「遺言の日(1月5日 記念日)」はどんな日?
✅ 「い(1)ご(5)ん」の語呂合わせと家族が集まる時期を活かして制定された日。
✅ 法律用語では「いごん」、日常会話では「ゆいごん」と読まれる。
✅ 公益財団法人・日本財団と日本記念日協会が制定・認定に関与している。
遺言の日(1月5日 記念日)とは?家族の未来を考えるための大切な一日
1月5日は「遺言の日(いごんのひ)」として制定されている記念日です。
「遺言」と聞くと、どこか堅苦しくて重いイメージを持つ方も多いかもしれません。でも、この日は違います。
家族がもっと安心して未来を描けるようにするための、やさしいきっかけの日です。「遺言の日」は、日付の語呂合わせである「い(1)ご(5)ん(遺言)」が由来になっています。
そして、多くの家族が正月で顔を合わせるこの時期だからこそ、普段は口にしにくい“その後のこと”について話しやすい日でもあります。
この日は公益財団法人・日本財団が制定し、2016年に一般社団法人・日本記念日協会により正式に記念日として登録されました。
ただの語呂合わせではなく、多くの人が家族の未来について向き合えるようにとの願いが込められています。
この記事では、「遺言の日」を軸に、遺言とは何か、なぜ必要なのか、どんな人に向いているのかを、わかりやすく、親しみやすい言葉でお伝えしていきます。
遺言の日ができた背景—家族と未来をつなぐ“気づきの一日”
遺言の日は、公益財団法人・日本財団が制定した記念日です。
日本財団は、社会のさまざまな課題に取り組んでいる団体で、医療・福祉・教育・災害支援など幅広い活動を展開しています。その中で相続や遺言というテーマは、家族の日常生活や人生設計と深く結びついている重要なテーマでした。
特に日本は急速に高齢化が進行しており、親の介護や相続、終活の話題が増えています。
そんな中、多くの家庭では「いつか話さなくちゃいけない」と思いながらも、なかなか話題に出せないのが遺言の問題です。
「遺言を書かなければならないって分かっているけど、どうしたらいいんだろう」
「家族との関係が壊れないか心配だ」
そんな思いを抱える人は決して少なくありません。
そこで日本財団は、家族が集まる機会が多いお正月に合わせて、「遺言について話すきっかけの日」をつくろうと考えました。1月5日という日付は、ただの語呂合わせだけではありません。
多くの家族が集まる正月というタイミングだからこそ、じっくり話し合う時間が生まれる可能性が高いという狙いがあったのです。
そして2016年、一般社団法人・日本記念日協会により正式に記念日として認定され、全国的に広まっていきました。
遺言ってそもそも何?「ゆいごん」と「いごん」の違い
遺言という言葉は、日常では「ゆいごん」と読むのが一般的です。
友達同士の会話やテレビ番組では「ゆいごん」と聞くことが多いでしょう。しかし、法律用語として使われる時は「いごん」と読みます。
これは法律文献や裁判の場面で正確に用いられる読み方で、文章にするときには注意が必要です。
では遺言とは何でしょうか。
簡単に言うと、「その人が亡くなった後の大切な取り決めを、本人の意思として残すための最終的な意思表示」です。
遺言書があることで、財産分けや遺産相続の手続きがスムーズになるだけでなく、家族の意見が分かれやすい場面を避けることにもつながります。
例えば、次のような場面を想像してみてください。
家族の物語—ある遺言がもたらした平和な時間
祖父が静かに眠るように旅立ったある日。
4人兄弟で集まった一家には、悲しみとともに問題が訪れました。
遺産の分け方を巡って、言い争いが始まったのです。
父は「これは俺のだ」と主張し、叔母は「それは違う」と反論します。
家族の空気は重く、沈黙が増えていきました。
しかしその日の昼過ぎ、遺言書が見つかりました。
そこには、祖父が丁寧に書き残した言葉と財産の分配についての具体的な指示があったのです。
兄弟たちは涙をこぼしながらその遺言を読み、祖父が残した最後の願いを理解しました。
そして、いつの間にか笑顔も戻り、家族は穏やかな時間を取り戻しました。
この出来事は、遺言がただの法律文書ではなく、家族への想いそのものであると教えてくれる例です。
遺言の種類—自筆、公正、秘密…あなたに合うものは?
