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世界点字デー(1月4日)とは?点字の意味とブライユの物語を知る国際記念日

世界点字デーの由来やルイ・ブライユの功績、点字の重要性を解説した国際記念日の特集記事
目次

世界点字デー(1月4日 記念日)はどんな日?

✅ フランスの発明家ルイ・ブライユの誕生日にちなみ、国連が定めた点字の国際記念日です。
✅ 点字は視覚障害者にとって「読む」自由を与え、情報へのアクセス権を象徴する手段です。
✅ 世界盲人連合と国連が中心となり、点字の意義と視覚障害者の権利を訴える活動の一環として制定されました。


視覚に障害がある方にとって、「読む」ことは、どれほどの希望になるのでしょうか。

文字を目で追うことができなくても、手のひらの感覚で文章を感じ取る。点字とは、そんな“指先の言葉”なのです。

1月4日は「世界点字デー(World Braille Day)」です。

この日は、点字を発明したルイ・ブライユの誕生日にちなみ、視覚障害者の情報アクセスや学びの自由を守ることの大切さを考える国際デーとして国連により制定されました。

目を閉じて、好きな小説を1ページ読んでみてください。見えないことで、世界がどれだけ狭くなるかを、少し想像できるかもしれません。

今回は、世界点字デーがなぜ生まれたのか、点字がどれだけの希望をもたらしてきたのか、そして、今わたしたちにできることは何か――

知られざる歴史と未来へのヒントを、たっぷりご紹介します。

世界点字デー(1月4日)の由来とは?ブライユの誕生日が記念日になった理由

「世界点字デー」は、2000年に世界盲人連合(World Blind Union)が提案し、2018年12月、国連総会で正式に「国際デー」として承認された記念日です。

そしてその日付は、ルイ・ブライユの誕生日である「1809年1月4日」。

この人物こそ、世界中の視覚障害者に「読む力」を届けた革命児なのです。

ルイ・ブライユは、フランスの小さな村で生まれました。5歳の時、父親の工房で誤って工具で片目を刺してしまい、もう片方の目にも感染が広がり、失明してしまいます。

目が見えない中、家族の支えを受けながら成績優秀だった彼は、10歳でパリにある王立盲学校に入学します。

しかし、当時の視覚障害者の教育は決して恵まれていたとは言えません。

用意されていた教材は、厚紙に浮き出し加工を施した「読みにくい文字」ばかり。それに、書くことはほとんど不可能でした。

そんな中、15歳だったルイは、ナポレオン軍が使っていた「夜間暗号通信」にヒントを得て、わずか6点の凸点で構成される「点字システム」を考案します。

2列3段に並んだ6つの点で、アルファベットや音を表すという、革新的な方法です。

この発明によって、視覚障害者も「読む」「書く」「伝える」ことが可能になりました。

世界点字デーは、この若き発明家の情熱と努力を称えるとともに、点字が果たしてきた社会的役割を再認識する日として制定されました。

世界点字デー(1月4日)の豆知識|点字がもたらした未来と現在の姿

点字はただの文字ではありません。

それは、目で読めない人にとっての「知識への扉」です。

現在、世界中で使われている点字の多くは、ルイ・ブライユの方式を基にしています。英語やフランス語、日本語、アラビア語など、それぞれの言語に対応した点字が存在し、世界共通の技術となっています。

日本では明治時代末期から点字が紹介され、1890年代には福島県出身の石川倉次が「日本語点字」を体系化し、現在の表記法の基礎を築きました。

日本語の点字は、ひらがな・カタカナ・アルファベット・数字・記号に対応しており、6点式で構成されている点ではブライユ方式と共通しています。

点字は以下のような特徴を持っています。

  • 6つの点の組み合わせで64通りの文字が表現可能
  • 視覚ではなく触覚で読むことを前提に設計されている
  • 点字用紙や点字ディスプレイなど、道具が豊富

近年では、点字を打ち込めるパソコンやスマートデバイスが開発されており、「音声+点字」のハイブリッドで情報を取得するケースも増えています。

一方で、便利な音声読み上げ技術の普及により、点字を使う人が減少しているという現実もあります。

だからこそ、「点字の意義」を知るための記念日が必要なのです。


世界点字デー(1月4日)と深く関わる人々と団体

世界点字デーに最も深く関わる人物は、ルイ・ブライユに他なりません。

しかし、この記念日を国際社会に広めた立役者として忘れてはならないのが、「世界盲人連合(World Blind Union)」です。

世界盲人連合は、世界190カ国以上から視覚障害者団体が加盟する国際組織で、視覚障害者の教育・雇用・社会参加・権利擁護に関するグローバルな活動を行っています。

2000年11月に開催された世界盲人連合の総会で、「点字の重要性を広めるための記念日」を提案し、その後、国連に正式に働きかける運動が展開されました。

国連も、「情報へのアクセスは人権の一部である」という視点から、この記念日を2018年に採択し、毎年1月4日を「World Braille Day」として世界中に啓発しています。

この活動によって、国際的に点字の認知が進み、視覚障害者の生活環境の向上が期待されるようになったのです。


世界点字デー(1月4日)に関するよくある質問

Q1. 世界点字デーはどこで何が行われているの?
A. 世界中の盲学校や福祉施設、公共図書館などで点字体験、展示、シンポジウムなどが行われます。日本でも点字図書館がイベントを開催することがあります。

Q2. 点字ってどうやって学べるの?
A. 各地の福祉センターや図書館、通信講座などで学ぶことができます。また、点字ボランティア養成講座も人気です。

Q3. 点字は将来なくなるの?
A. 音声技術の発展により使用者は減っているものの、「自分で読む」力を育てる点字の価値は変わりません。点字と音声、両方の技術が共存する未来が目指されています。

世界点字デー(1月4日)のまとめ|あなたの指先が、誰かの未来を変えるかもしれない

「世界点字デー」は、単なる記念日ではありません。

それは、文字を「見る」ことができなくても、「読む」ことができるという希望の象徴です。

情報社会の中で、視覚障害者が孤立しないように――
そのためのツールとして点字があるのです。

あなたの周りにも、気づかないだけで点字は存在しています。ペットボトルのふた、薬の箱、駅の手すり。

一度、指でなぞってみてください。その小さな凸点の中に、「誰かの自由」や「想い」が込められています。

1月4日の「世界点字デー」は、そんな見えない「文字の声」に耳を傾ける日です。

もしこの記事を読んで、点字の存在に少しでも興味がわいたなら、ぜひ点字ボランティアの説明会に足を運んでみてください。

あなたの指先が、誰かの世界を広げる力になるかもしれません。

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