千円札発行の日（1月7日）はどんな日？
✅ 1950年1月7日、日本で新円切替後初の千円札が正式に発行された日。
✅ 初期の千円札には聖徳太子と法隆寺夢殿が描かれていた。
✅ 日本銀行と当時の大蔵省（現・財務省）が発行に深く関与している。
生活にもっとも身近な紙幣「千円札」が誕生した記念日
私たちが日々の暮らしの中で、もっとも頻繁に使っている紙幣。
それが「千円札」です。ランチ代やちょっとした買い物、お釣りでもらうことも多く、お財布の中でもっとも馴染み深い存在と言えるでしょう。
そんな千円札が、正式に世に登場したのが1950年（昭和25年）1月7日。この日は「千円札発行の日」として、ひっそりと語り継がれています。
でも、なぜこの日だったのでしょうか？
どんな背景があって、どんな人物が描かれていたのでしょうか？
ここでは、千円札発行の日の由来から歴代のデザイン、偉人たちのエピソードまで、誰かに話したくなる知識をたっぷり紹介します。
千円札発行の日の由来｜なぜ1月7日？何があった？
千円札発行の日の由来は、1950年1月7日に日本で初めて「新円」として千円札が正式に発行されたことにあります。
それは、戦後日本の経済と社会の大きな転換点でした。
新円切替と戦後の混乱
当時の日本は、戦争が終わってまだ数年。
物価は激しく上がり、貨幣価値は日々下がり続けるという「インフレーション」の真っ只中にありました。それまで主流だったのは、100円札や500円札でしたが、インフレによってその価値は急速に低下。
市民の生活や企業の取引にとって、より高額の紙幣が求められる時代になっていたのです。
「千円札」の必要性
このような背景から、日本政府と日本銀行は「千円札」の発行を決定。
1946年には「新円切替」が行われ、旧紙幣が使えなくなり、新しい通貨体制に移行します。その流れの中で、「より実用的な高額紙幣」として登場したのが、1950年の千円札です。
発行日の1月7日が選ばれた理由
1月7日は、正月休みが明けて世の中が本格的に動き出す「仕事始め」のタイミング。
経済の再起動と、新しい時代への希望を重ねる意味も込められていたのではないかと考えられています。こうして「千円札」は、日本人の生活に欠かせない存在として、その歴史の第一歩を踏み出しました。
千円札発行の日の豆知識｜歴代デザインと紙幣の進化
千円札と聞いて、どんな顔が思い浮かびますか？
世代によって、思い出す人物はきっと違うはずです。実は、これまで発行された千円札は全部で5種類。
それぞれに、時代背景やデザインに込められた意味があります。
1. 初代（1950年）｜聖徳太子と法隆寺夢殿
記念すべき初代の千円札は、1950年1月7日に発行。
表面には、飛鳥時代の偉人・聖徳太子が描かれ、裏面には奈良の法隆寺夢殿。仏教と政治を融合させた太子の功績は、日本の礎を築いたとも言われます。
2. 第二代（1963年）｜伊藤博文と旧1000円札の転換点
1963年11月1日、聖徳太子に代わり登場したのは、日本初の内閣総理大臣・伊藤博文。
近代国家として歩み始めた日本にふさわしい人物です。政治の近代化と、明治憲法制定の功績を称えて選ばれました。
3. 第三代（1984年）｜夏目漱石とタンチョウ
文学の世界から登場したのが、夏目漱石。
この千円札は、1984年11月1日に発行されました。裏には北海道のシンボル・タンチョウ（丹頂鶴）が描かれています。
文化の香り高い紙幣として、多くの人に親しまれました。
4. 第四代（2004年）｜野口英世と逆さ富士
現在流通している千円札です。
2004年11月1日から使用されており、表には細菌学者・野口英世。裏には本栖湖から見た富士山と桜。
日本の自然美と科学の功績を併せ持つデザインが特徴です。
5. 第五代（2024年〜）｜北里柴三郎と神奈川沖浪裏
2024年発行の最新デザインは、感染症研究の第一人者・北里柴三郎。
裏面には、葛飾北斎の名作「神奈川沖浪裏」。芸術と科学という、日本の力強いアイデンティティがここに描かれています。
千円札発行の日と深く関わる人物と組織
千円札の発行には、単に紙幣を刷る以上の多くの人と組織の力が関わっています。
日本銀行（にっぽんぎんこう）
日本唯一の「発券銀行」として、千円札を含むすべての紙幣を管理するのが日本銀行です。
偽造防止の最新技術の導入、紙質の選定、流通量の調整など、全てのプロセスで中心的な役割を果たしています。
大蔵省（現・財務省）
千円札発行当時の政府機関「大蔵省」は、現在の財務省にあたります。
通貨制度の設計、経済政策との連携など、紙幣発行の最終的な判断を行いました。
千円札に描かれた偉人たち
- 聖徳太子：飛鳥時代の文化と政治の基盤を築いた人物
- 伊藤博文：日本初の内閣総理大臣、近代国家の父
- 夏目漱石：明治文学の巨人、「こころ」「坊っちゃん」などで知られる
- 野口英世：黄熱病研究で世界的に名を馳せた細菌学者
- 北里柴三郎：破傷風血清療法やペスト菌の発見で近代医学に貢献
これらの人物たちは、時代を象徴する「顔」として、千円札に選ばれました。
千円札発行の日に関するよくある質問
Q1. 千円札発行の日に発行された紙幣の特徴は？
A. 聖徳太子が表、法隆寺夢殿が裏に描かれた、戦後初の高額紙幣です。
Q2. 千円札はなぜ何度もデザインが変わるの？
A. 偽造防止のための技術向上と、時代ごとの価値観や偉人の再評価が背景にあります。
Q3. 新しい千円札はいつから使える？
A. 2024年に発行開始され、順次流通が始まっています。
千円札発行の日のまとめ｜お財布の中に歴史あり
1月7日の「千円札発行の日」は、私たちの生活に最も身近なお札が誕生した記念日です。
ただの紙ではなく、そこには日本の歴史・文化・偉人たちの足跡が詰まっています。お釣りで何気なく受け取る千円札。
その裏には、時代ごとの想いや希望が込められていたと知れば、きっと見方も変わるはずです。次に手に取るその1枚に、少しだけ思いを馳せてみませんか？