初夢の日（1月2日 記念日）はどんな日？
✅ 1月2日夜から3日朝にかけて見る「初夢」で一年の吉凶を占う日です。
✅ 初夢に出てくると縁起が良い「一富士二鷹三茄子」は江戸時代から庶民の間に広まりました。
✅ 徳川家康とゆかりの深い駿河国が縁起物の由来とされ、江戸庶民文化と関係があります。
新年の夢に願いを込めて――初夢の日とは？
静かなお正月の夜。
おせちを食べて、お屠蘇（とそ）をいただき、こたつに入ってゆったりと過ごしたあと、ふと目を閉じる。
この夜に見る夢が、その一年の運勢を左右する――そう言われたら、少し気になりませんか？
日本には古くから「初夢（はつゆめ）」という風習があります。
特に「1月2日夜から3日朝にかけて見る夢」は、縁起を担ぐ大切な夢として、多くの人に親しまれてきました。
ただの夢ではなく、「幸せな1年の予兆」になるかもしれない。
そんなふうに考えながら眠る夜は、ちょっと特別なものです。
今回は、「初夢の日（1月2日）」という記念日について、その由来や意味、縁起物の背景、歴史的な人物との関わりまで、深く掘り下げてご紹介します。
きっと明日、誰かに話したくなるような初夢のトリビアが見つかるはずです。
初夢の日（1月2日 記念日）の由来――夢で占う一年の運命
初夢とは、その年に初めて見る夢のこと。
でも、実は「いつ見た夢が初夢なのか？」には、地域や時代によって異なる考え方があります。
一つ目の説は、元日の夜から2日朝にかけて見る夢。
もう一つの説が、1月2日夜から3日朝にかけて見る夢。
現在では後者の方が一般的とされており、記念日「初夢の日」もこの考えに基づいています。
では、なぜ1月2日なのか？
その答えは、江戸時代の暮らしの中にあります。当時の日本人にとって、元日は年神様を迎える神聖な日でした。そのため元日は「眠らずに過ごす」ことが縁起が良いとされる地域もあり、夢を見ること自体が少なかったのです。
一方、2日は正月二日（しょうがつふつか）と呼ばれ、日常が少しずつ戻り始める日。この日にゆっくり眠って見る夢こそ、「心が整った状態で見る夢」として重視されるようになりました。
こうして、1月2日夜の夢が「初夢」として定着していきました。
「一富士二鷹三茄子」の意味とは？――夢に出ると縁起が良いものたち
「一富士二鷹三茄子（いちふじ にたか さんなすび）」
この言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。これは、初夢に登場すると縁起が良いとされているものを順番に並べたものです。
でも、なぜこの3つ？
しかも、なぜ「茄子」？と思いませんか？
実はこの順番には、いくつかの由来があります。
富士山――日本一の高さと神聖な象徴
「富士」は言わずと知れた日本の象徴。日本一高い山である富士山は、古くから信仰の対象でもありました。
高さ＝高い目標、成功、理想。
そんな意味が込められており、夢に出てくると「大きな運」が舞い込むとされます。
鷹――強さと知恵、そして運をつかむ象徴
「鷹」は賢くて勇敢な猛禽類。
空高く飛ぶ姿や鋭い視力は、目標を見据える力を連想させます。
また、江戸時代には武士たちの間で鷹狩りが盛んだったことから、「武運」「勝利」の象徴としても扱われてきました。
茄子――成す、実る、はじまる
「茄子（なす）」はちょっと意外かもしれません。
でも、「成す（なす）」という言葉に通じることから、「夢が実る」「願いが叶う」という意味が込められているのです。
さらに、初物としての茄子は江戸時代では高価で貴重なものであり、富の象徴でもありました。
なぜこの3つ？そのルーツは駿河国（静岡）にあった？
この「一富士二鷹三茄子」が生まれた背景には、徳川家康の存在があります。
家康が晩年を過ごしたのが、現在の静岡県にあたる「駿河国」。
ここには富士山が見え、愛鷹山（あしたかやま）があり、茄子の産地でもありました。
つまり、この3つは「駿河の名物」でもあったのです。
そして家康自身がこれらを好んでいたことから、「縁起物」として江戸の庶民に広がったとされています。
そのため、このことわざには「出世」「成功」「富」への願いがたっぷり詰まっているのです。
初夢の日に欠かせない！七福神と宝船の風習
「良い夢を見たい」――そんな願いを込めて、ある“仕掛け”が昔から使われていました。
それが、「宝船に乗った七福神の絵」を枕の下に敷くという風習です。
七福神とは、恵比寿（えびす）・大黒天（だいこくてん）・毘沙門天（びしゃもんてん）・弁財天（べんざいてん）・福禄寿（ふくろくじゅ）・寿老人（じゅろうじん）・布袋尊（ほていそん）の7柱の神様。
それぞれが幸福、富、長寿、芸術などを司り、まとめて「福を呼ぶ神」として信仰されてきました。
この絵には、詩が添えられることもあります。
「長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り船の 音の良きかな」
これを唱えてから眠ると、さらに良い夢が見られるとも言われていました。
現代でも、年賀状やSNSでこの絵柄を見る機会があり、縁起の良い伝統として息づいています。
初夢の日に関するよくある質問
Q1：いい初夢を見るにはどうしたらいいの？
リラックスして眠ることが一番です。
夕食を軽めにしたり、温かいお風呂に入ってから布団に入ると、深い睡眠につながりやすくなります。
「良い夢が見たい」と思いながら眠ることも、潜在意識に良い影響を与えます。
七福神の絵を用意して枕の下に入れてみるのも楽しい工夫です。
Q2：悪い夢を見たらどうなるの？
「悪い夢＝悪い一年になる」とは限りません。
夢は潜在意識の表れとも言われ、必ずしも未来を示すものではありません。
縁起を担ぐことは大切ですが、悪夢を見たからといって気にしすぎるのはNGです。
むしろ「厄を夢の中で払い落とした」と考えて、前向きに新年をスタートさせましょう。
Q3：現代の初夢文化ってどんな風に残っているの？
SNSや漫画、アニメの中でも「初夢ネタ」は人気です。
1月2日〜3日の間に「こんな夢見た！」とポストする人も多く、時代が変わっても「初夢」は人々の興味を引き続けています。
特に、占いやスピリチュアルに興味のある人たちの間では、夢日記をつける文化も広がっています。
まとめ：初夢の日（1月2日）は、夢に願いを込める日
初夢の日（1月2日）は、ただの夢を見る日ではありません。それは、日本人が昔から大切にしてきた「願い」「縁起」「未来への希望」を込めた一夜です。
「一富士二鷹三茄子」という言葉の奥には、歴史や文化、人々の思いが詰まっています。
夢の中に希望を見る――そんな文化を大切にしながら、新しい一年を迎えることができたら素敵ですね。
あなたの初夢が、幸運の第一歩になりますように。