上野動物園開園記念日はどんな日?
✅ 日本初の動物園が開園した日
✅ 無料開園日として親しまれる
✅ 上野動物園と東京動物園協会が中心
1882年3月20日、東京・上野に日本で最初の動物園が開園しました。
上野動物園開園記念日は、その歴史の始まりをたどりながら、日本の動物園文化の歩みを感じられる記念日です。上野動物園は、ただ珍しい動物を見る場所として発展してきたわけではありません。
時代ごとに展示のあり方を変え、飼育技術を積み重ね、野生生物の保全や教育の場として役割を深めてきました。いまでは都心の動物園として親しまれる一方で、日本の動物園史を語るうえで欠かせない存在でもあります。
3月20日が無料開園日になっていることから、身近なお出かけ情報として知られることも多い日ですが、その背景を知ると、この記念日はぐっと味わい深くなります。
春の上野を思い浮かべながら読むと、動物園の門が初めて開かれた日の空気まで感じられるような、そんな記念日です。
上野動物園開園記念日の由来をたどると、日本の動物園史が見えてくる
上野動物園開園記念日の由来は、とても明快です。
1882年(明治15年)3月20日に、上野公園内で上野動物園が開園したことを記念する日だからです。上野動物園の公式情報でも、この日は「博物館附属の動物園として開園」と記されており、日本で最初の動物園として位置づけられています。
開園当初の敷地は約1ヘクタールで、いまの広大な園内を思うと驚くほどコンパクトでした。けれど、その小さな始まりが、その後の日本の動物園文化の原点になりました。
そもそも上野動物園は、最初から現在のような東京都の施設だったわけではありません。
開園時は農商務省所管の博物館付属施設で、当初は日本産の動物や家畜の展示色が濃かったとされています。その後、1886年には宮内省の所管となり、さらに1924年には皇太子殿下、のちの昭和天皇のご成婚を記念して、上野公園とともに東京市へ下賜されました。
こうして「恩賜」の名を持つ動物園となり、戦後の1947年に現在の「東京都恩賜上野動物園」という名称になりました。名前の変遷だけでも、日本の近代史と上野動物園が深く結びついてきたことが伝わってきます。
この記念日が魅力的なのは、単に「古い施設の誕生日」では終わらないところです。
上野動物園は、開園130周年や140周年の節目に「はじまりはいつも上野から」という言葉を掲げてきました。これは、日本で最初の動物園として、多くの「最初」を生み出してきた自負の表れでもあります。
日本の人々にとって、動物園という文化を身近にした入口が上野だったことを思うと、3月20日は一施設の記念日であると同時に、日本の動物園文化の原点を振り返る日だといえます。
また、3月20日は上野動物園の無料開園日としても知られています。
公式案内では、開園記念日、みどりの日、都民の日が無料開園日とされており、小学6年生までの子どもは常時無料、都内在住・在学の中学生も無料です。
つまり、この記念日は歴史を祝うだけでなく、「より多くの人に動物園へ親しんでもらう日」として、現在もきちんと生きています。
記念日が過去を飾るためだけでなく、来園者の体験に結びついているところに、上野動物園らしい温かさがあります。
上野動物園開園記念日の豆知識を知ると、ぐっと親しみが増す
上野動物園開園記念日にまつわる豆知識のなかでも、まず心をつかまれるのが、開園当初の雰囲気です。
上野動物園の公式年表では、開園時の面積は「1ヘクタールほど」とされ、日本最初の水族館にあたる観魚室が同年9月に公開されたことも紹介されています。
一方で、開園当初は水牛、猿、鷲などが人気を集め、入場料は平日1銭、日曜日2銭だったと伝える資料や解説も複数見られます。
いまの感覚では想像しにくい価格ですが、当時の人々にとっては、それでも十分にわくわくする見世物だったのでしょう。珍しい生き物をひと目見たいという気持ちは、明治の人も現代の人も変わらないのかもしれません。
もうひとつ印象的なのは、上野動物園が長い歴史のなかで、時代の喜びも悲しみも引き受けてきたことです。
公式の歴史紹介でも、第2次世界大戦中の「猛獣処分」は悲しい出来事として明記されています。動物園は楽しい場所という印象が強いものですが、その裏では社会情勢の影響を大きく受けてきました。
だからこそ、上野動物園開園記念日を知ることは、動物園をただ消費するのではなく、生き物を守ること、人と動物の関係を考えることにもつながっていきます。歴史を知るほど、この記念日には少し背筋が伸びるような重みも感じられます。
そして、上野動物園といえばパンダを思い浮かべる人も多いでしょう。
1972年には日中国交回復を記念してジャイアントパンダが来園し、大変なにぎわいを見せました。これは公式の歴史でも確認できます。ただし、現在の状況は少し変わっています。
上野動物園の公式サイトでは、シャオシャオとレイレイが2026年1月27日に中国へ返還され、現在は上野動物園でジャイアントパンダを飼育していないと案内されています。
つまり、上野動物園は「パンダの園」というイメージを持たれやすい一方で、2026年3月時点ではパンダ不在の時期にあたります。この変化を知っておくと、昔の印象だけで語らず、今の上野動物園をきちんと見つめられます。
