農協記念日(11月19日 記念日)はどんな日?
✅ 農協記念日の由来は、1947年11月19日に「農業協同組合法」が公布されたこと。
✅ 農協記念日の豆知識は、農協が食と地域の支え手として「協同組合原則」のもとで運営されていること。
✅ 農協記念日に関わる団体は、制定主体である全国農業協同組合中央会(JA全中)。
暮らしと農を結ぶ日 ― それが「農協記念日」
秋が深まり、空気に少しずつ冬の気配が混じるころ。
町の直売所に並ぶ新鮮な野菜、地域のイベントでふるまわれる炊き込みご飯、知っている農家さんの顔。
そんな「当たり前の風景」に、実は深い歴史と制度の支えがあると知ったとき、人は少しだけ世界の見え方が変わります。
11月19日は「農協記念日」。
この日、日本の農業を支える大きな柱のひとつ、「農業協同組合法(農協法)」が公布された日です。
聞き慣れたようで、実はあまり知られていない「農協」の本当の意味。
食べること、生きること、地域で暮らすこと――その根っこにある“協同”の力を、この日に少しだけ考えてみませんか?
農協記念日の由来とは?1947年11月19日がもつ意味
「農協記念日」は、1947年(昭和22年)11月19日に「農業協同組合法」が公布されたことに由来しています。
この法律は、戦後日本の農業と社会の再生に向けて定められたもので、農民が主体となって協同し、経済的・社会的地位を高めることを目的としています。
戦後の日本は、深刻な食糧不足と物資の混乱に見舞われていました。
それまで地主制度や個人経営に依存していた農業構造も限界を迎え、農村の疲弊は深刻化していました。
そうした状況の中、農業者が力を合わせて生産と生活を守り、効率的で持続可能な農業を実現していくために生まれたのが、「農協」という組織です。
「協同組合」という考え方は、単なる共同経営ではありません。
お互いに助け合い、共通の目標に向かって歩む「相互扶助」の精神が基盤です。
法律の公布によって、農協は国の制度として整えられ、農業資材の共同購入や農産物の共同出荷、農業金融、保険、生活支援など、多岐にわたる活動を行うことが可能になりました。
この日に制定された法律によって、農業者の暮らしに大きな変化がもたらされ、今日に続く農業協同組合の土台が築かれたのです。
そして、毎年この日には、全国の農協で記念事業や感謝イベントが行われることもあります。
農協にとって、そして農業に関心のあるすべての人にとって、11月19日は特別な意味を持つ日となっています。
農協記念日の豆知識~知っておくと話したくなる豆ネタ満載
農協と聞いて、「野菜の販売所」「地域にある金融機関」といったイメージを持つ人も多いかもしれません。
でも、実は農協はもっと多面的な役割を持っています。
まず、「農協(JA)」の「JA」とは、「Japan Agricultural Cooperatives」の略称です。
日本語では「農業協同組合」と呼ばれます。
全国の農家が組合員となり、自分たちで組織を運営する仕組みで、地域のニーズに応じて金融・保険・購買・販売・生活指導など、総合的なサービスを展開しています。
面白いのは、農協は単なる営利企業ではないという点です。
農家の生活を守り、地域を豊かにしようという“目的型組織”としての性格を持っています。
また、協同組合の7原則というものがあり、
- 自主・自立の原則
- 民主的運営の原則
- 経済的参加の原則
- 自立・教育・研修の原則
- 協同の原則
- 地域への関与の原則
- 持続可能性の原則
といった理念に基づいて、全国のJAが連携しながら活動しています。
最近では、農協が運営する「産直市」「JA直売所」などが都市部でも人気を集めており、“地産地消”や“フードマイレージ”という言葉と結びつけて注目されています。
その背景には、農協の「地域とともに歩む」という姿勢が根付いているからです。
つまり、農協記念日は単に制度の記念日ではなく、食や農のありがたみ、地域とのつながりを思い出す“きっかけの日”とも言えるのです。
農協記念日と深く関わる団体~JA全中とは?
「農協記念日」を制定したのは、東京都千代田区大手町に本部を構える「全国農業協同組合中央会」、通称「JA全中」です。
この団体は、全国にある各地域のJAをつなぐ中央組織であり、農業者の声を国に届ける「代表機能」、農協間の連携を調整する「総合調整機能」、そして農協の経営を支援する「経営相談機能」の3つを担っています。
JA全中は、1954年に農業協同組合法に基づく特別認可法人として設立され、現在は一般社団法人として再編されています。
「全国農業協同組合中央会」という名前は堅苦しく感じられるかもしれませんが、その使命は極めて身近なものです。
農業者が誇りを持って働ける社会をつくり、安心して暮らせる地域を守る。
そのために、行政や市場との交渉、制度づくり、情報発信、広報活動などを行っています。
また、各地域のJAとの連携を通じて、農業体験イベントの開催、食育活動の推進、災害支援などにも取り組んでいます。
このように、JA全中は農協という組織の“背骨”のような存在として、日本の農業を支え続けているのです。
そして、その活動の原点となるのが、「農協記念日」という節目なのです。
農協記念日に関するよくある質問
Q1:農協記念日って祝日ではないのですか?
A:いいえ、農協記念日は法律で定められた祝日ではありません。農業協同組合法の公布を記念して、JA全中が制定した記念日です。
Q2:農協記念日に何かイベントはありますか?
A:はい、JAグループ各地で記念セレモニーや直売所の感謝祭、食育イベントなどが開催されることがあります。地域によって内容は異なりますので、お近くのJAに確認してみてください。
Q3:農協とJAって違うのですか?
A:基本的には同じものを指します。「農協」は日本語の通称、「JA(Japan Agricultural Cooperatives)」はその英語略称です。組織名としては「JA○○」という形で地域ごとに名前がついています。
農協記念日のまとめ~身近な“協同”に気づく一日に
私たちの暮らしは、見えない誰かの努力や支えの上に成り立っています。
その中でも、農業という営みは、毎日の食事に直結する最も根源的な活動の一つです。
「農協記念日」は、その農業を支える組織――農協(JA)という存在が生まれた日。
1947年11月19日、農業協同組合法が公布されてから今日まで、農協は地域の農業者と消費者をつなぎ、共に支え合いながら進化してきました。
野菜を買うとき、ふと目にするJAのマーク。
それがただのロゴではなく、70年以上続く“協同の証”であると知ったとき、その意味はぐっと深まります。
11月19日、ほんの少しだけ足を止めて。
「ありがとう、農協」と心の中でつぶやいてみてはいかがでしょうか?
それは、地域と農、そして未来をつなぐ優しい気持ちの第一歩になるかもしれません。