遺言には大きく分けて3つの形式があります。
それぞれメリット・デメリットがあるので、目的や状況に応じて選ぶことが大切です。
自筆証書遺言
これは全文を本人が自分で手書きする遺言です。
日付や署名も自分で書かなければならず、すべて自筆であることが条件です。
メリットは費用がかからないこと。
公証人役場へ行く必要もありません。
ただし、形式が少しでも間違っていると無効になってしまう可能性があります。
さらに、保管場所が問題になるケースもあります。
書いた本人が亡くなった後、家族が見つけられないということが実際に起きているのです。
公正証書遺言
こちらは公証人役場で作成してもらう遺言です。
本人が遺言の内容を口述し、それを公証人が文章にまとめてくれます。
法律の専門家が関わるため、形式不備による無効のリスクがほとんどありません。
また、公証人役場で原本を保管してくれるので、紛失の心配もありません。
費用はかかりますが、安心感を得たい人には最適な方法です。
秘密証書遺言
これは遺言の内容を秘密にしたい人向けの形式です。
内容を封筒に入れて署名し、公証人役場で形式だけを確認してもらいます。
内容は秘密のまま残せますが、形式に不備があると無効になるリスクがあります。
遺言の日に話したい7つのテーマ—その一歩が家族の安心につながる
遺言について話すきっかけをつくるのは簡単なことではありません。
特に家族が集まる正月だからこそ、気まずさを感じてしまうこともあるでしょう。
そこで、遺言の日に家族と一緒に話せるテーマを7つご紹介します。
どれも大切な話題ですが、重苦しくならないように工夫されたテーマです。
① 家族への想いを言葉にしてみる
「ありがとう」「これからもよろしくね」。
これらの言葉には、財産以上の価値があります。
遺言は形式だけではありません。
大切な人への感謝の気持ちを形にする機会でもあります。
② 財産だけでなく“思い出”も分ける
写真アルバムや手紙、趣味の品。
「これはあの時の思い出だね」と話しながら分けることで、会話が弾みます。
思い出話は家族の絆を深めてくれます。
③ ペットのことをどうするか
ペットは家族同然です。
今後の世話について話すことで、安心感が生まれます。
④ 葬儀やお墓について
希望を伝えるだけで、残された人の負担が大きく減ります。
どんな式にしたいか、どんな場所が好きか。
そんな話題は意外と心が温かくなります。
⑤ 将来の住まいについて
老後の住まいについて話すことで、家族の不安が軽くなります。
ホーム、実家、自宅改修の希望など。
選択肢を知ることが大切です。
⑥ 家族のルールを決める
相続のことだけ話すのではなく、「家族の約束」を決める時間にする。
これも立派な遺言の一部です。
⑦ 将来の夢を語る
「孫にこういう人生を歩んでほしい」
そんな話が、家族の心をひとつにしてくれます。
遺言の日に向けて準備したいチェックリスト
遺言の日を迎える前に、次の項目をチェックしてみましょう。
これは話し合いをスムーズにするための準備リストです。
✔ 書きたい内容の大まかなメモを用意する
まずはメモから始めましょう。
完璧でなくて構いません。
✔ 自分の財産のリストを作る
預金、株、不動産、保険。
何がどこにあるかを時系列で整理することが大切です。
✔ 家族構成と連絡先を共有する
いざという時に連絡が取りやすいように、一覧にしておきましょう。
✔ 法律や税金の基本を知る
専門家に相談する前に、基本だけでも知っておくと安心です。
✔ 遺言書の保管場所を決める
書いた後の保管場所の共有は非常に重要です。
遺言の日に関するよくある質問(FAQ)
ここでは、多くの人が疑問に感じやすい質問を3つ紹介します。
Q1:遺言を書いた方がいいのはどんな人?
遺産の多さに関わらず、家族への気持ちを残したい人には誰でもおすすめです。
財産が少なくても、メッセージとして遺言を書いておく価値はあります。
Q2:遺言はいつでも変更できる?
はい、何度でも変更できます。
今の気持ちが変わったら、新しい遺言を書くことで更新が可能です。
古いものは無効になります。
Q3:遺言を書いたらすぐに効力がある?
遺言は本人が亡くなった時点で効力が発揮されます。
生前は効力が出ません。
したがって、生前の意思確認や家族とのコミュニケーションが非常に大切です。
遺言の日を家族の絆を深める一日に
遺言の日は、決して重く暗い日ではありません。
家族のこれからを考える大切な契機です。
未来の安心をつくることは、今ここにいる家族を大切にすることでもあります。
たった1日でも、遺言の日をきっかけに話し合う時間をつくるだけで、
これから先の未来がもっと豊かで、もっと安心できるものになります。
遺言は“法律”という側面だけではなく、愛する人への“最後の想い”です。
あなたの言葉が、家族の心に刻まれ、未来の安心につながる。
そんな日として、「遺言の日(1月5日)」を迎えてみてください。
まとめ〜遺言の日(1月5日 記念日)が教えてくれること
遺言の日は、家族がどんな未来を描くかを考える大切なきっかけです。
形式だけでなく想いを形にする日。
そして、家族の絆を強くする日でもあります。
ぜひこの日をチャンスに、家族との会話を深めてください。
