テレホンカードの日（12月23日）はどんな日？
✅ 1982年12月23日に磁気テレホンカード対応の公衆電話1号機が設置された日です。
✅ 現金不要で使えるカード式公衆電話の誕生により、通信の利便性が飛躍的に向上しました。
✅ 日本電信電話公社（現・NTT）が制定し、社会インフラの発展に大きく関わっています。
あの日、電話ボックスで手にしていた“あの1枚”を思い出してみませんか？
懐かしさがふと胸をよぎる瞬間、それは意外にも些細なもので訪れます。
街角の電話ボックス。受話器の横に差し込む細長いカード。「ピッ、ピッ…」と数度数ずつ減っていく数字。
12月23日は、そんなテレホンカードにまつわる記念日、「テレホンカードの日」です。
この記念日は、今ではあまり見かけなくなったカード式公衆電話と、その利便性が私たちの暮らしにもたらした影響を振り返るための日です。
携帯電話やスマートフォンが普及するずっと前。
連絡を取るためには、公衆電話が欠かせませんでした。
特にテレホンカードは、硬貨がなくても使える“スマートな通信ツール”として、当時の人々の暮らしに革命をもたらしました。
今回は「テレホンカードの日」がなぜ12月23日なのか、その誕生の背景や豆知識、そして記念日に関わる企業や文化について、たっぷりとご紹介します。
読むうちにきっと、誰もが一度は使ったあの「テレカ」の記憶がよみがえるはずです。
テレホンカードの日の由来｜なぜ12月23日なのか？
1982年（昭和57年）12月23日。
この日、東京・数寄屋橋公園に、日本で初めて「磁気テレホンカード対応公衆電話」の1号機が設置されました。
同時に、テレホンカード自体も日本電信電話公社（現在のNTT）によって正式に発行・販売が開始されます。
それまでの公衆電話は、基本的に硬貨を使って通話するものでした。
1972年には、100円硬貨が使える黄色の公衆電話が登場し、一見便利になったかのように思えましたが、「釣り銭が出ない」という大きな課題が残っていました。
この「釣り銭問題」を解決するために開発されたのが、磁気式のプリペイドカード「テレホンカード」です。
テレホンカードは、カード内にあらかじめ一定の金額がチャージされており、公衆電話に差し込むことで、1度数（10円）単位で利用できる仕組みです。
これにより、小銭を持ち歩く必要がなくなり、長時間の通話も途中で硬貨を追加する手間が省けました。
また、電話機側も金庫が硬貨であふれて動作が停止するリスクを軽減でき、集金業務の負担も大幅に削減されました。
こうしてカード式公衆電話は、都市部を皮切りに全国へと広がっていきます。
「テレホンカードの日」は、そんな公衆電話の進化の第一歩が踏み出された、まさにその記念すべき日を讃えて制定されたのです。
テレホンカードの日の豆知識｜あの時代を彩った名脇役
テレホンカードは、単なる通信手段を超えて、文化的なアイテムとしても定着しました。
企業広告や観光地のPR、イベント記念やアーティストグッズなど、様々な場面でオリジナルデザインのカードが登場。
中にはアニメキャラクターやアイドル、有名建築物などをモチーフにしたものもあり、熱心な収集家によってコレクションの対象となっていきます。
特に1990年代には、「プレミアカード」と呼ばれる希少なテレホンカードが高値で取引されることも珍しくありませんでした。
一部のカードは額面以上、時には数万円の価格で市場に流通するほど、価値あるコレクターズアイテムとしての地位を確立しました。
また、テレホンカードは社会人のマナーとしても重宝されました。
電話が必要な外回り営業のビジネスパーソンにとって、テレカは必携のアイテム。
財布や名刺入れにさっと入れて持ち歩く姿は、スマートで「できる社会人」の象徴でもあったのです。
時代が移り変わっても、あのテレホンカードの手触りと、残度数が減っていく数字にドキドキした感覚は、多くの人の記憶に残っているのではないでしょうか。
テレホンカードの日と関係が深い企業や文化とは？
この記念日を語るうえで外せないのが、日本電信電話公社、通称「電電公社」です。
電電公社は1985年に民営化され、現在のNTT（日本電信電話株式会社）となりました。
当時のNTTは、全国の通信インフラを担う一大企業として、公衆電話や通信設備の発展に大きな影響を与えてきました。
テレホンカードの導入や普及にあたっては、技術開発から販売網の整備、さらにはデザイン面の工夫に至るまで、NTTの力が大いに発揮されました。
また、テレカの発行には多くの広告代理店やデザイナー、印刷会社が関わっており、芸術作品としての一面もありました。
例えば、オリジナルイラスト入りの記念カードや、アーティストのライブ限定デザインなどは、熱狂的なファンにとってはまさに「お宝」でした。
現在ではNTT東日本・西日本の一部地域でのみテレホンカードが取り扱われており、ほとんどが新規販売を終了していますが、電話料金支払いに利用できる場合もあるなど、その名残はまだ完全には消えていません。
テレホンカードは、日本の通信文化を語るうえで、確かに存在していた“道具以上の存在”なのです。
テレホンカードの日に関するよくある質問
Q1：テレホンカードは今でも使えるの？
A：はい、一部の公衆電話では現在でも使用可能です。特にNTTが設置した古いタイプのカード式電話では使用できる機種があります。
Q2：テレホンカードの価値はある？コレクターアイテムになってる？
A：未使用・限定デザインのテレホンカードは、プレミアがついて高値で取引されることがあります。オークションや専門店で需要があります。
Q3：未使用のテレホンカードは払い戻しできる？
A：払い戻し制度は基本的にありませんが、NTTの電話料金支払いに使える場合があります。詳しくは地域のNTT窓口で確認するのが確実です。
テレホンカードの日を通して、通信の進化と“あの時代”を感じてみよう
テレホンカードの日（12月23日）は、単なる記念日ではありません。
それは、時代を象徴した「手のひらサイズの文化」を思い出し、通信という生活インフラの進化に思いを馳せる日です。
公衆電話に列をつくって、話す順番を待っていた放課後。
遠距離の恋人と時間を気にしながら話した深夜の電話ボックス。
親が大切に保管していた記念デザインのテレホンカード。
そんな一つひとつの記憶が、この記念日には鮮やかによみがえるのではないでしょうか。
テレホンカードは、ただの通信手段ではなく、私たちの生活や心の中に確かに存在していた“思い出の鍵”です。
この日をきっかけに、ぜひご自宅のどこかに眠っている1枚を探してみてください。
時代を越えて、あなたの心をつなぐ1枚かもしれません。
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