閻魔参り・閻魔賽日(1月16日)はどんな日?
✅ 仏教において地獄の釜の蓋が開き、鬼や亡者が休むとされる特別な日。
✅ 寺の閻魔堂へお参りし、奉公人が実家へ帰る「薮入り」の風習も重なる。
✅ 閻魔大王と全国の寺院、奉公文化が深く関係している伝統行事。
1年で“地獄が休む”日があるって知ってましたか?
ふだん「悪いことしたら、閻魔様に舌を抜かれるよ」と子どもに言うことがありますよね。
でも、その閻魔様にも、年に2回だけ“優しくなる日”があるのです。その1つが、1月16日の「閻魔参り(えんままいり)」「閻魔賽日(えんまさいじつ)」。
この日は地獄の釜の蓋が開いて、あの世の鬼たちも、罪を背負った亡者たちも、みんなが責め苦から解放される“お休みの日”なのです。
不思議ですよね。
なぜ、そんな日ができたのでしょうか?
ここでは、「閻魔参り・閻魔賽日」の由来から、実際に行われてきた風習、現代でどう受け継がれているのかまでを、わかりやすくお伝えします。
あなたもこの1月16日、ちょっと立ち止まって、自分の心と向き合ってみませんか?
閻魔参り・閻魔賽日はどうして1月16日?その不思議な由来
「閻魔参り」や「閻魔賽日」がなぜ1月16日になったのか――。そこには、仏教の死生観と、庶民の暮らしが絶妙に絡み合った歴史があります。
そもそも閻魔大王とは、仏教における冥界(地獄)の裁判官のような存在。人は亡くなると、七日ごとに冥界で裁きを受けます。
そして七回目の裁きを行うのが、閻魔様。
つまり、初七日から四十九日までの法要の最終日、「七七日(しちしちにち)」に登場するのが閻魔大王です。
この「七七日=49日」の考え方と、「年に2回、罪が赦される日」という民間信仰が融合して生まれたのが、1月16日と7月16日の閻魔賽日。特に1月16日は、新しい年の最初の閻魔の日。
「今年こそは正しく生きよう」と決意を新たにする日として、多くの人が寺の閻魔堂に足を運びました。
また、仏教の中でも地獄の世界は非常に強烈なイメージを持ちます。血の池、針の山、舌を抜く、火で焼かれる――。
そうした苦しみを一時でも休める日があるというのは、ある意味、人間の希望だったのかもしれません。
“舌を抜かれる”だけじゃない?閻魔参りに込められた深い意味
「閻魔様って怖いだけの存在でしょ?」と思っていませんか?
実は、閻魔様は“ただ罰を与える”だけの神様ではありません。仏教では、閻魔大王は過去の行いを公平に裁く存在であり、「反省を促す存在」でもあります。
つまり、悪を罰するだけでなく、“正しく生き直すチャンス”を与えてくれる慈悲深さも持っているのです。
1月16日の閻魔参りには、そうした閻魔様の“もう一度やり直しなさい”という優しさを感じ取る人も少なくありません。特に昔の人たちは、新年のこの日に閻魔様に手を合わせて、自分の言動を見直しました。
悪いことをしていないか。感謝の心を忘れていないか。嘘をついたことはなかったか――。
まるで、心の棚卸しをするかのように、静かに手を合わせる時間だったのです。現代ではなかなかこういう時間、持てないですよね。
でも、スマホや仕事から少しだけ離れて、自分の心の声に耳を傾けるのも、大切なことではないでしょうか。
奉公人にとっての“待ちに待った日”だった「薮入り」
閻魔賽日には、もう一つの顔があります。
それが「薮入り(やぶいり)」です。
江戸時代から昭和初期にかけて、商家などで働く奉公人(ほうこうにん)には、年に2回だけの休暇が与えられました。それが、1月16日と7月16日。
この日、彼らは数カ月ぶりに実家へ帰ることが許され、親元で羽を伸ばすことができました。「薮入り」という言葉は、“田舎の薮を抜けて実家へ帰る”というところから来ているとも言われています。
つまり、閻魔様が地獄の門を開いて罪人を休ませるように、商家も奉公人を休ませてあげたのです。
その日、街の茶屋や湯屋は大にぎわい。家族にお土産を買って帰る若者たちの姿に、町全体が温かい空気に包まれていたそうです。
閻魔賽日は、単なる仏教行事ではなく、「人を思いやる心」があふれる日でもあったのです。
現代の私たちが「閻魔参り」から学べること
もはや奉公制度もなくなり、「薮入り」も見かけることがなくなった今。
では、私たちはこの「閻魔賽日」をどう受け止めればよいのでしょうか?
そのヒントは、「心を休ませる日」「反省して感謝を思い出す日」という意味にあります。忙しく働き、目まぐるしい毎日を過ごす現代人。
つい、イライラしてしまったり、人に厳しくしてしまったり、自分を責めたり…。そんな私たちにとって、1月16日は「心を整えるためのストップボタン」かもしれません。
閻魔様は言います。
「嘘をついたことはないか?」「人を傷つけなかったか?」
でもその問いの裏には、「明日からやり直せばいい」という温かい励ましも含まれています。
お寺に行かなくても構いません。ほんの5分、目を閉じて自分を見つめるだけでも、心の釜の蓋が少し開くかもしれません。
閻魔参り・閻魔賽日にまつわるQ&A
Q1. なぜ閻魔様が休む日があるの?
A1. 仏教と民間信仰が融合し、地獄の責め苦を一時休むという考え方が定着しました。
Q2. 閻魔参りって、どこでできるの?
A2. 東京の「太宗寺(新宿)」や京都の「千本閻魔堂」など、全国に閻魔堂のある寺院で行われています。
Q3. 子どもに話すとき、どう伝えればいい?
A3. 「人に優しくできたかな?自分を見直す日なんだよ」と伝えると、怖がらせずに教えられます。
閻魔参り・閻魔賽日は“心をほどく日”
1月16日の閻魔参り・閻魔賽日は、地獄の釜の蓋が開く、年に一度の不思議な日。
でもそれは、ただの伝説ではなく、「今を生きる私たち」にとっても意味のある行事です。
忙しいからこそ。
疲れているからこそ。
1月16日は、あなた自身を“裁く”のではなく、“いたわる”日にしてみませんか?
きっと閻魔様も、やさしく微笑んでくれるはずです。
今日は何の日(1月16日は何の日)
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