世界テレビ・デー（11月21日）はどんな日？
✅ 1996年の第1回世界テレビフォーラムを記念し国連が制定した日。
✅ テレビが世界の情報共有・文化交流を支える役割を再認識する日。
✅ 国連総会と各国の放送連合・メディア関連団体が深く関わる記念日。
テレビという箱型の機械があって、そこにチャンネルを合わせるたびに、遠く離れた世界の声や出来事が映し出される。
そんな風に「当たり前」に感じる風景の裏には、実はテレビが社会と世界をつなぐ力を持っているという大きな視点があります。
11月21日が「世界テレビ・デー」として定められているのは、まさにその“つなぐ力”に注目し、テレビを通じて「誰かと世界を共有したい」「文化や価値観を映像で交わしたい」と思う日にしたいからです。
普段はリモコンを押すだけで済むテレビですが、この日はほんの少し立ち止まって、「テレビが私たちに届けてきたもの」や「テレビをまだ見られない人たちがどう感じるか」を考えてみてほしいのです。
テレビ好きな方も、ちょっとテレビから離れている方も、この日をきっかけに改めて“テレビ”というメディアに込められた意味を、家族や友人と語ってみると、きっと新たな発見があるはずです。
このブログでは、世界テレビ・デーがなぜ11月21日なのか、誰が決めたのか、どのような背景があるのかをわかりやすく、かつ親しみをもってご紹介します。
テレビの“受け手”として、ちょっと知っておくと会話のきっかけになる豆知識や、テレビが関わってきた人物・団体の裏話、よくある質問にも答えます。
テレビの前のあなたの毎日が、少しだけ違って感じられる時間になれば嬉しいです。
世界テレビ・デー（11月21日）の由来
「世界テレビ・デー」が定められた背景には、テレビというメディアが持つ「単なる娯楽装置」から「社会を映し、世界をつなぐ窓」へと変化してきた歴史があります。
1996年11月21日から22日にかけて、国連主催の「第1回世界テレビフォーラム」が開催されました。
そこで、世界各地のメディア関係者や放送局の代表が集まり、「テレビが平和・安全・社会開発・文化交流などに果たす役割」を議論しました。
これは、テレビが人々の意思決定や世論形成、さらに多様な文化間の対話に影響を与えているという認識に立ったものです。
その後、1996年12月17日の国連総会において、決議 51/205が採択され、11月21日を「世界テレビ・デー」として毎年記念日とすることが決まりました。
決議では「テレビが意思決定プロセスに影響を与えており、世界中の人々がテレビを通じて社会・文化・開発の課題にアクセスできるようになることを促す」旨が明記されています。
このように、「11月21日」という日付は、フォーラムが始まった日・議論が行われた日という意味だけでなく、「テレビを通じて世界を知り、世界を共有できるメディアとして捉え直そう」という国際的な意図が込められています。
つまり、テレビをただ眺めるだけでなく、“あらためてテレビを考える日”としての意味もあるのです。
さらにこの記念日には、「テレビへのアクセスが十分でない地域や人々にも情報を届けよう」「テレビ放送だけでなく映像メディア全体の普及・質の向上を図ろう」というメディア・アクセス格差（デジタル・ディバイド）に対する意識も含まれています。
世界中のどこにいても、映像を通じて“世界”を共有できるようになること。そんな願いがこの日には込められています。
世界テレビ・デー（11月21日）の豆知識
テレビはただ受け身で映像を見るだけの装置ではありません。
ここでは、“知っておくと話題になる”豆知識をいくつか紹介していきます。
まず、テレビが放送を始めた頃から現在に至るまでの“進化”を振り返ると、情報・文化・社会との関わりが見えてきます。
たとえばテレビは、ニュース速報やライブ中継など「リアルタイム性」を特徴として、災害時や戦争時にも世界中の人々に瞬時に情報を届けてきました。
テレビが「世界を可視化するメディア」として機能する場面は、まさにこの記念日の背景にあります。
また、テレビは「同じ時間、同じ番組を多くの人が共有する体験」を可能にするメディアでもあります。
家族で見るドラマ、友達と笑ったバラエティ番組、地域で盛り上がるスポーツ中継。こうした“体験の共有”がもたらすコミュニティ性は、インターネット時代以前からテレビの大きな特徴でした。
「テレビを囲んで集まる」というシーンを振り返ると、そこには“情報を共有する歓び”や“文化を共有する楽しさ”が含まれていたと言えます。
さらに、テレビの“グローバル面”にも注目です。たとえば国際的な報道番組、海外ドラマやドキュメンタリー、さらには各国の文化番組。テレビを通じて異文化を知り、異なる価値観に触れることができるのです。こうした“文化交流”という視点も、世界テレビ・デーのテーマに深く関わっています。
一方で、「テレビをまだ持っていない」「テレビ放送の恩恵を十分に受けていない」地域の存在も、この記念日を考える上では忘れられません。
テレビの普及率や視聴環境には国や地域で差があり、その差を縮めることもこの日の目的の一つです。
つまり、“テレビを持っている人が知っていることを、持っていない人にも届くようにしていこう”というメディアアクセスの視点も含まれています。
