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閻魔参り・閻魔賽日(7月16日 記念日)|地獄の釜が開き、あの世もひと休み?昔ながらの信仰と夏の風物詩

閻魔参り・閻魔賽日に関する仏教行事と後の薮入りの風習を象徴するカラフルなペーパーアート

夏が深まり、蝉の声が響く頃――
そんな季節に、ひっそりと人々の心を揺さぶる行事があります。

それが「閻魔参り・閻魔賽日(えんままいり・えんまさいじつ)」です。

この日は、亡者を裁く閻魔大王も、地獄の鬼も、いっときの休息を与えられる日。

そして私たち生きている人間もまた、過去と向き合い、先祖や故人を偲び、自分の行いを見つめ直す時間を持つ大切な節目でもあります。

「地獄の釜の蓋が開く」なんて、ちょっと怖そうな言葉ですが――
実はこの行事、日本人のやさしさや信仰心がにじむ、心あたたまる伝統なんです。

ここでは、「閻魔参り・閻魔賽日」の意味や由来、知って得する豆知識や、現代でも続く風習まで、まるっと解説していきます。

✅ 閻魔大王が休む、地獄の休息日
✅ 奉公人も休暇をもらえた「後の薮入り」
✅ 寺院の閻魔堂に参拝する信仰行事

目次

閻魔参り・閻魔賽日とは?日本の信仰心が息づく行事

「閻魔参り・閻魔賽日」は、仏教に基づく年中行事です。

毎年7月16日と1月16日に行われるこの行事は、「地獄の釜の蓋が開く日」とされ、地獄で亡者を裁く閻魔大王も、鬼たちもこの日ばかりはお休みをもらえるという、なんとも不思議で優しい伝承がもとになっています。

この日には、多くの人が「閻魔堂」と呼ばれるお堂に足を運びます。

そこには閻魔大王の像が祀られていて、自らの行いを省みたり、故人への供養を行うのです。

実はこの日、江戸時代には「後の薮入り(のちのやぶいり)」とも呼ばれていて、商家で働く奉公人たちに与えられる年2回の貴重な休暇日でもありました。

つまり、あの世もこの世も「一斉にお休み」する――
そんな一日だったのです。

閻魔参り・閻魔賽日の由来|なぜ7月16日?地獄の釜と閻魔さま

では、なぜ7月16日と1月16日が「閻魔参り・閻魔賽日」なのでしょうか?

その答えは、仏教と民間信仰の重なりにあります。

仏教における閻魔大王は、死後の世界で人間の生前の行いを裁く存在です。

閻魔さまの前には「浄玻璃(じょうはり)の鏡」と呼ばれる鏡が置かれていて、生きていたときの善行・悪行がすべて映し出されるとされます。

そして、仏教の世界では毎月16日は「閻魔斎日」とされ、特に1月16日と7月16日は地獄の責め苦が一時休止され、亡者も鬼も休める日とされています。

これが「地獄の釜の蓋が開く日」と言われる由来です。

「釜」とは、地獄で煮えたぎる湯釜のこと。

そこに落とされた亡者が苦しむ姿を想像すると…ちょっと背筋が寒くなりますよね。

しかし、そんな地獄でも「休み」があるというところが実に人間的で、どこかホッとさせられるのです。

薮入りと閻魔参りの関係|奉公人たちのささやかなご褒美

江戸時代、町人や商人の家には、丁稚(でっち)や手代(てだい)といった奉公人が住み込んで働いていました。

彼らにとって年に2回だけ与えられる休暇がありました。

それが「薮入り」と呼ばれる習慣です。

1月16日は「前の薮入り」、7月16日は「後の薮入り」とされ、この日は奉公人が実家に帰ることが許された、大切な休日でした。

そして、閻魔参りと日付が重なることから、家族に会う前に寺の閻魔堂へ参拝し、自らの働きぶりを報告したり、亡くなった祖先へ感謝の気持ちを伝える風習が自然に生まれました。

いまのような「夏休み」や「お盆休み」が当たり前ではなかった時代、この一日がどれだけ待ち遠しかったかは、想像に難くありません。

閻魔参りに関する豆知識|地獄の蓋が開くって本当?

ちょっとユニークな豆知識を紹介しましょう。

☠️ 地獄の釜の蓋が開くとは?

「釜の蓋」とは、地獄の灼熱地獄で亡者が煮られている大釜のフタのこと。

この日だけはその釜のフタが開き、亡者は責め苦から解放される――という、ちょっと怖くて、どこか救いのあるお話です。

これは地獄にも休息があるという、日本人らしい信仰の表れといえるでしょう。

🕯️ 閻魔堂での参拝とお焚き上げ

多くの寺院ではこの日にあわせて「お焚き上げ」や「地蔵盆」などが行われます。

参拝者は線香や供物を捧げ、先祖の冥福を祈り、また閻魔さまの前で「自分は正しく生きているだろうか?」と静かに問うのです。

閻魔参りに登場する人物・生き物・組織|閻魔さまと町の風景

主役はもちろん、閻魔大王

恐ろしい顔で知られる存在ですが、実は非常に公平で慈悲深いとされています。

彼の手下ともいえるのが「鬼」たち。

赤鬼・青鬼が地獄で亡者を責める姿は、子ども向けの紙芝居や昔話でもおなじみですね。

そして忘れてはならないのが「寺院」と「檀家(だんか)」です。

こうした伝統行事を支えるのは、地元の檀家さんたちや町内会の人々。

彼らの協力によって、今も地域のお祭りとして閻魔参りは続いています。

よくある質問|閻魔参り・閻魔賽日に関する疑問に答えます

Q1:閻魔参りはお盆と同じですか?

違います。
お盆は故人の霊を家に迎える家庭行事で、
閻魔参りは閻魔堂で亡者の供養や自己反省を行う仏教行事です。

Q2:子どもも閻魔堂に行くの?

はい。昔は特に「嘘をつくと閻魔さまに舌を抜かれるよ」と言われて育った世代も多く、
子どもの道徳教育の一環としても参拝が奨励されていました。

Q3:今でも閻魔参りは残っているの?

もちろんです。
東京・葛飾の「南蔵院」や、京都・六道珍皇寺など、閻魔さまを祀るお寺では現在も行事が開かれています。

その他の記念日(7月16日)

後の薮入り
盆送り火
閻魔参り・閻魔賽日
国土交通Day
駅弁記念日
外国人力士の日
虹の日
からしの日
長瀞観光の日
ZEPPET STOREの日
夏を色どるネイルの日
トロの日
十六茶の日
いい色髪の日

まとめ|閻魔参り・閻魔賽日は、心の棚卸しをする日

7月16日「閻魔参り・閻魔賽日」は、
地獄もこの世も、ほんのひととき休息を与えられる、優しさに満ちた記念日です。

この行事は、亡者や先祖への供養だけではありません。

現代を生きる私たちにとっても、自分の生き方を見つめ直す「心の棚卸し」をする絶好の機会です。

家族で手を合わせてみる。

子どもに昔話をしてみる。

そんな時間が、きっとあなたの心を豊かにしてくれるはずです。

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