天ぷら粉の日(10月1日 記念日)どんな日?
✅ 天ぷら粉の日は、 昭和産業株式会社が1960年10月1日に家庭用天ぷら粉を世界で初めて発売したことに由来する記念日。
✅ 天ぷら粉を通じて「家庭でも簡単にサクッと美味しい天ぷらを作ろう」という願いを広めるための記念日。
✅ 昭和産業株式会社が制定し、2020年に 一般社団法人日本記念日協会により正式に認定・登録された日。
揚げたての天ぷらを口に運んだ瞬間、衣が軽く音を立てて砕け、中から素材の旨みがじゅわっと広がる――そんな至福のひとときを思い浮かべる方も多いことでしょう。
でも、そんな天ぷらが、家庭のキッチンで「失敗せずに」「気軽に」「サクッと」揚がるようになったのは、あるひとつの製品のおかげとも言えます。
それが、1960年10月1日に発売された家庭用天ぷら粉、まさに世界初とされる「SHOWA TEMPURA BATTER MIX」です。
この日が記念日「天ぷら粉の日」として制定された背景には、天ぷら文化をもっと身近に、もっと楽しく、より多くの人に届けたいという強い思いが詰まっています。
この記事では、天ぷら粉の日がなぜこの日に決まったのか、その成り立ちや、そこから紡がれた技術・製品の進化、さらには天ぷら粉をめぐる豆知識や製造企業のストーリーまで、丁寧にご紹介します。読むこ
とで、次回揚げ物を作るときに「この衣、誰がどうして生まれたんだろう?」とちょっと違った視点で楽しめるようになるはずです。
天ぷらがもっと身近になるきっかけとして、ぜひこの「天ぷら粉の日」を活用してみてください。
天ぷら粉の日の由来/天ぷら粉の日という記念日の背景
「天ぷら粉の日」が10月1日と定められたのは、実にその日付自体が記念すべき出発点を意味しているからです。
昭和35年(1960年)10月1日、東京都千代田区内神田に本社を置く昭和産業株式会社が、家庭用天ぷら粉「SHOWA TEMPURA BATTER MIX」をロサンゼルスで発売しました。
当時、アメリカ西海岸を中心に日本食への関心が高まっており、天ぷらもその波に乗り始めていました。
しかし、家庭で天ぷらを揚げるには多くのハードルがありました。油の温度管理、衣の作り方、揚げ方のタイミング――。
そこで昭和産業は「誰でも簡単においしい天ぷらを揚げられるように」というコンセプトのもと、衣の粉をあらかじめ調整し、水に溶くだけで使える「天ぷら粉」という製品を開発しました。
この一歩により、家庭でも気軽に天ぷらを楽しむ文化が一気に広がったと言われています。
さらに翌1961年(昭和36年)には日本国内で「昭和即席天ぷら粉」として発売され、日本の食卓に“天ぷら粉”という選択肢が定着しました。
このような背景から、10月1日は「天ぷら粉」の原点に立ち返る日として選ばれたのです。
そして、2020年(令和2年)に、昭和産業が制定したこの記念日が一般社団法人日本記念日協会により正式に認定・登録されました。
つまり、天ぷら粉の日は「家庭で天ぷらをもっと楽しく、もっと身近に」という願いから生まれた記念日であり、衣を纏った揚げ物を通じて日本の食文化を支えてきた一製品に敬意を表する日でもあります。
天ぷら粉の日に関連する豆知識~衣の裏側、天ぷら粉の進化~
さて、「天ぷら粉なんてただの小麦粉じゃないの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。実は、天ぷら粉には意外にも“衣を美味しくするための工夫”が詰まっています。
まず、天ぷら粉の主原料には薄力小麦粉が使われていますが、そこにでん粉、卵黄粉・卵白粉、ベーキングパウダーが配合されていることが多いのです。
たとえば、昭和産業の解説によれば、「衣をサクッと軽やかに」「素材を包みこんで油の吸収を抑える」「誰でも失敗しにくい」という観点から、複数の素材がバランスよく設計されています。
水に溶くだけで使えるように調整されている製品では、衣作りの手間を減らしつつ、揚げた後の「ベタつき」「油っぽさ」「衣が剥がれる」などの失敗を減らすための技術が隠されています。
また、天ぷら粉は天ぷらだけでなく、アイデア次第でいろいろな料理に活用できるスグレモノでもあります。
たとえば、余った天ぷら粉で「お好み焼き」「チヂミ」「中華まん」「ピザの土台」「お菓子の衣」などに応用されるケースも紹介されています。
これは、ベーキングパウダーやでん粉の働きによって“ふっくら”“もちもち”“サクッ”といった食感を出すことができるからです。
さらに、天ぷら粉の開発は時代とともに進化しています。例えば、油を少なめにして揚げられる仕様、電子レンジで温め直してもサクサク感が持続する仕様、焼くだけで天ぷら風に仕上げる“もう揚げない天ぷら”向けの粉など、多彩な展開がなされています。
こうした進化により、天ぷら粉は揚げ物初心者・一人暮らし・時短料理・揚げ油処理を軽減したいといったさまざまなニーズに寄り添っています。