最後に、メディアリテラシーの観点からも面白いです。「テレビをただ見る」ではなく、「テレビをどう見て、どう受け止めるか」を考える機会としてこの日を活用できるということ。
映像・音声・情報がどう編集・演出されて伝えられているかを意識することで、テレビが持つ力を正しく理解し、批判的に且つ肯定的に活かすことができるようになります。
これらの豆知識を頭に置いておけば、「あ、テレビってこんなにも奥が深かったんだな」と家族や友人とも話題にしやすくなります。
世界テレビ・デー（11月21日）と深く関わる人物・団体・組織
この記念日を理解する際には、テレビという装置そのものだけでなく、それを取り巻く“人”や“団体”の動きにも注目すると世界が広がります。
まず、記念日制定の中心にあったのは、国連総会です。1996年12月17日に採択された決議 51/205は、テレビが社会・文化・開発に与える影響を認め、11月21日を世界テレビ・デーとすることを定めました。
また、視聴環境の整備や番組制作・放送という現場においては、欧州放送連合（EBU）、商業テレビ連合（ACT）、放送およびラジオ販売団体（egta）など、放送業界の国際的な団体も積極的に世界テレビ・デーの機会を活用しています。
れらの団体は記念日の周知やキャンペーンを通じて「テレビというメディアの価値」を改めて訴えています。
さらに、教育・文化・情報の観点からは、ユネスコ（UNESCO）もこの日を通じて「メディア・リテラシー」や「映像を通じた文化交流」の促進に取り組んでいます。メディアの読み解き方、映像メディアの倫理・アクセスなど、テレビを含むメディア全体に関わる視点がこの組織の役割です。
日本国内でも、公共放送・民放・地域放送局がこの日にちなんだ特集番組、トーク番組、視聴者参加キャンペーンなどを行うことがあります。
家族でテレビを見ながら「どこで作られているか」「誰のための放送か」を話すきっかけになったり、地域放送と世界放送との比較をしてみたり、テレビを“ただ見る”から“考える”へ移す機会になります。
こうした人・組織の動きがあることで、世界テレビ・デーは“テレビを祝う日”という以上に“メディアを通じて世界を考える日”としての意味を持っているのです。
世界テレビ・デー（11月21日）に関するよくある質問
Q1：なぜ11月21日が選ばれたのですか？
この日付が選ばれたのは、1996年11月21日・22日に開催された第1回世界テレビフォーラムを記念してです。フォーラムでは、テレビが平和・安全・社会・文化交流において果たす役割が議論されました。
そして同年12月、国連総会で決議 51/205が採択され、11月21日を毎年の記念日とすることが決定されました。
Q2：テレビ以外のメディアが発達している現代に、この記念日は意味がありますか？
もちろん意味があります。この記念日はテレビそのものを祝うというよりも、「テレビが象徴する“同時に、映像で、人と世界をつなぐ”という力」を再認識する日です。
インターネット、スマートフォン、動画配信サービスが広まった今でも、テレビには“多くの人に同時に届く”“映像と音声という体験”“全国・世界をつなぐ共通言語”という強みがあります。
また、テレビを含む映像メディア全体のアクセス格差や質の向上を考える機会としても意義があります。
Q3：個人や家庭では、この日はどんな過ごし方ができますか？
この日は「テレビをただ何となく見る」のではなく、少し工夫して使うと良いです。たとえば、家族や友人と「このテレビ番組が社会・文化・世界にどう影響してきたか」を軽く話してみる、ドキュメンタリー番組を一緒に観て“テレビの前にいる私たち”が何を受け取っているかを考える、テレビを持たない人や見えにくい環境にある人の視点を想像してみる、といったことができます。
さらに、SNSで「#WorldTVDay」「#世界テレビ・デー」というハッシュタグを使って思ったことをシェアしてみるのも良いでしょう。こうした行動が、テレビを見る習慣を“ただ楽しむ”から“考え、共有する”ものへと変えてくれます。
世界テレビ・デー（11月21日）まとめ
テレビが私たちの日常にあることは当たり前かもしれません。けれど、その“当たり前”の背後には、情報を届け、文化を共有し、社会を映像でひろげてきた大きな力があります。
11月21日の「世界テレビ・デー」は、そんなテレビの力をもう一度見つめ直す日です。テレビをただ眺める装置ではなく、「誰かと世界を共有できる窓」として捉え直す機会になります。
記念日に際して、少しでも「テレビってこんな役割があったんだ」と感じることができたら、日常が少し変わるかもしれません。
家族や友人と「テレビで何を伝え、何を得てきたか」「テレビをまだ持たない人はどう思うか」などを語り合えば、テレビを見る時間がただの習慣から“思索の時間”へと変わるかもしれません。
ぜひ今年の11月21日は、リモコンを手に取りながら、「この画面を通して何が届っているのか」「私達は何を受け取っているのか」をほんの少しだけ考えてみてください。
そこには、テレビだからこそ生まれる“つながり”と“問い”がきっとあります。