現在の上野動物園は、都心の自然と景観を生かした都市型動物園として、約300種2500点の動物を飼育展示しています。
かつて「500種あまり」と案内されていた時期もありますが、公式の最新案内では約300種2500点です。希少な動物の展示だけでなく、保全や教育の役割を重視しているのも大きな特徴です。
長い歴史のなかで、見せる動物園から、学びと保全を伝える動物園へと進化してきた姿は、記念日を通してこそ見えてきます。昔のにぎわいに胸が躍る一方で、現代の動物園が担う責任の大きさにも、しみじみと気づかされます。
上野動物園開園記念日と関わりの深い人物・団体・動物たち
上野動物園開園記念日を語るうえで、まず外せないのは上野動物園そのものです。
1882年の開園以来、日本の動物園界を先導してきた存在であり、公式には「日本で最初の動物園」と明記されています。しかも、その役割は歴史展示にとどまりません。
現在も野生生物保全プロジェクト、研究成果の発信、教育プログラムなどを通じて、都市のなかで人と自然を結ぶ重要な拠点になっています。上野動物園開園記念日は、そんな施設の誕生と歩みを思い出す日です。
次に深く関わる団体として挙げたいのが、公益財団法人東京動物園協会です。
現在、上野動物園を含む都立動物園・水族園を運営する主体として案内されており、来園案内、保全活動、教育普及など、日々の運営を支えています。
記念日がただの年中行事で終わらず、無料開園日として継続し、最新の飼育展示や学びの場として機能しているのは、こうした運営体制があるからこそです。表には見えにくい存在ですが、記念日の価値を実際に支えている縁の下の力持ちといえます。
人物でいえば、歴史の節目で欠かせないのが皇太子殿下、のちの昭和天皇です。
1924年、そのご成婚を記念して上野公園と動物園が東京市に下賜されたことは、上野動物園の成り立ちを語るうえで非常に重要です。
この出来事があったからこそ、「恩賜上野動物園」という名が生まれ、現在の名称にもつながっています。記念日の背景には、明治から大正、昭和へと続く時代の流れが重なっているのです。
そして動物の存在も忘れられません。
歴史のなかでは、水牛や猿、鷲のような開園当初の人気者がいて、戦後には子ども動物園が開園し、人と動物が近くで触れ合える場がつくられました。
1972年以降はカンカン、ランランにはじまるパンダたちが上野の象徴になり、多くの人の思い出を彩ってきました。
現在はパンダがいない時期ですが、だからこそ上野動物園の魅力をパンダだけに絞らず、スマトラトラやニシローランドゴリラ、コビトカバをはじめとする多様な命に目を向けるきっかけにもなります。記念日は、有名動物を懐かしむ日であると同時に、園全体の価値を見直す日でもあります。
上野動物園開園記念日に関するよくある質問
上野動物園開園記念日は、なぜ3月20日なのですか?
3月20日なのは、1882年(明治15年)3月20日に上野動物園が開園したからです。
公式の歴史ページでも、この日に「博物館附属の動物園として開園」と記されています。記念日名そのものが、開園日をまっすぐ記念しているため、とてもわかりやすい由来を持つ日です。
しかも上野動物園は日本初の動物園なので、3月20日は一施設の誕生日であるだけでなく、日本の動物園文化の出発点を思い返す日でもあります。
上野動物園開園記念日は、入園料が無料になるのですか?
無料になります。上野動物園の公式案内では、開園記念日である3月20日は無料開園日です。
あわせて、みどりの日の5月4日、都民の日の10月1日も無料開園日として案内されています。さらに、小学6年生までは常時無料、都内在住・在学の中学生も常時無料で、5月5日のこどもの日はすべての中学生が無料です。
記念日をきっかけに足を運びやすい仕組みが整っているので、上野動物園開園記念日は「知る日」であると同時に「訪れやすい日」でもあります。
上野動物園には今もパンダがいますか?
2026年3月時点では、上野動物園にジャイアントパンダはいません。公式情報によると、シャオシャオとレイレイは2026年1月27日に中国へ返還されました。
また、公式の「パンダのもりネット」でも、現在は上野動物園でジャイアントパンダを飼育していないと明記されています。パンダで有名な動物園という印象は今も強いですが、現時点では不在です。
そのため、上野動物園開園記念日をきっかけに訪れるなら、歴史そのものや、多様な動物展示、保全の取り組みに目を向けると、上野動物園の魅力をより深く味わえます。
上野動物園開園記念日が教えてくれる、動物園のはじまりと今
上野動物園開園記念日は、日本最初の動物園が誕生した3月20日を記念する日です。
その意味は、昔の出来事を懐かしむだけにとどまりません。小さな1ヘクタールから始まった動物園が、時代の変化をくぐり抜け、無料開園日として多くの人に親しまれ、いまでは保全や教育の拠点として大きな役割を担っていることまで見えてきます。
開園当初のにぎわい、水牛や猿に胸を躍らせた明治の来園者、パンダに熱狂した時代、そして現在の静かな責任感。そのすべてが、上野動物園の歴史に折り重なっています。
3月20日という日付には、日本の動物園文化が歩んできた時間そのものが宿っているのです。
上野動物園開園記念日を知ることは、動物を見る楽しさの先にある、命を守り、学び、つないでいく動物園の本当の魅力に出会うことでもあります。
