夏の熱気が肌にまとわりつく頃、ふとごはんの上に乗せたくなるのが、あの優しい塩味と香ばしさ――「塩っぺ」です。
食卓の脇役のようでいて、主役以上の存在感を放つ塩ふき昆布。
その中でも、多くの人に長年愛されてきたのが、ブンセン株式会社が製造する「塩っぺ」シリーズです。
2021年、発売から60周年を迎えた「塩っぺ」を記念し、同年7月22日が「塩っぺの日」として制定されました。
この記事では、「塩っぺの日」がなぜ生まれたのか、どんな想いが込められているのか、ブンセンの歴史とともに徹底解説します。
さらに、塩ふき昆布の奥深い世界や塩っぺシリーズの魅力をたっぷりご紹介。
読み終えた頃には、きっと誰かに話したくなるはずです。
塩っぺの日はどんな日?
✅「塩っぺ」発売60周年を記念
✅暑い夏に塩分補給を意識する日
✅老舗企業ブンセンの魅力発信
塩っぺの日の由来|7月22日という日付に込められた意味
「塩っぺの日」は、兵庫県たつの市に本社を構えるブンセン株式会社が制定した記念日です。
記念日が7月22日に設定されたのは、2021年の「大暑(たいしょ)」にあたる日だったため。
大暑とは、二十四節気の中でも最も暑さが厳しくなるとされる日。
この季節は、汗をかきやすく、体内の塩分が失われやすいタイミングでもあります。
そのため、「塩分補給」が重要な健康対策となります。
そこで、昆布の旨みと絶妙な塩加減で、手軽に美味しく塩分が摂れる「塩っぺ」に注目が集まりました。
記念日は2021年に、一般社団法人 日本記念日協会により正式に認定・登録。
同社が掲げる「食を通じた健康と喜びの提供」という企業理念を体現する、象徴的な日でもあります。
「塩っぺ」ってどんな食べ物?意外と知らない塩ふき昆布の豆知識
「塩っぺ」とは、乾燥させた昆布に塩をまぶし、風味豊かに仕上げた「塩ふき昆布」の一種です。
もともと、昆布は江戸時代から保存食や出汁素材として日本人の生活に根付いてきました。
なかでも塩ふき昆布は、戦後の食卓でごはんのお供として人気を集め、さまざまなアレンジが生まれました。
1958年、ブンセンは日本で初めて「白粉(おしろい)方式」の塩ふき昆布を開発。
これは、塩や調味料を昆布に均一にまとわせる技術で、より美味しく、見た目にも美しい商品を生み出すきっかけとなりました。
その3年後、1961年に誕生したのが「塩っぺ」。
食べやすい細切りにしたことで、従来の角切り昆布よりも口当たりがよく、子どもからお年寄りまで誰でも楽しめるようになりました。
擬人化された商品名「塩っぺ」は、親しみを持たせるために名付けられたネーミングです。
塩っぺシリーズのバリエーション|今こそ試したい多彩な味
一言に「塩っぺ」といっても、その種類は実に多彩です。
● 減塩塩っぺ
約40%の塩分カットを実現し、健康を意識する人にもおすすめ。
● 塩っぺエンゼル
食べきりサイズで、携帯にも便利。お弁当のおかずにもぴったり。
● 細かく刻んだ塩っぺ
そのままご飯に混ぜても、パスタや炒飯に使っても美味しい万能タイプ。
● 塩っぺしいたけ
しいたけの旨みと昆布のハーモニーが絶妙。煮物やお茶漬けに最適。
バリエーションが豊富なので、毎日の食卓に変化を加えながら、飽きずに楽しめるのも塩っぺの魅力です。
ブンセン株式会社の歴史と「文銭」に込められた想い
ブンセン株式会社の歴史は、1934年(昭和9年)に始まります。
当時、兵庫県たつの市で地場産業として盛んだった醤油醸造業からスタートしました。
社名の「ブンセン」は、江戸時代に使用されていた貨幣「寛永通宝(かんえいつうほう)」に由来します。
その裏面に「文」という文字が刻まれたものを「文銭(ぶんせん)」と呼び、縁起が良いものとして重宝されていました。
この文銭のように「人々に喜ばれる価値あるものを作りたい」という願いから、「ブンセン」という社名が生まれたのです。
その後、ブンセンは自家製の醤油を活かした佃煮製品の製造に乗り出し、昭和から令和にかけて多くのヒット商品を生み出しました。
塩っぺの日に関連するその他の記念日やブンセンの取り組み
ブンセンは記念日戦略にもユニークなアプローチをしています。
「塩っぺの日」と並ぶもう一つの象徴的な記念日が、3月31日の「アラ!の日」。
海苔の佃煮「アラ!」は、商品名と日付の「331」が形と響きで似ていることから制定されました。
このように、商品と日付をかけ合わせることで、ユニークな記憶のフックを作り出しています。
よくある質問|塩っぺの日(7月22日)について
Q1. 塩っぺの日って何をする日なの?
A. 塩っぺの日は、「塩っぺ」の発売60周年を記念し、昆布の魅力や塩分補給の大切さを再認識する日です。
Q2. 「塩っぺ」はどこで買えるの?
A. 全国のスーパーやネット通販で購入可能です。特に関西圏では多くの店舗に並んでいます。
Q3. 「塩っぺ」以外に人気の商品はある?
A. ブンセンの「アラ!(海苔の佃煮)」も定番人気商品です。ほかに「とろろ昆布」や「ちりめん佃煮」もあります。
塩っぺの日のまとめ|塩分と昆布の奥深さに、再び気づく一日
「塩っぺの日(7月22日)」は、単なる商品記念日ではなく、日本の食文化、健康習慣、そして老舗企業の努力を結びつけた意義深い日です。
時代を超えて変わらぬ味を守りつつ、新しいニーズに応えるブンセンの姿勢には、感動すら覚えます。
猛暑が続く夏の日に、ちょっとご飯の上に「塩っぺ」を乗せてみてください。
そのひと口が、あなたの身体と心をほんのり癒してくれることでしょう。
そして、「塩っぺの日」の意味を、家族や友人と語り合ってみてください。
