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海の安全祈念日(2月10日 記念日)|えひめ丸事故から学ぶ命と安全の物語

2月10日の海の安全祈念日は、えひめ丸事故を教訓に航海の安全と命の尊さを学ぶ日で、水産高校で黙祷と安全教育が行われる
目次

「海の安全祈念日(2月10日 記念日)」はどんな日?

✅ えひめ丸事故の発生した日を忘れず航海の安全を祈るための日。
✅ 毎年2月10日には全国の水産高校で黙祷や安全教育が行われている。
✅ 全国水産高等学校長協会と高野山高等学校が深く関わっている。


あなたは「海の安全祈念日」という記念日をご存じでしょうか。

毎年2月10日になると、全国の水産系高校では黙祷が捧げられ、海と命、そして安全について改めて考える機会がつくられています。

未来を担う若い人たちが、命や安全を深く考える“学びの日”だからです。

海が好きな人も、教育の現場に関心がある人も、日常でふと立ち止まりたい人も、読み終えたあとに誰かに話したくなる内容です。

海の安全祈念日とは?

「海の安全祈念日」は、2月10日に定められた日本の記念日です。

この日は、海での実習や航海に関わる人たちの安全を祈願し、命の大切さを思い起こす日として制定されています。学校現場では主に水産系の高校で行事が行われ、黙祷や安全教育が行われています。

でも、なぜこの日なのでしょうか。その背景には、とても重く、そして深い理由があります。

なぜ2月10日なのか――えひめ丸事故の真実

2001年(平成13年)2月10日。

午前8時45分(日本時間)のことでした。愛媛県立宇和島水産高等学校の実習船「えひめ丸」が、アメリカ・ハワイ州オアフ島沖で、アメリカ海軍の原子力潜水艦「グリーンビル」と衝突する事故が起きたのです。

「えひめ丸」は、実習航海中でした。学生たちは、海の環境や実習技術を学ぶために乗船していたのです。

しかし浮上してきた潜水艦に船体を衝かれ、「えひめ丸」はそのまま沈没してしまいました。この事故で、乗務員35人のうち教員5人・生徒4人、合計9人の命が失われました。

救助された人たちの中にも、心に深い傷を負った人が少なくありません。この痛ましい事故がなければ、「海の安全祈念日」は存在しなかったかもしれないのです。

実習船「えひめ丸」とはどんな船だったのか

「えひめ丸」は、愛媛県立宇和島水産高等学校の実習船でした。

生徒たちは、実際の航海や海洋環境、漁業技術を学ぶために長距離航海もこなしていました。この船は生徒や教員の学びの場であり、未来を育む“教室”そのものでした。

その日も、生徒たちは笑顔で船内を歩き、仲間と学び合い、まるで次の授業を楽しみにしているかのようでした。何が起きるかなんて、誰も思っていなかったはずです。

この「日常」の一瞬が、一転して大きな悲劇に変わったのです。

あの日、何が起きたのか

事故当日は快晴でした。

海の色は青く、風も比較的穏やかだったと言われています。実習の航海は順調に進んでいました。

しかし、潜水艦「グリーンビル」が浮上してきたとき、状況は一変します。潜水艦は海上に姿を現すための急浮上を行い、その直下に「えひめ丸」があったのです。

見えない場所で動く潜水艦と、海上を進む実習船が出会った瞬間。衝撃は避けられませんでした。

えひめ丸は激しく揺れ、そのまま沈み始めました。仲間が悲鳴を上げ、海に飛び込む者、救助を待つ者。

目に焼き付く光景は、生徒たちの心に決して消えない記憶として残りました。

運命を分けた数分

救助活動は直ちに始まりました。

地元の船舶や飛行機、そして国際的な支援も加わり、救助隊は懸命に救出にあたりました。それでも、海は冷たく、時間は残酷に過ぎていきました。

教員や生徒の中には、限界まで力を振り絞った人もいました。

しかし、救出されても心に傷を負った人が多く、事故後にはPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された人もいました。

命を失った人は戻りません。残された人たちの心には、いつまでも深い悲しみが刻まれました。

海の安全祈念日に込められた願い

この事故を風化させてはならない。

そして、同じ悲劇を繰り返してはならない。そんな強い思いから、2003年(平成15年)、全国水産高等学校長協会が中心となって「海の安全祈念日」が制定されました。

この日は、ただ黙祷を捧げるだけの日ではありません。

未来を担う若者たちが、安全について学ぶ日でもあり、海で働き、学ぶすべての人たちの命を守る意識を育てる日でもあります。

全国で行われる取り組み

2月10日になると、全国各地の水産高校でさまざまな行事が行われます。

多くの学校で黙祷が捧げられます。事故について学ぶ授業が行われることもあります。

また、学校によっては安全教育の強化や講演会が開かれることもあります。この日は生徒だけでなく、教職員や保護者も一緒に安全について考える時間となっています。

北から南へ――祈りはつながっている

この記念日は、日本全国の海に向けた祈りでもあります。

北は北海道から南は九州・沖縄まで、海と関わる人たちの思いは1つにつながっています。海で働く人、海を学ぶ学生、漁業関係者、研究者、船乗り。

立場は違っても、命を守る教訓を忘れない思いは共通しています。

実習船教育と安全意識の重要性

水産高校の実習は、教科書だけでは学べない体験を与えます。

荒波の中で舵を取る緊張感。仲間と協力して作業を進める充実感。

それは、生徒たちの未来を形づくる貴重な時間です。しかし同時に、海は厳しく、予想外の出来事も起こり得ます。

だからこそ、安全への意識を徹底することは、何より重要なのです。「海の安全祈念日」は、その原点を私たちに問い続けています。

えひめ丸の犠牲と未来への思い

失われた9人の命。そして、その日共有した時間は戻りません。

それでも、彼らの思いは今を生きる人たちに確かにつながっています。

安全を守る仕組み。

仲間を大切にする意識。

命を第一に考える姿勢。

これらはすべて、過去の犠牲を無駄にしないための未来への贈り物なのです。

よくある質問

Q1:海の安全祈念日は一般の人も知るべきですか?
A:はい。これは単なる学校行事ではなく、海と命を考える全ての人に関係する日です。

Q2:どうして2月10日なんですか?
A:それは、2001年2月10日に「えひめ丸事故」が起きた日だからです。

Q3:毎年どんなことをするのですか?
A:学校では黙祷や安全教育、講演会などが行われています。海を学ぶ全ての人の中で安全意識を深めています。

まとめ:伝えることが未来を守る

「海の安全祈念日」は悲しい出来事を思い出す日であると同時に、未来の安全に希望をつなぐ日です。

事故は変えられません。でも、そこから学んだ思いは、これからの海を生きる人たちの力になります。

あなたがこの記事を読んだことが、誰かに話したくなる思いにつながれば、それもまたこの日の大切な意味です。

忘れない。

そして、未来をつくる。

海の安全祈念日は、そんな日です。

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