もし今、誰かがあなたの健康を密かに守っているとしたら、気づきますか?
私たちは毎日、自由に飛行機に乗り、港を行き来し、外国からの美味しい食べ物を楽しんでいます。
でも、その裏には、病原体の侵入を未然に防いでいる人たちがいるのです。
その中心的な役割を担うのが「検疫」です。
そして、日本にとってその検疫の出発点となった日が、7月14日の「検疫記念日」です。
この記念日は、1879年に日本で初めて「伝染病予防の法令」が制定されたことをきっかけに生まれました。
新型コロナウイルスの流行以降、「検疫」という言葉が私たちの日常に戻ってきた今こそ、その意味や歴史を見つめ直すべき時ではないでしょうか。
この記念日をきっかけに、健康を支える見えない努力に、少しだけ目を向けてみませんか?
検疫記念日はどんな日?
✅日本初の伝染病予防法令の日
✅見えない水際で命を守る人々に感謝する日
✅「港の衛生週間」の始まりの日
検疫記念日の由来を深掘り解説!
検疫記念日は、1961年(昭和36年)に当時の厚生省と日本検疫衛生協会によって制定されました。
その背景には、ちょうど82年前、1879年(明治12年)の7月14日に、日本初の伝染病対策として「海港虎列刺病伝染予防規則」が公布された事実があります。
この法律の目的は、当時猛威を振るっていた「虎列刺(コレラ)」の国内侵入を防ぐこと。
「コレラ」と聞くと遠い昔の病気のように思えますが、当時はまさに恐怖の象徴でした。
実は、日本で初めてコレラが確認されたのは、それよりもさらに遡った1822年(安政5年)。
この時、わずか数カ月で江戸では3万人から4万人もの命が失われたと記録されています。
こうした経験から、日本は検疫制度の強化を重ねていきます。
1897年には「伝染病予防法」、1899年には「海港検疫法」、そして1927年には「航空検疫規則」が制定。
1951年にはそれらを一本化する形で「検疫法」が誕生し、現代にもつながる検疫制度の土台が築かれました。
そして1961年、検疫の重要性を広く知らせるために7月14日を「検疫記念日」と定め、この日から1週間を「港の衛生週間」として、全国で啓発イベントが行われるようになったのです。
検疫記念日に知ってほしい豆知識
「検疫」と聞いて、どんなイメージが浮かびますか?
「空港で熱を測られること?」「ちょっとした手続き?」
実は、検疫はもっと深い意味を持つ、とても重要な公衆衛生の仕組みです。
検疫とは、感染症が海外から国内に持ち込まれるのを防ぐため、空港や港などの「水際」で行われる健康チェックや対策のこと。
特に現代では、飛行機で数時間あれば世界のどこにでも行ける時代。
感染症もまた、信じられないスピードで地球を移動します。
実際に新型コロナウイルスの初期段階では、多くの国で検疫体制が整っていなかったことが、世界的なパンデミックの一因とされました。
そこで日本では、成田空港や羽田空港などの主要空港に設置された「検疫所」が、PCR検査や隔離措置を実施。
24時間体制で感染症の侵入を防ぐべく、医師や検疫官たちが奮闘しました。
検疫は、まさに「最前線の命の防波堤」。
その存在に支えられて、私たちは自由な日常を送ることができているのです。
検疫記念日に関わる人たちを知ろう
検疫記念日に注目が集まる中、忘れてはならないのが、それを支えている人たちの存在です。
まず中心にあるのが、厚生労働省。
1951年の検疫法制定以来、日本の検疫体制を法的・制度的に支えてきた省庁です。
次に、「日本検疫衛生協会」。
検疫に関する教育や普及活動を行い、記念日の制定にも関わった公益団体で、専門家による講習や資料発行なども担っています。
そして、現場で活躍するのが「検疫官」。
彼らは医師・看護師・薬剤師・獣医師などの資格を持ち、国境の最前線で感染症の脅威と日々向き合っています。
さらに国際的には、世界保健機関(WHO)や国際民間航空機関(ICAO)などが、各国に検疫体制の整備を呼びかけており、日本もこれに従って検疫強化を進めています。
検疫記念日は、こうした専門職や組織の努力と貢献に感謝を伝える日でもあります。
検疫記念日に関するよくある質問
Q1. 検疫記念日って一般人に関係あるの?
A. あります。検疫は私たちの生活を感染症から守っている仕組みであり、誰もがその恩恵を受けています。
Q2. 検疫って具体的にはどんなことをしているの?
A. 空港や港で入国者の健康状態を確認し、感染症の疑いがあれば検査や隔離措置を実施します。
Q3. なぜ7月14日なの?
A. 1879年7月14日に「海港虎列刺病伝染予防規則」が制定されたため。この法令が日本の検疫制度の出発点となりました。
その他の記念日(7月14日)
検疫記念日
パリ祭・フランス革命記念日
ペリー上陸記念日
廃藩置県の日
内視鏡の日
ひまわりの日
求人広告の日
ゼラチンの日
ゼリーの日
月でひろった卵の日
しんぶん配達の日
平田村あじさい記念日
内臓脂肪の日
家庭教育を考える日
丸大燻製屋・ジューシーの日
クラシコ・医師の日
検疫記念日のまとめ
検疫記念日は、決して「遠い存在の人たちのための日」ではありません。
むしろ、私たちの身近な暮らしや未来の健康を守る、大切なきっかけの日です。
感染症のリスクが絶えない今、改めて「検疫とは何か」を知ることは、家族や大切な人を守る第一歩になります。
誰かが私たちを守ってくれている。
その事実に感謝しながら、検疫記念日には少しだけ立ち止まって、その意義を心に留めてみてください。
