元日(1月1日 国民の祝日)はどんな日?
✅ 年のはじめに、家族や社会全体で新しい1年の幸福と繁栄を祈る特別な祝日
✅ 本来「元旦」「元朝」は朝を指し、正確には「元日」の一部分にあたる
✅ 昭和23年に施行された「祝日法」により、正式に「国民の祝日」として定められた
「元日(1月1日)」を迎える意味とは?
あけましておめでとうございます。
日本に住んでいれば、この言葉を1年で一番多く耳にするのが1月1日、すなわち「元日(がんじつ)」ではないでしょうか。家族そろって初日の出を見たり、神社に初詣に行ったり。
おせち料理やお雑煮を味わいながら、テレビの特番をのんびり眺める…。
そんなゆったりとした時間が流れるこの日は、実は「国民の祝日」として正式に法律で定められた特別な1日です。でも、「どうして1月1日が祝日なの?」「元日と元旦って同じ意味じゃないの?」と思ったことはありませんか?
この記事では、そんな素朴な疑問をスッキリ解消しながら、元日の歴史、名前の由来、天皇の儀式との関係、そして現代まで続く伝統行事の数々まで、余すところなくお伝えします。
年に一度の「特別な始まりの日」を、もっと深く知って、もっと大切に感じられるようになる。
そんなきっかけになる記事をお届けします。
元日(1月1日 国民の祝日)の由来は?古代から続く神聖な1日
元日という言葉は、「元(はじめ)」と「日(ひ)」で、「一年の始まりの日」を意味しています。
今でこそ当たり前のように迎える1月1日ですが、その背景には、日本人の長い歴史と信仰心が深く関わっています。
古代の元日は「天と地に祈る日」
奈良・平安時代の日本では、元日は「天皇が天地四方を拝む日」とされていました。
これは「四方拝(しほうはい)」という厳粛な儀式。まだ夜明け前、凛とした空気が張り詰める中、天皇が宮中の特別な場所で、天・地・東西南北の神々に祈りを捧げる——そんな神聖な時間です。
この儀式は、中国の古代王朝の思想「天命思想(てんめいしそう)」にルーツがあり、天皇は天の意志を受けて統治する存在と考えられていました。
つまり、元日は単なる「カレンダーの1日」ではなく、国家と国民の運命を天に願う、大きな意味を持った日だったのです。
この日を「四方節(しほうせつ)」と呼び、「紀元節(建国記念の日)」「天長節(天皇誕生日)」「明治節(明治天皇誕生日)」と合わせて「四大節」のひとつに位置付けていました。
「大正月」と「小正月」
元日は「大正月(おおしょうがつ)」とも呼ばれ、1月15日「小正月(こしょうがつ)」と区別されていました。
大正月は歳神様(としがみさま)を迎える日。
一方の小正月は、主に農村での豊作祈願や、女性の休息日として祝われる日でもありました。これらの言葉からも、日本人が1月を「年のはじまり」として大切にしてきたことがうかがえます。
現代の「祝日」としての元日
戦後、日本は新たな時代へと歩み出します。
1948年(昭和23年)、「国民の祝日に関する法律(祝日法)」が制定され、元日は「年のはじめを祝う日」として、正式に「国民の祝日」となりました。
このとき決まった文言が印象的です。
「年のはじめを祝う」——つまり、個人の幸せだけでなく、社会全体の始まりと希望を国民みんなで祝おう、という意志が込められているのです。
元日(1月1日 国民の祝日)に関する豆知識:元旦と元朝の違いは?
日本人でも意外と知らないのが、「元日」「元旦」「元朝」の違いです。
実は、これらはすべて微妙に意味が異なります。
「元日」=1月1日全体
文字通り、「年のはじめの日」。
午前0時から23時59分までの1月1日すべてを指します。カレンダー上の「祝日」の表記も、この「元日」です。
「元旦」「元朝」=1月1日の朝
「元旦」の「旦」は、水平線から日が昇る形を表しています。
つまり、元旦とは「元日の日の出頃」「元日の朝」のこと。同じく「元朝(がんちょう)」も、朝を意味する漢字を使っており、「元旦」と同義です。
そのため、「元旦に夜更かしをした」「元旦の夕方に初詣へ行った」という言い方は、本来は誤用にあたります。ちょっとした言葉遣いですが、知っていると少し得した気分になりますね。
年賀状の豆知識
年賀状には「元旦に届くように出す」文化がありますが、実はここにも「朝」に届くことを重視する日本人の美意識が表れています。
年が明けてすぐ、まだ静まり返った朝の時間帯に、ポストに届いた年賀状を1枚ずつ見る。
それは、ただの挨拶以上の、温かい「気持ちの交換」なのです。
元日(1月1日 国民の祝日)に関わる人物・団体・文化的背景
「天皇」と「元日」の深い関係
天皇は、元日の早朝に「四方拝」を行います。
これは現在でも続いている宮中祭祀のひとつ。令和の時代に入った今も、皇居内で天皇が国と民の安寧を祈る姿は、千年以上前と変わらぬ神聖さを保っています。
こうした日本独自の伝統は、国の象徴としての天皇のあり方を今に伝える貴重な文化でもあります。
日本郵便と「年賀状配達体制」
年賀状は、12月25日までに投函すると、郵便局が年始に一斉に仕分け・配達し、元日の朝に届けてくれます。
この仕組みは、世界的に見ても非常に珍しく、効率と丁寧さを両立する日本人の特性が反映されています。数億通もの年賀状を、全国津々浦々に「元日の朝」に届ける——これは郵便局員の努力の結晶でもあります。
元日の風習を守る「家族」
元日は、個人よりも「家族の記念日」としての側面も強い日です。
おせち料理を囲む風景、みんなでテレビを見て笑う時間、初詣に出かける小旅行。それぞれの家庭に「我が家の元日」があります。
こうした時間こそが、家族の絆を深め、次の1年を共に歩むための土台となっていくのです。
元日(1月1日 国民の祝日)に関するよくある質問
Q1. なぜ日本では1月1日が「お正月」として特別視されるのですか?
A. 日本では古来より「年神様」を迎える文化があり、1月1日はその年の神様を家に招き入れ、祝う特別な日として定着しています。
Q2. 「松の内」「三が日」って、いつまでのことを指すの?
A. 三が日は1月1日〜3日。松の内は地域によって異なりますが、関東では1月7日、関西では1月15日までとするのが一般的です。
Q3. 近年、元日の過ごし方はどう変化していますか?
A. 初売りや福袋など、商業的なイベントが増えた一方、静かに家族と過ごすスタイルも見直されています。旅行や海外での年越しも一般的になっています。
元日(1月1日 国民の祝日)は、1年の幸福を願う日本人の「心の原点」
元日は、私たち日本人にとって単なる休日ではありません。
過去と未来をつなぎ、家族・社会・自然と向き合い、感謝と希望を胸に1年を始める「心の再起動ボタン」のような日です。元旦の澄んだ空気、炊きたてのお雑煮、遠くから届く年賀状の嬉しさ。
そのすべてに、私たちが大切にしてきた「人と人とのつながり」「目に見えないものを敬う心」が詰まっています。
「明けましておめでとう」と笑って言える幸せを、どうか噛みしめてください。そして、その幸せが、今年1年、ずっと続きますように。
今日は何の日(1月1日は何の日)
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