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【初荷とは】1月2日の伝統行事の意味・歴史・今のかたちを徹底解説!

初荷は商家の新年初出荷の伝統行事。由来や意味、現代の風習までをわかりやすく解説した内容です。
目次

初荷(1月2日 年中行事)はどんな日?

✅ 商家が新年初めての商品を出荷する、商い始めの伝統行事の日。
✅ 江戸時代から続く風習で、商品や運搬車を華やかに飾るのが特徴。
✅ 江戸の問屋街や、明治以降の運送業者が深く関わっている。


商いに生きた日本人が、心を込めて送り出す「初荷(はつに)」。

その一台の荷車には、単なる商品だけでなく、「新しい一年を良い年にしたい」という祈りや、商人としての誇り、そしてお得意様への感謝がぎっしり詰まっています。

1月2日という早さからも、「誰よりも早く、誰よりも誠実に」という商人魂が感じられます。

この記事では、江戸から現代まで続く「初荷」という日本の年中行事の魅力を、由来、豆知識、関わる人物や業界、よくある質問など、あらゆる角度から詳しくご紹介します。

新年の幕開けにふさわしい、晴れやかな気持ちになれる内容を、ぜひ最後までお楽しみください。

初荷(1月2日 年中行事)の由来とは?江戸の商人が大切にした「仕事始め」

「初荷」は、商家が年明け最初に荷物を出荷する日。

特に江戸時代、1月2日は「書き初め」「初夢」と並ぶ、縁起の良い一日とされていました。この日、商人たちは「初荷」と称して、自らの店の商品を得意先へと届け始めます。

そこには、単なる業務開始とは異なる、深い意味がありました。

たとえば、江戸の大店では、商人たちが正装し、家族総出で初荷を送り出したといいます。

荷車には色鮮やかなのぼり旗が立てられ、鶴や松竹梅、七福神などが描かれた布を被せて飾り立てられていました。運搬に使われた馬には金色の装飾がつけられ、「正月のパレード」のようだったとも記録されています。

また、1月2日が選ばれたのには理由があります。

江戸では「三が日(1〜3日)」が祝日とされており、神社への参拝や家族の集まりなどに充てられていました。

しかし、商人たちはその中でも「一足早く」動き出し、2日から仕事を始めて縁起を担いでいたのです。

さらに、取引先への「ご挨拶まわり」としての意味もあり、初荷を届けながら手土産を持参し、「本年もよろしくお願いいたします」と丁寧に頭を下げたといわれます。

これは現代の「年始回り」や「営業初日」にも通じる、非常に日本的な礼儀と心遣いの文化でした。

初荷(1月2日 年中行事)の豆知識5選!知ると誰かに話したくなる

1. のぼり旗の文言は定番がある

初荷の車両に掲げる旗には、決まった文言がよく使われていました。

たとえば「初荷萬歳(ばんざい)」や「商売繁盛」「千客万来」など。これは見る人にも縁起が良いとされ、「初荷を見ると一年良いことがある」と言われたことも。

2. 初荷には「鯛」や「昆布」も使われていた

得意先に初荷を届ける際、縁起物として「鯛」や「昆布(よろこんぶ)」を同封することがありました。

ただの商取引ではなく、相手の幸せも願う文化が根づいていたのです。

3. 地方によって初荷の日が異なる

関東では1月2日が主流でしたが、関西では1月4日を「初荷の日」とする地域もあります。

これは地域の仕事始め文化に合わせた結果です。

4. 昭和のトラック業界では「初荷トラック行列」が名物に

高度経済成長期、企業が一斉に初荷を出す「トラック行列」は圧巻の風景でした。

各社が競うようにトラックを装飾し、ニュースでも取り上げられたほど。

5. 現代の「初荷出発式」はセレモニー化している

今でも多くの運送会社やメーカーが「初荷出発式」を行っています。

社長の新年の挨拶、全社員での安全祈願、そして初荷を積んだトラックの見送りなど、厳かな行事として続けられています。

初荷(1月2日 年中行事)と関係が深い業界・人物・組織とは?

「初荷」に強く関わっているのは、何といっても運送業界です。

特にヤマト運輸、佐川急便、日本通運といった大手企業では、今でも「初荷出発式」を行うことで知られています。

また、昭和中期の百貨店業界もこの文化に力を入れており、高島屋や三越などが「初荷セール」を1月2日に開催してきました。

明治時代には、銀座の呉服商「越後屋(現・三越)」が、美しい装飾を施した馬車で初荷を届けたという記録もあります。これは話題性が高く、多くの人々が沿道に集まったといわれています。

近年では、企業のCSR活動の一環として、初荷に地域の伝統工芸品や特産品を積み込み、地域と連携した形で文化を継承している例もあります。

「商い」と「文化」をつなぐ存在として、「初荷」は時代を超えて今も多くの人の心に残る行事となっています。

初荷(1月2日 年中行事)に関するよくある質問

Q1:現在でも初荷ののぼりをつけたトラックは走っていますか?
A1:交通安全上の理由から現在ではほとんど見られませんが、会社の敷地内や私道での装飾は今も行われています。

Q2:個人商店や中小企業でも初荷の風習はありますか?
A2:はい、特に地元に根差した商店では、初荷を縁起物として大切にしており、取引先や常連客に手土産を渡す習慣も残っています。

Q3:初荷の日に何かすると縁起が良いと言われていますが、本当ですか?
A3:初荷を「目にする」「届ける」「受け取る」ことは、商売繁盛・福招きにつながると信じられています。

初荷(1月2日 年中行事)は「商いは人なり」を象徴する日本の宝物

初荷には、ただの荷物ではない、商人の「心」が込められています。

江戸時代から受け継がれてきた「商いは人なり」という精神が、1月2日の空気を特別なものにしているのです。時代が変わり、街の風景が変わっても、人と人との関係を大切にしようとする気持ちは変わりません。

初荷は、そんな人間らしい温もりが詰まった、日本独自の美しい年中行事です。

新しい年の始まりに、ぜひこの文化の存在を思い出してみてください。

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