地下鉄記念日(12月30日 記念日)はどんな日?
✅ 地下鉄記念日は、1927年12月30日に日本初の地下鉄が上野〜浅草間に開業したことを記念する日です。
✅ 自動改札の原型や間接照明などが話題となり、初日は約10万人が乗車した驚きの記録があります。
✅ 地下鉄の実現に尽力した早川徳次と、運営を引き継ぐ東京メトロが深く関わっています。
「地下鉄記念日(12月30日)」とは?100年近く前に生まれた“地中の革命”
地下鉄。それは今や、多くの人にとって「日常」の一部になっています。
朝の通勤も、観光の移動も、あたり前のように「地下」を走る電車に乗る日々。
けれど、その「地下鉄」というインフラが、かつては未来の象徴であり、誰もが目を輝かせた“夢の乗り物”だった時代がありました。
その夢が現実になった記念すべき日が、1927年(昭和2年)12月30日。日本初の地下鉄が、上野駅〜浅草駅のわずか2.2kmで産声を上げた瞬間です。
この記念すべき開業をたたえる日が、「地下鉄記念日」。
地下鉄の歴史の始まりに立ち会った人々の驚きや感動を、今を生きる私たちも少しだけ感じてみませんか?
地下鉄記念日の由来:上野〜浅草の“たった2.2km”が日本を変えた
1920年代の東京。
路面電車と人力車が街を行き交い、自動車のクラクションはまだ物珍しい頃。
そのなかで突如現れたのが「地中を走る電車」でした。
日本初の地下鉄として開業したのは、東京地下鉄道株式会社によって建設された**上野〜浅草間(2.2km)**の路線。
たった2駅分の短い区間。
それでもこの開業は、日本中を揺るがすほどの衝撃だったのです。
当時の所要時間は約4分50秒。
運賃は大人10銭・小児5銭。
運行初日は、なんと約10万人が乗車しました。
10万人というと、現在の東京ドームの観客が3回転するほどの規模。
「地下を電車が走るなんて!」
そんな声が飛び交う中、人々は目を輝かせてホームに並びました。
開業は年の瀬の12月30日。
お正月前の東京を彩る、未来の幕開けでした。
この歴史的な瞬間を記念して、毎年この日が「地下鉄記念日」とされているのです。
地下鉄記念日の豆知識:驚きの先進技術と当時の車両とは?
開業当時の地下鉄は、技術的にもデザイン的にも“未来的”でした。
今でこそ当たり前の存在である「自動改札機」。
その原型ともいえる「回転ウィング式の改札ゲート」が、当時すでに導入されていました。
そして、暗いはずの地下空間を明るく、しかもやわらかく照らす「間接照明」。
これも当時の日本では非常に珍しい設備でした。
車両は1000形と呼ばれたモデル。
車体の色はクリームと緑色のツートンカラーで、まるで海外の電車のような美しいフォルムでした。
車内には扇風機こそありませんでしたが、真鍮の手すり、木製の床、そして窓から差し込む光が心地よい空間をつくり出していました。
また、路線の「銀座線」という名前は、後に延伸していった先に「銀座」という日本有数の繁華街があったことに由来します。
その名にふさわしく、当初から都市の中心を結ぶ「華やかな地下鉄」として愛されてきたのです。
地下鉄記念日と深い関わりがある人物とは?“地下鉄の父”早川徳次
日本に地下鉄を――。
そう強く願い、実際にそれを実現させた人物がいます。
その名は早川徳次(はやかわ のりつぐ)。
1881年に生まれた彼は、若くして実業家として成功。
しかし、1920年代に訪れたイギリスで、彼の運命を変える出来事が起こります。
それがロンドンの地下鉄との出会いです。
「これだ。東京にも必要だ」
帰国後、政府や企業を動かしながら、民間資本で地下鉄建設を進めるという、当時では異例の方法で計画を推進。
そして、ついに1927年、日本初の地下鉄開業を実現させました。
早川徳次は、鉄道業界の中でも特に「先見の明」と「実行力」を持った人物として知られています。
人々の移動をもっと便利に。
都市の未来を変えるために。
その信念は、今の東京メトロの基盤となり、「地下鉄の父」として、今なお敬意を集めているのです。
地下鉄記念日に関するよくある質問
Q1:地下鉄記念日にはイベントがあるの?
A1:公式な祝日ではないものの、東京メトロや鉄道博物館では特別展示や記念企画が行われることもあります。鉄道ファンにとっては注目の日です。
Q2:なぜ開業区間が上野〜浅草だったの?
A2:当時の東京で人の流れが最も活発だったのがこのエリア。観光・文化・商業の中心をつなぐことが、地下鉄普及への第一歩と考えられていました。
Q3:開業当初の設備は今も残ってるの?
A3:旧1000形車両は一部が保存されており、東京メトロ博物館などで見ることができます。また、上野・浅草駅の構造には当時の面影が一部残っています。
地下鉄記念日のまとめ:あたり前の「地下鉄」が、かつては夢だった
今、私たちが何気なく使っている地下鉄。
それが日本で初めて走ったのは、1927年の12月30日。
わずか2.2kmの区間に、夢と希望、そして未来が詰まっていました。
地下鉄記念日は、ただの「鉄道の記念日」ではありません。
それは、都市を変えた“挑戦”の日であり、暮らしを変えた“革新”の日です。
目に見えない地下を通って、私たちの生活は静かに、しかし確実に便利になってきました。
その第一歩を、今も忘れずに語り継いでいくことが、この記念日の大きな意味だと言えるでしょう。
