無線機から聞こえてくる、遠く離れた誰かの声。
「CQ CQ、こちらは JA1XXX、聞こえますか?」
その一言から始まる会話は、インターネットにはないぬくもりを感じさせてくれます。
「アマチュア無線の日(7月29日)」は、そんな“声の絆”にもう一度目を向けてほしいと願い、1973年に制定された記念日です。
今ではスマートフォンやSNSが当たり前の時代。
でも、災害時に真っ先に活躍するのは、アナログなアマチュア無線だったりするんです。
そして、電波を通じて世界中の誰かと直接つながる感動は、デジタルにはないリアルな体験。
この記事では、「アマチュア無線の日」の由来、魅力、そしてその背後にある人々の想いをたっぷりとお届けします。
「ちょっと懐かしい」けど、「すごく新しい」。
そんなアマチュア無線の世界を、一緒に覗いてみませんか?
アマチュア無線の日はどんな日?
✅戦後のアマチュア無線が解禁された日
✅日本アマチュア無線連盟が記念日に制定
✅無線の魅力を再発見するきっかけ
アマチュア無線の日の由来を深掘り!
「アマチュア無線の日」は、1973年(昭和48年)に日本アマチュア無線連盟(JARL)が制定しました。
この日、何があったのかというと…
それは、1952年(昭和27年)7月29日にアマチュア無線が正式に解禁された日なんです。
戦前、日本でもアマチュア無線は一部の愛好家によって楽しまれていました。
しかし、1941年12月8日の太平洋戦争開戦と同時に、アマチュア無線は全面的に禁止されてしまいました。
それから実に11年間。
日本の無線愛好者たちは、じっと再開の日を待ち望んでいたのです。
そしてようやく1952年のこの日、全国30局(30人)にアマチュア無線の予備免許が交付され、再び声が電波に乗って飛び立ちました。
この記念すべき日を「アマチュア無線の日」として讃え、制定されたのがこの記念日のはじまりです。
アマチュア無線の日にまつわるエピソードと豆知識
アマチュア無線には、“ラジオ好き”や“電子工作マニア”だけでなく、実にさまざまな人々が関わっています。
たとえば…
災害時、電話もインターネットも使えない中、唯一情報をやりとりできたのがアマチュア無線だった事例もあります。
2011年の東日本大震災では、停電や通信障害が相次ぐ中、アマチュア無線家たちが救援の連絡手段として大活躍しました。
また、アマチュア無線には「Q符号」と呼ばれる略語があり、国際的な共通語として使われています。
たとえば…
- CQ:誰か、応答してください(全世界向けの呼びかけ)
- QSL:受信しました!ありがとう!
この符号を駆使すれば、言語の壁を越えて世界中の人と会話ができるんです。
さらに、日本では**総務省が発行する国家資格(第四級アマチュア無線技士など)**を取得すれば、誰でも無線通信を楽しめます。
資格は難しくなく、1日講習でも取得可能なレベル。
最近では、中学生や高校生の間でも「令和のアナログ趣味」としてひそかなブームとなっています。
アマチュア無線の日と関わりの深い人々や団体
この記念日を制定したのは、日本アマチュア無線連盟(JARL:Japan Amateur Radio League)。
1926年に創設されたこの団体は、日本全国のアマチュア無線家をつなぐ中核的存在です。
会員は個人だけでなく、学校の無線部や地方自治体、企業の技術者までさまざま。
彼らは以下のような活動を行っています:
- アマチュア無線技士の資格取得支援
- 無線機器の規格整備と認定
- 災害時の非常通信訓練
- 国際的な無線イベントの開催
また、1952年に予備免許を取得した30人の無線家たちは、「無線復活のパイオニア」として今でも語り継がれています。
彼らの多くは手作りの無線機を使って交信し、戦後の無線文化を根付かせるきっかけを作りました。
アマチュア無線の日に関するよくある質問
Q1:アマチュア無線って今も使っている人は多いの?
A1:はい。全国で10万人以上のアマチュア無線家が登録されており、災害時の通信手段や趣味の一環として活用されています。
Q2:免許が必要と聞きましたが難しいですか?
A2:第四級の資格であれば、比較的簡単に取得できます。1日の講習会や、独学でも合格可能です。
Q3:インターネットがある時代に、なぜ無線?
A3:電波という“リアルなつながり”は、通信が遮断された時にも使えますし、顔も知らない誰かとつながる不思議な感動があります。
アマチュア無線の日のまとめ
アマチュア無線の日(7月29日)は、ただの“懐かしい技術”を讃える日ではありません。
それは、人と人をつなぐ“声の文化”を再認識する大切な日なのです。
スマホもSNSも使えない状況で、あなたの声を届けてくれるのがアマチュア無線。
そして、世界のどこかにいる誰かと、たった今、電波でつながれるかもしれないという“ロマン”があります。
この機会に、無線の世界へ一歩を踏み出してみませんか?
あなたの「CQ CQ」が、きっと誰かに届きます。