つまり、天ぷら粉の日を祝うということは、単に粉を讃えるだけではなく、家庭の食卓に「もっと気軽に」「もっと楽しく」「もっとおいしく」揚げ物を取り入れてきた技術と文化を讃えることでもあるのです。
天ぷら粉の日と深く関わる昭和産業株式会社~その歩みと想い~
この記念日を語る上で、やはり外せない存在が昭和産業株式会社です。
同社は1936年(昭和11年)2月18日に創業され、東京都千代田区内神田に本社を構える、粉・油・調味料を手がける老舗の食品メーカーです。
創業以来、同社は「粉」で食文化を支える」という信念のもと、小麦粉、ミックス粉、植物油など多岐にわたる製品を生み出してきました。
その中で、天ぷら粉というカテゴリを確立したという点では、まさに“革命的”と言える挑戦でした。
1960年という時代は、まだ家庭用揚げ物の敷居が高く、「天ぷらを揚げる=難しい料理」というイメージがありました。
その中で、昭和産業は「家庭でも簡単に」「プロのように」「サクッと揚がる衣」を実現するため、専門的な技術と知見を衣粉の中に注ぎ込みました。
ロサンゼルスでの発売という海外展開も、その挑戦の一端です。日本食ブームを背景に、海外の家庭にも「天ぷら」という文化を届けるべく、天ぷら粉を送り出しました。
その成功を受けて、日本国内でも改めて製品化された「昭和即席天ぷら粉」が1961年に登場し、以降、家庭の揚げ物文化に深く根づいていきました。
さらに、昭和産業は時代の変化に応じて商品をリニューアルし、「昭和天ぷら粉」「天ぷら粉黄金」「楽々天」「おいしく揚がる魔法の天ぷら粉」など、用途・目的・時短・少油対応など、多彩なバリエーションを展開しています。
この歩みを振り返ると、「粉一つで料理の体験を変える」という企業の信念と、家庭の食卓に対する深い想いが見えてきます。
つまり、天ぷら粉の日は、昭和産業という企業の挑戦と、そこに集まる工夫・努力・技術・情熱を称える日でもあるのです。
天ぷら粉の日に関するよくある質問
Q1. 天ぷら粉と小麦粉、何がどう違うの?
天ぷら粉と普通の小麦粉は、見た目こそ似ていますが、目的が大きく異なります。
普通の薄力小麦粉だけで天ぷらを作ると、衣が厚くなったり、油を吸いやすくなったり、温度管理で失敗することがあります。
一方、天ぷら粉には「でん粉」「卵黄粉・卵白粉」「ベーキングパウダー」などの素材がバランスよく配合されており、軽さ・サクッと感・揚げやすさを目指して設計されています。
つまり、天ぷら粉は“揚げ物専用の調整された粉”と考えると理解しやすいです。
さらに、昭和産業が紹介しているように、天ぷら粉には食感を調えるノウハウが詰まっており、揚げ物だけでなく幅広いアレンジ料理に使える汎用性も魅力です。
Q2. 天ぷら粉の日は誰がいつ決めたの?
この記念日は、昭和産業株式会社が制定したものです。1960年10月1日を「家庭用天ぷら粉が世界で初めて発売された日」と位置づけ、記念日として設定しました。
その後、2020年(令和2年)に日本記念日協会によって「天ぷら粉の日」として正式に認定・登録されました。
つまり、“誰”というと「昭和産業が制定し日本記念日協会が認定した」という形になります。
Q3. 天ぷら粉の日には具体的に何をしたらいいの?
この記念日を楽しむためのアイデアはいろいろあります。
例えば、家庭で天ぷらを揚げて、衣の違いや揚げ方の工夫を楽しんでみるのもいいでしょう。天ぷら粉を使って、いつもとは違う具材(かぼちゃ、きのこ、さつまいも、変わり種ではフルーツやチーズなど)を揚げてみるのも楽しいです。
また、天ぷら粉を使ったアレンジ料理、「天ぷら粉でお好み焼き」「天ぷら粉でチヂミ」「天ぷら粉でスナック風揚げ菓子」などに挑戦してみるのもおすすめです。
さらに、「天ぷら粉開発の歴史を家族で話してみる」「昭和産業の製品パッケージ(ひまわりや太陽のモチーフ)を探してみる」などして、ちょっとした学びの時間にしてもいいでしょう。
この日をきっかけに、揚げ物へのハードルが下がり、気軽に料理を楽しむ習慣が生まれていきます。
天ぷら粉の日(10月1日 記念日)まとめ
「天ぷら粉の日」は、家庭のキッチンに天ぷらを身近に届けてくれた一つの製品、そしてその製品を生み出した企業の挑戦に思いを馳せる日です。
サクッと揚がる衣の裏側には、薄力粉・でん粉・粉卵・ベーキングパウダーといった素材の工夫、「揚げ物を簡単に」「揚げ物をもっと楽しく」という願い、そして時代を超えて続くリニューアルの歴史があります。
10月1日という日は、それらのすべてが重なり合った記念すべき日です。
この日をきっかけに、料理をする手が止まったとき、「今日は天ぷら粉の日だから、ちょっと揚げ物でもしてみようか」という小さな一歩を踏み出してみてください。
揚げ物がテーブルを彩ると、食卓がぐっと華やぎ、誰かとシェアしたくなるエピソードも増えるものです。
「家庭で簡単に、よりおいしく」を掲げてきた昭和産業の想いに共感しつつ、10月1日は揚げ物の楽しさを改めて再発見する日として、大切に過ごしてみてはいかがでしょうか。
