ(10)ば(8)」の語呂合わせ。
✅ 沖縄県と、沖縄の文化を守るための活動をしている地域団体が関わっている。
毎年9月18日、沖縄では「しまくとぅばの日」が祝われています。
この日がどれだけ重要で、どんな意味を持っているのか、私たちの心にどんな影響を与えるのか、沖縄の文化とともに少し深掘りしてみましょう。
しまくとぅばの日の誕生
「しまくとぅばの日」は、2006年に沖縄県が「しまくとぅばの日に関する条例」を制定したことにより誕生しました。
その日付は語呂合わせによるもので、9月18日。「く(9)とぅ(10)ば(8)」という響きが、まさにこの日を象徴しています。
沖縄の言葉、すなわち「しまくとぅば(島言葉)」を守り、次世代に継承することを目的とするこの記念日は、沖縄の文化遺産を大切にするために設立されました。
しまくとぅばとは?
沖縄の「しまくとぅば」は、沖縄の島々で伝えられてきた伝統的な言葉、すなわち琉球方言です。
沖縄の各地域には、それぞれ独自の方言があり、それらを総じて「しまくとぅば」と呼びます。
この言葉は、沖縄の文化、歴史、風習を色濃く反映しており、沖縄人にとって大切なアイデンティティの一部です。
沖縄では、戦後まもなく標準語普及運動が行われ、沖縄の伝統的な言葉は次第に使われなくなっていきました。
今では高齢者を中心に「しまくとぅば」が話されているものの、若い世代ではあまり聞くことが少なくなってきています。
そのため、「しまくとぅばの日」は、沖縄の人々にとって非常に重要な意味を持つ日となっています。
沖縄の言葉が危機に瀕している理由
沖縄の島言葉が危機的状況にあるのは、標準語普及運動の影響が大きいといわれています。
昭和の時代、沖縄では「日本語を使うことが当たり前」とされ、学校や公共の場では標準語が強制されました。
その結果、しまくとぅばは次第に家庭内や地域社会で使われなくなり、若い世代がその言葉を知らない、あるいは使わない状況が続いています。
この背景には、沖縄の人々が長い歴史の中で「本土との違い」を感じ、それを克服しようとした社会的な圧力があったことが影響しています。
さらに、観光業の発展により、沖縄の言葉が一部の観光コンテンツとして商業化され、日常生活の中で使われることが少なくなったという面もあります。
しまくとぅばを守るための活動
「しまくとぅばの日」の最大の目的は、沖縄の島言葉を次世代へ継承することです。
そのために、沖縄県内では様々なイベントが開催され、しまくとぅばの重要性を再認識する機会が提供されています。
例えば、「しまくとぅば県民大会」では、沖縄の各地域の伝統的な言葉や文化が紹介され、地域の人々が集まって、言葉の大切さを再確認しています。
また、シンポジウムなどでは、しまくとぅばの保存と普及に向けた取り組みが議論され、今後の展望が語られています。
沖縄の島言葉に触れることの重要性
沖縄の「しまくとぅば」を守ることは、単に言葉を保存するだけでなく、沖縄の文化そのものを守ることに繋がります。
島言葉には、沖縄の自然や風景、伝統、祭り、そして沖縄の人々の思いが込められています。
それを理解し、尊重することは、沖縄の未来を築くためにも大切なことなのです。
沖縄を訪れたとき、あなたが耳にする言葉の一つ一つが、長い歴史を経て今に伝わった大切な文化遺産であることを忘れないでください。
そして、沖縄の人々とともに、しまくとぅばを守り、次の世代に伝えていくことが私たちの役目でもあります。
しまくとぅばの日まとめ
9月18日、「しまくとぅばの日」は、沖縄の島言葉を大切にし、守り続けるための日です。
この日を通じて、私たちは沖縄の文化の重要性を再確認し、その美しい言葉を次世代に継承していく大切さを考えます。
沖縄のしまくとぅばは、ただの方言ではなく、沖縄の心そのものです。沖縄を訪れた際には、ぜひ島言葉に耳を傾け、沖縄の人々とその文化についてもっと知り、愛していきましょう。
それが、しまくとぅばの日を祝う私たちの最も素晴らしい方法です。
