サッカーの試合中、特定の選手が一気に3ゴールを決める瞬間、会場は熱狂に包まれます。
その瞬間こそが「ハットトリック」です。
この記事では、この「ハットトリック」という言葉の意味や由来、さらにはその達成条件や歴史的な事例について、わかりやすく解説していきます。
サッカーファンなら必ず知っておきたいハットトリックの魅力、ぜひ最後までお読みください。
ハットトリックの定義とは?
まず、サッカーにおけるハットトリックの定義について確認しましょう。
ハットトリックとは、1人の選手が1試合で3得点を決めることを指します。
試合の中で3ゴールを決めるということは、非常に難しいことです。
それぞれのゴールは、選手の技術とチームプレーの成果が表れる瞬間であり、ハットトリックを達成するということは、その選手が試合の中で際立った活躍を見せたことを意味します。
例えば、リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドといった世界的な選手たちが数多くのハットトリックを達成してきましたが、彼らでさえ、毎試合達成できるものではありません。
そのため、ハットトリックはサッカーにおいて非常に価値があるプレーの1つとして位置づけられています。
ハットトリックの由来は意外にもクリケット?
「ハットトリック」という言葉は、実はサッカーから始まったものではありません。
その起源は、19世紀にイギリスで盛んに行われていたクリケットに遡ります。
クリケットでは、ボウラー(投手)が3球連続でバッツマン(打者)をアウトにするという偉業を達成した際、その選手に敬意を表して帽子(ハット)を贈ったことから「ハットトリック」という言葉が生まれました。
この伝統が他のスポーツにも広まり、サッカーにおいても1試合で3得点を決めることを「ハットトリック」と呼ぶようになったのです。
現在では、サッカーだけでなく、アイスホッケーやラグビーなどでも同様の意味で使われるようになっています。
ハットトリックの達成条件
サッカーにおけるハットトリックには、いくつかの重要なポイントがあります。
1. 1試合で3得点を記録する
これは最も基本的な条件です。
選手は、90分の試合時間内(延長戦を含む場合もあります)に3つのゴールを決めなければなりません。
この3得点は、試合のどのタイミングであっても良いですし、得点の内訳も問いません。
フリーキック、ペナルティキック、さらには通常の流れからのゴールなど、どんな形で得点を挙げてもハットトリックとしてカウントされます。
2. オウンゴールはカウントされない
自陣のゴールに誤ってボールを入れてしまう「オウンゴール」は、ハットトリックには含まれません。
あくまで自分のチームのために3得点を挙げることが条件です。
「パーフェクトハットトリック」とは?
サッカーには、さらに特別なハットトリックの形があります。
それが、「パーフェクトハットトリック」です。
パーフェクトハットトリックの条件は以下の3つです。
- 左足で1得点
- 右足で1得点
- ヘディングで1得点
これら異なる方法で1試合に3得点を決めることを「パーフェクトハットトリック」と呼びます。
この達成は非常に難しく、選手には高いスキルと多様なプレースタイルが求められます。
両足を使いこなせる選手、空中戦に強い選手にしかできない偉業であり、これを達成した選手はさらに称賛されます。
歴史に残るハットトリックの瞬間
ハットトリックは、サッカーの歴史において数多くのドラマを生んできました。
ここでは、その中でも特に記憶に残る瞬間を紹介します。
リオネル・メッシのハットトリック(バルセロナ vs レアル・マドリード)
2014年、スペインのクラシコ(バルセロナ対レアル・マドリード)でメッシが見せたハットトリックは、サッカー史に残る名シーンです。
この試合で彼は右足、左足、そしてペナルティから得点し、バルセロナを勝利に導きました。
この試合はクラシコの歴史においても特に印象的なものとして語り継がれています。
クリスティアーノ・ロナウドのハットトリック(ポルトガル vs スペイン)
2018年のワールドカップ、ポルトガル対スペイン戦でのロナウドのハットトリックもまた、世界中のファンを驚かせました。
彼は試合の終盤にフリーキックを決め、チームを引き分けに持ち込む劇的なパフォーマンスを見せました。
この試合でのハットトリックは、ロナウドのキャリアを象徴する瞬間の1つです。
三浦知良(カズ)のハットトリック(日本代表戦)
日本のサッカー界においても、ハットトリックは数々の伝説を生み出してきました。
例えば、三浦知良(カズ)が日本代表としてアジアカップで見せたハットトリックは、日本サッカーの歴史においても特筆すべき瞬間です。
この試合でカズは、見事に3得点を挙げ、アジアの舞台で日本を勝利へ導きました。
その他のハットトリック関連用語
ハットトリックに関連する言葉として、他にもいくつかの用語があります。
ダブルハットトリック
1試合で6得点を挙げることを「ダブルハットトリック」と呼びます。
これも非常に稀な偉業であり、過去には少数の選手しか達成していません。
スーパーハットトリック
1試合で4得点を挙げることを「スーパーハットトリック」と呼びます。
こちらも達成が非常に難しく、試合の流れを一人の選手が大きく変えることになります。
まとめ
ハットトリックは、サッカーにおいて非常に特別な意味を持つプレーです。
その達成は選手にとっても、ファンにとっても忘れられない瞬間となり、試合を決定づける要素にもなります。
「ハットトリック」という言葉が持つ由来や、その達成条件を知ることで、より一層サッカーを楽しむことができるでしょう。
今後も、多くの試合で新たなスターがハットトリックを達成し、サッカーの歴史に新たな1ページが加わることでしょう。