「苗字の日」（9月19日）はどんな日？
✅ 1870年に「平民苗字許可令」により平民も苗字を名乗ることが許可された日。
✅ 苗字は平民には許可されていなかったが、戸籍制度により広まり、義務化された。
✅ 明治政府と平民が深く関わり、「平民苗字許可令」の発布が背景にある。
毎年9月19日は「苗字の日」として、私たちが普段何気なく使っている「苗字」について考える日です。
この日が選ばれた背景には、1870年（明治3年）に発布された「平民苗字許可令」が大きな役割を果たしています。
この布告によって、長らく貴族や武士だけの特権だった「苗字」が、平民にも許可されることになりました。
苗字はどうして平民にも必要だったのか？
日本における苗字の歴史は、実は非常に興味深いものです。
古くから、苗字は特定の社会階層、つまり貴族や武士にのみ許されていたもので、一般市民には与えられませんでした。
これには、社会的な秩序や支配層の象徴としての意味合いがあったからです。しかし、明治時代に入り、日本は急速に近代化を進めていく中で、社会の構造や制度が大きく変わり始めました。
特に、明治新政府は日本の西洋化を目指し、中央集権的な体制を強化しようとしました。
この一環として、平民にも苗字を名乗ることを許可したのです。それまでの社会では、名前はどちらかというと「姓（うじ）」や「氏（し）」と呼ばれるものがあり、一般市民にはそれを名乗ることは許されていませんでした。
しかし、近代的な戸籍制度の整備が進む中で、全ての市民が「苗字」を持つことが重要だと考えられるようになったのです。
苗字許可令の発布とその後
1870年（明治3年）の「平民苗字許可令」は、いわば「苗字を持つ権利」を平民に与えた画期的なものでした。
しかし、当時の国民は新政府への信頼が薄く、苗字を名乗ることで税金が増えるのではないかという懸念から、すぐには広まりませんでした。
さらに、多くの市民は読み書きが不得手であったため、苗字を名乗ることに対して心理的な抵抗もあったと言われています。
こうした状況を改善するため、政府は1875年（明治8年）に「平民苗字必称義務令」を発布しました。
これによって、全ての平民は必ず苗字を名乗らなければならなくなり、その名乗りが義務化されました。
これにより、苗字を持つことが一般的になり、日常生活においても定着していったのです。
苗字の日の意義
「苗字の日」は、このような歴史的背景をもとに設定された記念日です。
この日を通して、日本人が苗字に込めた思いや歴史を再認識し、苗字を持つことがどれだけ重要であるかを考えることができます。
実際、苗字は単なる識別のための記号ではありません。苗字にはその人がどこから来たのか、どのような背景を持っているのか、さらには家族や地域とのつながりを感じるための重要な意味が込められています。
例えば、名前に「田中」や「山本」が含まれていれば、その人の家系が農業に従事していたことを示唆しているかもしれません。
また、「佐藤」や「鈴木」などの苗字は、近代日本の成長とともに広がりを見せ、今や日本国内で最も多くの人数を誇る苗字となっています。
現代における苗字の重要性
現在、日本には約10万種類以上の苗字が存在していますが、その中でも「佐藤」や「鈴木」、「高橋」などの苗字が圧倒的に多いことが知られています。
2023年3月時点で、最も多い苗字は「佐藤」で、約184万人がこの苗字を持っています。
それに続く「鈴木」や「高橋」、そして「田中」や「伊藤」も、全国的に非常に多くの人々に使われている苗字です。
これらの苗字には、地域ごとの歴史的背景や社会的なつながりが反映されています。
例えば、「佐藤」は東北地方に多く見られ、歴史的には農民層が多く使用していたと言われています。
「鈴木」は、商業や製造業に従事していた人々に多く、経済的な発展を象徴する苗字とされています。
苗字は、個人のアイデンティティの一部であり、家族や地域の歴史をつなぐ大切な役割を果たしています。
現代では、苗字は単なる識別子にとどまらず、個人の社会的なバックグラウンドや、他者とのつながりを感じさせてくれる重要な要素となっています。
苗字の日に考えること
「苗字の日」を迎えるにあたり、私たちは自分の苗字に対してどれほどの意味を感じているでしょうか。
苗字は、先祖から受け継いだもの、あるいは自分自身を表現する一つの方法であり、私たちがどんな背景を持っているのか、どんな人生を歩んできたのかを物語っています。
また、苗字には家族の絆や社会とのつながりも色濃く反映されています。
現代社会では、個人主義が進んでいるとはいえ、苗字を通じて家族や地域のつながりを感じることができるというのは、非常に大切なことです。
この「苗字の日」を機に、自分の苗字が持つ意味や、その背後にある歴史に思いを馳せてみることも、より深く自分を理解するきっかけになるかもしれません。
苗字を記念する日まとめ
9月19日は、単なる「苗字を記念する日」ではありません。
これは、私たちが「名前」を通じてどれだけ多くの歴史や文化、そして人々のつながりを受け継いできたのかを考える日です。
苗字の日を通して、私たちのアイデンティティを形成する大切な一部について再確認し、未来へとつながる重要な教訓を学びましょう。
今日は何の日（9月19日は何の日）
苗字の日 | 9.19いけんの日（平和への思いを忘れない日） | 遺品整理の日 | クイックルの日 | 九十九島の日 | 育休を考える日 | 九十九島せんぺいの日 | うま919日 | 愛知のいちじくの日（7月19日・8月19日・9月19日・10月19日） | クレープの日（毎月9日・19日・29日） | シュークリームの日（毎月19日） | 熟カレーの日（毎月19日） | 松阪牛の日（毎月19日） | 共育の日（毎月19日） | いいきゅうりの日（4月を除く毎月19日） | イクラの日（毎月19日） | 食育の日（4月19日・毎月19日） | 熟成烏龍茶の日（毎月19日・10月9日） | 子規忌 | 歯ヂカラ探究月間（9月1日～30日）
