ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日（1月9日 記念日）はどんな日？
✅ ジャマイカ産の最高級コーヒーが初めて日本に大規模出荷されたことを記念した日です。
✅ 「ブルーマウンテンコーヒー」の名称は法律で守られ、限られたエリアでしか生産できません。
✅ 記念日はジャマイカコーヒー輸入協議会と日本記念日協会によって制定・登録されました。
香り豊かな一杯に込められた“国際的な絆”の物語
朝の静けさの中で、湯気とともに立ち上る深く優しい香り。その香りを嗅いだ瞬間、なぜか心が落ち着く。
そんな“特別な一杯”が、ブルーマウンテンコーヒーです。
数あるコーヒーの中でも「コーヒーの王様」と称されるこのコーヒーは、日本人にとっても馴染み深く、愛され続けてきました。
実は、そんなブルーマウンテンコーヒーにとって、日本は最も大切なパートナーの一つ。その関係を象徴する記念日が、1月9日の「ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日」なのです。
この記念日は単なる“コーヒーの日”ではありません。
遥かカリブ海の小さな国・ジャマイカと、日本との間に結ばれた信頼と尊敬の証。
この特別な日に、ブルーマウンテンに秘められた物語を味わってみませんか？
ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日の由来は？
「ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日」は、1967年（昭和42年）1月9日に起きた出来事にちなんでいます。
この日、ジャマイカの首都・キングストンの港から、日本へ向けて約1400袋（1袋は約60kg）ものブルーマウンテンコーヒーが初めて大型出荷されたのです。
つまり、日本とジャマイカとのコーヒー取引における“本格的な始まりの日”として、歴史的な意味を持っているのです。
この記念日を制定したのは「ジャマイカコーヒー輸入協議会」。
ジャマイカ産コーヒーの品質向上と、秩序ある流通を目指して活動している団体で、日本におけるジャマイカコーヒーの普及にも大きな役割を果たしてきました。
2018年（平成30年）には、一般社団法人・日本記念日協会により「ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日」として正式に認定・登録。
この日は、日本とジャマイカの経済的なつながり、文化的な交流、そして最高品質の味わいに対する敬意を込めた記念日となっています。
ブルーマウンテンコーヒーの魅力とは？
ブルーマウンテンコーヒーは、世界中のコーヒー愛好家たちを魅了し続けてきました。
その理由は、何よりも「味のバランスの美しさ」にあります。苦味、酸味、コク、香り。
どの要素も突出しすぎず、まるで完璧なハーモニーを奏でるような味わい。
飲んだ瞬間、ふんわりと広がる芳醇な香り。
そして口に含んだときに広がるやわらかな酸味と、深く優しいコク。
まるで熟成されたワインのような奥行きを感じさせます。
この絶妙なバランスこそが、ブルーマウンテンを「世界最高峰のコーヒー」と言わしめる所以です。
「ブルーマウンテン」と名乗れるのは、たったひとつの場所だけ
「ブルーマウンテン」とは、単なるブランド名ではありません。
それはジャマイカ東部に連なる「ブルーマウンテン山脈」の標高800〜1,200mのエリアでのみ生産される、非常に限定的なコーヒー豆です。
この地域の気候は、コーヒー栽培に理想的な条件が揃っています。
昼夜の寒暖差、豊富な雨量、そして火山性の肥沃な土壌。
これらが、繊細で豊かな風味を育むのです。
1953年、ジャマイカ政府は法律によって「ブルーマウンテン・エリア」を明確に定義し、他地域で収穫された豆にはこの名称を使えないと定めました。
これは、日本でいうところの「地理的表示保護（GI）」制度のようなもので、ブランドと品質を守るための重要な仕組みです。
“樽”に込められた最高級のこだわり
ブルーマウンテンコーヒーには、もうひとつユニークな特徴があります。
それは、輸出の際に「木樽」に詰められるという点です。
通常、コーヒー豆は麻袋に詰めて輸出されます。
しかしブルーマウンテンだけは、特製の木樽を使います。
この文化の起源は18世紀中頃、イギリス植民地時代に遡ります。
当時、イギリスから送られてきた小麦粉や干物の空き樽を再利用し、コーヒーやラム酒を詰めて出荷したのが始まりとされています。
木樽には、実用的な理由もあります。
木材が呼吸することで内部の湿度を調整し、輸送中の温度変化を和らげる効果があるのです。
そして何より、この手間とコストをかけた“樽詰め”が、ブルーマウンテンコーヒーが「工芸品のような存在」として扱われる理由でもあります。
なぜ日本は最大の輸入国なのか？
実は、ブルーマウンテンコーヒーの約8割が日本に輸出されていると言われています。
その理由は、日本人の味覚にぴったり合っているからです。
苦味が強すぎず、まろやかな口当たり。
そして、飲み終えた後の余韻まで心地よい。
日本では、1970年代から「本格的なコーヒー文化」が広がり始めました。
喫茶店文化の台頭、家庭用ドリップコーヒーの普及、高級嗜好の高まり——。
これらの流れの中で、ブルーマウンテンは「特別な日のコーヒー」として、確固たる地位を築いていったのです。
さらに、贈答用やカフェでのプレミアムメニューとしての需要も高く、日本では“高級コーヒー”の代名詞として扱われています。
ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日に関わる人々
この記念日には、多くの人々の情熱が込められています。
まずは「ジャマイカコーヒー輸入協議会」。
日本におけるジャマイカ産コーヒーの普及と品質維持を担っている団体で、現地と日本の架け橋となる重要な存在です。
また、「日本記念日協会」はこの記念日を公式に登録し、文化的価値を広く伝える役割を果たしています。
そして何より、ジャマイカの生産地で働く農家の方々。
標高1,000mを超える斜面で、手作業で行われる収穫。
熟練の目で、ひとつひとつ丁寧に選別される豆。
その一粒一粒に、彼らの誇りと責任が宿っています。
消費者である私たちも、この情熱に敬意を払いながら味わいたいものです。
ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日に関するよくある質問
Q1：ブルーマウンテンコーヒーはどこで飲める？
A：高級カフェ、百貨店、専門店、または通販などで購入・試飲が可能です。専門店ではハンドドリップで提供されることもあります。
Q2：ブルーマウンテンと他のジャマイカ産コーヒーの違いは？
A：最大の違いは「産地」です。ブルーマウンテンは指定地域産であり、味のバランスと香りが群を抜いています。
Q3：記念日にはどんな過ごし方が良い？
A：少し贅沢にブルーマウンテンを淹れて、香りや味わいをじっくり楽しむひとときがおすすめです。知人にプレゼントしてみるのも粋な楽しみ方です。
ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日に想いを馳せて
1月9日の「ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日」。
それは、1杯のコーヒーを通して、国境を越えた絆と職人の想いに触れる特別な日です。
香り、味、そして背景にある物語までを含めて味わうことで、コーヒーはただの飲み物ではなく「文化」へと昇華します。
この日をきっかけに、あなたもブルーマウンテンという“芸術品”に触れてみてはいかがでしょうか。