日本初の点字新聞「あけぼの」創刊記念日(1月1日 記念日)
✅ 日本初の点字新聞「あけぼの」が創刊された記念日です。
✅ 点字新聞を通じて、視覚障害者の情報アクセスが可能になった画期的な日です。
✅ 教育者の左近允孝之進氏と社会福祉法人・桜雲会が深く関わっています。
目の見えない人にも「読む」喜びを——点字新聞誕生の記念日
世の中には「新聞を読むのが好き」という人がたくさんいます。
朝刊を手に取って、コーヒー片手に一日のスタートを切る。ニュースを通して社会の動きを知る。そんな「当たり前」に思える行為が、かつては視覚障害者にとっては夢のようなことでした。
しかし、それを現実に変えた人がいます。
それが、教育者 左近允孝之進(さこんじょう こうのしん) 氏です。彼が日本で初めての点字新聞『あけぼの』を創刊したのが、今からおよそ120年も前の 1906年(明治39年)1月1日 のことです。
この日は「元日」として知られる日本の最も大きな節目の1日ですが、もう一つの意味を持つ記念日でもあります。それが「日本初の点字新聞『あけぼの』創刊記念日」です。
この記念日は、視覚障害のある人々が「読むこと」で世界とつながる第一歩を記した、そんな大切な節目です。
「日本初の点字新聞『あけぼの』創刊記念日」の由来とは?
明治時代後期、日本は急速な近代化の真っ只中にありました。
新聞も庶民の手に届くようになり、文字情報が生活に浸透しはじめていた時代です。ところが、その波に乗れなかった人たちがいました。それが、視覚に障害を持つ人々です。
当時の日本では、点字自体の存在すらようやく知られ始めたばかりでした。
情報に触れる手段がほとんどない中で、教育者の 左近允孝之進 氏は大きな決断をします。「視覚障害者にも情報を届けたい。彼らに新聞という世界を開きたい。」
その情熱が形になったのが、点字新聞『あけぼの』の創刊です。
しかもその発行日は 元日。「新しい年の幕開けと共に、視覚障害者の新しい時代を開く」そうした願いが込められていたことは、容易に想像できます。
『あけぼの』創刊号には、左近允氏の思いが自らの筆で点字化されて掲載されていました。それはまさに、「点字文化の夜明け(あけぼの)」だったのです。
「あけぼの」が開いた、新たな視覚障害者の世界
私たちは、文字を「見る」ことに慣れすぎています。
スマートフォンのニュースアプリ、雑誌、インターネットの検索画面。視覚情報に囲まれた生活の中で、「見えない」という状況を想像するのは難しいことかもしれません。
しかし、点字新聞『あけぼの』が登場する前、視覚障害者が日々のニュースを知る手段はほとんど皆無でした。
友人や家族に読んでもらう、講義を聞く、噂を耳にする——。情報は常に他人を介する「間接的なもの」だったのです。
それが『あけぼの』の登場で一変します。
自分の指で点字をなぞり、自分のペースでニュースを読み、自分の感覚で世界を感じる。これは、視覚障害者にとって初めての「能動的な情報収集」でした。
たとえ文字が見えなくても、「読む」という行為には人を動かす力があります。『あけぼの』が切り開いたのは、単なる点字の紙面ではなく、尊厳ある自己決定の世界でした。
「あけぼの」の精神を今に受け継ぐ人々と団体
『あけぼの』は残念ながら現在は発行されていません。
しかし、その精神はしっかりと今に受け継がれています。それを現代で体現しているのが、 毎日新聞社が発行する『点字毎日』 です。
『点字毎日』は、1930年(昭和5年)に創刊され、視覚障害者に向けてニュースや生活情報、教養、文化など幅広い内容を点字で提供しています。まさに『あけぼの』の意志を引き継ぐ存在として、日本全国の多くの視覚障害者に親しまれています。
また、記念日を制定した 社会福祉法人・桜雲会(おううんかい) も重要な存在です。東京都新宿区高田馬場に事務局を構える桜雲会は、点字図書や録音図書などの制作を通じて、視覚障害者の「知る権利」を守り続けています。
そして、この記念日は 一般社団法人・日本記念日協会 により公式に認定され、多くの人がその意義を再確認するきっかけとなっています。
よくある質問|日本初の点字新聞「あけぼの」創刊記念日について
Q1:なぜ『あけぼの』は1月1日に創刊されたのですか?
新しい年の始まりとともに、視覚障害者にも「新たな希望」を届けたいという左近允氏の想いが込められていたと考えられます。
元日は日本社会全体にとって特別な日であり、その日に新聞を創刊することには大きな象徴的意味がありました。
Q2:現在も点字新聞は存在しますか?
はい。『あけぼの』は終了しましたが、その精神は現在の『点字毎日』に引き継がれています。毎日新聞社が発行しており、視覚障害者向けに全国で配布されています。
Q3:記念日としてはいつ制定されたのですか?
明確な制定年は公開されていませんが、社会福祉法人・桜雲会の働きかけにより、日本記念日協会により認定・登録されました。
この記念日は視覚障害者の情報環境向上に寄与した歴史を振り返る日として定着しつつあります。
まとめ|「あけぼの」がくれたのは情報と希望
1906年1月1日、日本の新聞史に新たなページが刻まれました。それが点字新聞『あけぼの』の創刊です。
視覚障害者が初めて自らの手で情報を「読む」ことができたその日は、単なる新聞創刊日ではなく、人権と尊厳を象徴する記念日となりました。
その意志は、今日の『点字毎日』や、点字図書館、福祉団体の活動に脈々と受け継がれています。
「見えないからこそ、知りたい世界がある」その想いを最初にカタチにした左近允孝之進氏の挑戦は、今も多くの人の心に希望を灯し続けています。
1月1日は、視覚障害者と情報をつなぐ道が開かれた記念すべき日。その意義を、今年も静かに、そして誇らしく胸に刻みたいですね。
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