国内旅行の費用と傾向:18~29歳男性の現地消費が最も高い理由を解明

国内旅行にかかる費用や旅行者の年齢層別の傾向について、リクルートの「じゃらんリサーチセンター」が発表した「じゃらん観光国内宿泊旅行調査2024」から興味深いデータが明らかになりました。

特に注目すべきは、18~29歳男性の現地消費額が他の年齢層と比較して最も高いという点です。この記事では、その詳細と背景について掘り下げていきます。

若年層の旅行実施率と旅行回数

2023年度に国内宿泊旅行をした18~79歳の人は49.5%であり、平均旅行回数は年間2.8回、平均宿泊数は1.74泊となりました。

特に、18~29歳の女性(63.6%)、30代女性(57.1%)、18~29歳男性(55.7%)が高い旅行実施率を示しています。一方で、年間平均旅行回数が最も多いのは60代男性で、3.23回となっています。

宿泊旅行者数と宿泊数の年代別傾向

延べ宿泊旅行者数において、18~29歳の男女がボリュームゾーンとなっていますが、宿泊数で見ると、60代・70代男性も多く含まれます。これからも、旅行に対する意欲が高い層が年代を超えて広がっていることが分かります。

旅行の同行者別傾向

旅行の同行者についての調査では、「夫婦2人での旅行」が最も多く、全体の24.9%を占めています。次いで「ひとり旅」が15.9%と続きます。

特に18~29歳男性では「ひとり旅」が24.9%と最も多く、この年代の女性では「友人との旅行」が24.5%と高い割合を示しています。

30~40代の家族世代になると親子旅行の割合が30%以上に増加します。また、男性は40~50代になると再び「ひとり旅」が増加する傾向が見られます。

1回の旅行費用の分析

旅行にかかる費用の総額は推計で7兆9172億円に達し、そのうち7兆229億円が個人旅行によるものです。旅行費用のうち、42.7%は現地消費に充てられています。

1回の旅行費用を大人1人あたり平均で見ると、パック旅行では7万9500円、個人旅行では5万8800円、全体の平均は6万600円となっています。

高額消費層の分析と若年層の特徴

性・年代別に見ると、1回の旅行費が最も高いのは70代女性の6万7900円で、続いて60代女性、70代男性とシニア層が目立ちます。

個人旅行の宿泊費に限っても、60代以上はいずれも2万円を超えています。一方、18~29歳の若年層は男女ともに1万5000円台にとどまっています。

しかし、現地消費に関しては18~29歳の男性が突出しており、1回の旅行で3万1300円を消費しています。

この背景には、若年層男性が旅行先でのアクティビティや食事、買い物などに積極的にお金を使う傾向があると考えられます。

結論

国内旅行に関する調査から、18~29歳男性の現地消費が最も高いという傾向が明らかになりました。

彼らが旅行先での消費を重視する理由には、アクティブな旅行スタイルや体験重視の観光行動が背景にあると推測されます。

この傾向を理解することで、旅行業界は若年層向けのマーケティング戦略やサービス提供において新たなアプローチを見出すことができるでしょう。

要点まとめ

  • 国内旅行の費用は1人あたり平均6万600円。
  • 若年層の旅行実施率が高く、特に18~29歳の男性は現地消費額が最も高い。
  • 年代別に見ると、60代男性の年間平均旅行回数が最も多い。
  • 18~29歳男性はひとり旅が多く、旅行先でのアクティビティや食事、買い物に積極的に消費する傾向がある。
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