ある日、友人がぽつりとつぶやいた言葉が胸に残りました。
「自分が生まれてきた意味って、なんなんだろうね」
誰かの人生を支えたり、守ったり、時にはただ話を聞くだけでも、私たちは日々「命」と触れ合っています。
そんな“命の価値”を、あらためて考えるきっかけになる日が、7月13日の【生命尊重の日】です。
この記念日は、ただの「命を大切にしよう」というスローガンでは終わりません。
背後には、日本社会の価値観が大きく揺らいだ法律の歴史や、それを乗り越えようとした人々の思いが詰まっています。
ここでは、生命尊重の日の背景、由来、豆知識、そして現代に活きる意義をわかりやすく解説していきます。
命と向き合うすべての人へ——。
この記念日が、きっとあなたにとっても「大切な何か」を気づかせてくれるはずです。
生命尊重の日（7月13日）はどんな日？
「生命尊重の日」は、1984年（昭和59年）に、医師・法律家・教育者・主婦などで構成された実行委員会によって制定された記念日です。
この日は、1948年（昭和23年）に公布された「優生保護法」に由来しています。
しかし、この法律は命の尊さとは反対の思想——「生まれる命を選別する」という、優生学的視点を持ったものでした。
その反省をふまえ、「すべての命には価値がある」という当たり前のことを、社会全体が忘れないようにとの願いが込められて、生命尊重の日が生まれました。
✅ 1948年「優生保護法」公布日に由来
✅ 1984年に多職種の実行委員会が制定
✅ 命の尊厳と平等な価値を再確認する日
生命尊重の日（7月13日）の由来を知る
「生命尊重の日」は、なぜこの日になったのでしょうか？
その答えは、日本の歴史の中でも決して無視できない、ある法律にあります。
1948年7月13日、日本政府は「優生保護法」を公布しました。
この法律は当時の“優生思想”——つまり、遺伝的に問題のあるとされる子どもの出生を防ごうという考えに基づき、
不妊手術や人工妊娠中絶を一定の条件で認めていました。
しかし、それは「すべての命が平等である」という理念と矛盾するものでした。
この背景を深く見つめ直すため、1984年に医師や法律家、教育者、主婦などが集まり、「命の価値」を再認識する日として生命尊重の日を制定しました。
そして1991年、「優生保護法」はその問題点を見直され、“女性の身体を守るため” という本来の目的に立ち返り「母子保護法」として生まれ変わりました。
生命尊重の日は、その過去の過ちを忘れず、未来に向けて正しい命の価値観を育てていく記念日なのです。
生命尊重の日（7月13日）に関する豆知識あれこれ
🌿 豆知識①：母子保護法とは？
「母子保護法」は、1991年に改正された法律で、女性の身体と子どもを守る目的が明文化されました。
中絶に関する条件も緩和され、女性の自己決定権を尊重する内容へと変化しています。
🌿 豆知識②：学校教育でも取り上げられている？
はい。道徳や保健の授業で、命の尊さや“生まれてくる命を大切にする心”を育てる一環として、生命尊重の日に関連した教育活動が行われることもあります。
🌿 豆知識③：記念日に関連する行事ってあるの？
各地で、命にまつわるシンポジウムや講演会が開催されます。
中には、出産経験者や障がいを持つ当事者、支援者による体験談の発表もあり、実際の「命の物語」に触れられる貴重な場となっています。
生命尊重の日（7月13日）と関係のある人物や団体とは
この記念日をつくったのは、「命と人権に関わる様々な立場の人々」でした。
実行委員会には、以下のような人々が参加していました。
- 医師（産婦人科、小児科、内科）
- 弁護士（家族法や人権問題を専門）
- 教育者（小中高の教師）
- 主婦（子育ての現場を知る生活者）
また、命に関する教育活動や支援を行っている以下のような団体も深く関与しています。
- 日本母性保護医協会
- 日本家族計画協会
- 人権擁護推進本部（法務省）
- 命の授業プロジェクト（民間教育団体）
この記念日は、まさに“職種や立場の垣根を超えて、命を見つめる一日”といえるでしょう。
生命尊重の日（7月13日）に関するよくある質問
Q1. なぜ命を「尊重する日」が必要なの？
日々の忙しさの中で、命のありがたさを見失ってしまうことがあります。
この日があることで、命と真剣に向き合うきっかけを社会全体に与えることができます。
Q2. 優生保護法って、実際にどんな問題があったの？
強制的な不妊手術や、中絶の圧力など、本人の意思に反する行為が合法とされていた背景があります。
その結果、数多くの人々が傷つきました。
Q3. 今の法律では、命はどう守られているの？
現在の「母子保護法」は、医師の判断や本人の同意を尊重し、
母体の健康と子どもの命のバランスを保つ制度設計になっています。
その他の記念日（7月13日）一覧
- 盆迎え火
- 生命尊重の日
- 日本標準時制定記念日
- ナイスの日
- もつ焼の日
- オカルト記念日
- 水上バイクの日
- イーサン・ハントの日
- ナイススティックの日
- ふくしま桃の日
- 一汁三菜の日
- 石井スポーツグループ 登山の日
- お父さんの日
- 艸心忌
- 虚空蔵の縁日
まとめ：命を思う気持ちが未来をつくる
命は目に見えないけれど、確かにそこにある。
毎日を生きるあなたの中に、かけがえのない価値が宿っています。
「生命尊重の日」は、そうした“見えない価値”を再確認する日です。
過去の過ちに学び、未来に繋ぐ命の尊さを、この記念日をきっかけに、家族や友人と一緒に話してみてはいかがでしょうか？
命の価値を語れる社会こそ、真に人を大切にする社会だと、私たちは信じています。
