突然ですが、今の生活に不満を感じたとき、あなたは行動に移せますか?
1918年7月23日、富山県魚津町の漁師の妻たちは、黙ってはいませんでした。
日々の生活に追われながらも、「このままでは子どもたちが食べられない」と立ち上がり、たった数十人の女性たちが日本の社会を大きく動かす火種になった――。
そんな記念日が「米騒動の日」です。
この日は単なる歴史の1ページではありません。
私たちが当たり前のように享受している「言論の自由」や「庶民の声が届く政治」の原点とも言える出来事が、ここにあります。
✅女性たちが立ち上がった生活防衛運動
✅全国に飛び火した庶民の怒りと連帯
✅内閣総辞職を招いた民衆パワーの証明
「米騒動の日」とは?一人の主婦が日本を動かした日
1918年7月23日。
富山県魚津町の海沿いに暮らす漁師の妻たちは、ある知らせを聞きつけて慌てて動き出しました。
「また米が船で外に運ばれるらしい――。」
町にある十二銀行の米倉庫から、貴重な米が県外へと積み出されようとしていたのです。
当時、米の価格は高騰の一途。
第一次世界大戦後の好景気とは裏腹に、一般庶民の家計はどんどん苦しくなっていました。
特に漁村など地方では、収入に余裕がなく、米の価格上昇は“死活問題”でした。
声なき人々の代表として、数十人の主婦たちは倉庫前に集まり、叫びました。
「地元に売ってください!
県外に持っていかないで!」
その声が通じ、ついに米の搬出は中止。
たったそれだけの出来事だったかもしれません。
しかし、これが新聞で報じられるや否や、「私たちも立ち上がろう」と全国各地で運動が広がったのです。
庶民の怒りが社会を揺らした「大正米騒動」とは?
この魚津町での出来事をきっかけに発生したのが、いわゆる「大正米騒動」。
全国で市民が立ち上がり、米屋への抗議、デモ、時には暴動に発展する事態も発生。
大阪、東京、新潟など主要都市にも広がり、最終的には25府県、100都市以上に波及。
警察だけでは対応しきれず、政府はなんと軍隊まで動員して鎮圧にあたる異常事態となりました。
特に富山、大阪、神戸、金沢などでは多数の逮捕者が出るほど。
背景には、
- 米商人による買い占め
- 流通ルートの偏り
- 政府の物価政策の失策
などの構造的な問題がありました。
人々の怒りは単なる「高い米」に対してだけでなく、“庶民の暮らしを無視する社会”そのものに向いていたのです。
「米騒動の日」に知っておきたい3つの豆知識
この記念日は、ただの抗議運動では語り尽くせないほどのドラマが詰まっています。
①女性が主役だった、日本初の全国規模抗議運動
この騒動のきっかけを作ったのは、なんと“名もなき主婦たち”。
当時の日本社会において、女性が公共の場で声を上げることは稀。
それでも、生活を守るために行動したその姿勢は、後の女性参政権運動や労働運動に大きな影響を与えました。
②報道規制が、かえって「報道の自由」を照らし出した
政府は騒動の報道を抑え込もうと新聞社に圧力をかけました。
しかし、逆にそれが人々に「情報の自由の大切さ」を気づかせ、「真実を知る権利」の必要性が叫ばれる契機となったのです。
③寺内内閣、総辞職へ――政治が民衆の力に屈した瞬間
この騒動の影響で、1918年9月21日、寺内正毅内閣は総辞職。
その後を継いだのは、立憲政友会の原敬。
初の本格的な政党内閣の誕生です。
庶民の声が日本の政治を根本から動かした、まさに転換点と呼べる出来事でした。
「米騒動の日」に関係する人物と団体
登場人物の中で最も重要なのは、魚津の主婦たちです。
彼女たちは記録にも名前は残っていません。
でも、その“名もなき声”が日本中を動かしました。
また、当時米の積み出し元だった十二銀行、政府の中心だった寺内正毅首相も、この出来事の重要な関係者です。
さらに、後を引き継ぐ形で成立した原敬内閣は、記念日の意義を語る上で外せません。
「米騒動の日」に関するよくある質問
Q1:なぜ女性たちが最初に動いたの?
A:漁師の家庭では、家計のやりくりは主婦の仕事。生活の現場に一番近い彼女たちが、我慢の限界に達し、行動を起こしたのです。
Q2:米騒動は現代にも影響している?
A:はい。市民による抗議行動や報道の自由、政治参加の拡大といった現代的価値観の起点ともいえる事件です。
Q3:今、この記念日をどう活かせる?
A:生活に不満があった時、“どうせ変わらない”と思わずに、まず声をあげること。それが未来を変える第一歩になることを思い出してほしい日です。
「米騒動の日」は、無名の人々の勇気が社会を変えた証
「米騒動の日(7月23日)」は、歴史の中に埋もれた小さな声が、大きな社会変革を呼び起こした、まさに“庶民の力”の記念日です。
この日は、声を上げることの尊さ。
そして、無力に見える一人の行動が、やがて大きなうねりになり、政治さえも動かす――そんな“希望”を象徴しています。
スマートフォンを手にした今だからこそ、この記念日の意味を知り、伝えていきたい。
「今、私たちは何を守りたいのか?」
「そのために何ができるのか?」
それを考える日として、この7月23日を心に刻みましょう。
今日は何の日(7月23日は何の日)
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