減塩の日はどんな日?
✅ 5月17日から毎月17日に展開
✅ 目安は1日6g未満
✅ 日本高血圧学会が制定
塩分を控えたいと思っても、毎日の食事で何から変えればよいのか迷う人は少なくありません。
減塩の日は、毎月17日に食卓を見直すきっかけをくれる記念日です。
制定したのは、東京都文京区本郷に事務局を置く特定非営利活動法人・日本高血圧学会です。日付は、世界高血圧連盟が毎年5月17日に行う「世界高血圧デー」と、日本高血圧学会が定めた「高血圧の日」に由来します。
毎月17日という形にした背景には、1年に1回だけで終わらせず、12回の節目で減塩を思い出してほしいという願いがあります。
ラーメンの汁を残す。しょうゆを「かける」から「つける」に変える。味噌汁を具だくさんにする。
こうした小さな選択を積み重ねる日として、減塩の日は暮らしに寄り添っています。
減塩の日の由来|なぜ毎月17日が健康を見直す日になったのか
減塩の日は、高血圧の予防や治療に欠かせない食塩制限を、日常の中で続けやすくするために作られた記念日です。
日本高血圧学会は、2017年4月28日のプレスセミナーで、毎月17日を減塩の日とすることを発表しました。発表文では、日本高血圧協会をはじめとする関連団体の賛同を得て決定したことも示されています。
17日が選ばれた理由は、5月17日にあります。
5月17日は、世界高血圧連盟による「世界高血圧デー」として知られています。日本でも同じ日が「高血圧の日」とされ、血圧を測ることや生活習慣を整えることへの意識を高める日になっています。
ただ、血圧や塩分の問題は、5月17日だけ意識すれば済む話ではありません。
朝の味噌汁、昼の麺類、夜の煮物や漬物。食塩は1日3回の食事に少しずつ入り込みます。だからこそ、月に1回の17日を目印にして、食生活を振り返る仕組みが考えられました。
この記念日は、2017年に一般社団法人・日本記念日協会によって認定・登録されています。制定の中心になった日本高血圧学会は、高血圧に関する学術の進歩と国民の健康増進を目指す団体です。
減塩の日が伝えているのは、「薄味に我慢する」だけではありません。
だし、酢、香味野菜、香辛料を上手に使えば、塩を減らしても満足感は残せます。毎月17日は、味気ない食卓を作る日ではなく、体にやさしい味を探す日です。
減塩の日に知っておきたい話|1日6g未満という数字が持つ意味
減塩の日を理解するうえで、覚えておきたい数字があります。
それが「1日6g未満」です。
日本高血圧学会は、高血圧の治療や予防の観点から、食塩摂取量を1日6g未満にすることを勧めています。血圧が正常な人に対しても、可能であれば1日6g未満を目指す考え方が示されています。
6gと聞くと、案外多いと感じるかもしれません。
けれど、外食のラーメンを汁まで飲み干すと、それだけで1日の目標に近づく場合があります。日本高血圧学会の減塩資料でも、麺類の汁を全部残せば2〜3gの減塩につながるとされています。
厚生労働省の令和5年「国民健康・栄養調査」では、20歳以上の食塩摂取量の平均値は9.8gです。男性は10.7g、女性は9.1gで、男女とも目標より高い状態が続いています。
日本人の食事摂取基準2025年版では、成人の食塩相当量の目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満です。さらに、高血圧や慢性腎臓病の重症化予防では、男女とも6.0g未満が示されています。
世界保健機関は、成人の食塩摂取を1日5g未満に抑えることを推奨しています。日本高血圧学会の6g未満という数字は、国内の食習慣を踏まえながらも、世界的な減塩の流れとつながっています。
減塩で難しいのは、塩を減らした瞬間に「物足りない」と感じやすい点です。
そのため、急に半分にするより、1週間で少しずつ慣らす方法が続きます。
例えば、しょうゆを小皿に出して刺身の片面だけにつける。漬物を毎食から1日1回にする。味噌汁は1日1杯にして、豆腐、わかめ、きのこ、ねぎを増やす。
この3つだけでも、家庭の食卓は変わります。
減塩の日は、完璧を求める日ではありません。毎月17日に1つだけ行動を変えることで、12か月後の味覚と血圧に静かな差が生まれます。
減塩の日を広める人物や団体|日本高血圧学会と良塩くんの役割
減塩の日と深く関わる中心的な団体は、日本高血圧学会です。
高血圧に関する研究、診療、啓発を通じて、国民の健康増進を目指している学術団体です。減塩の日も、その活動の一環として生まれました。
日本高血圧学会は、減塩を難しい医学用語だけで伝えるのではなく、親しみやすい形でも発信しています。
その象徴が、減塩啓発キャラクターの「良塩くん」と「うすあ人」です。
良塩くんは、料理が好きで健康に気を使う6歳の男の子です。頭のキャップは塩を量る計量スプーンで、腕には血圧計をつけています。子どもにも伝わる見た目で、塩分と血圧の関係をやさしく知らせる存在です。
うすあ人は、良塩くんを応援するために地球へやってきた宇宙人です。しっぽで塩の濃さを測り、塩のとりすぎに注意を促します。良塩くんのおなかのポケットに住んでいるという設定も、少し笑えて記憶に残ります。
この2人は、毎月17日の減塩の日の普及にも使われる公式認定キャラクターです。講習会、展示会、減塩食の料理実習などで、減塩を身近に感じてもらう役割を担っています。
数字だけを見せられると、健康の話は重く感じます。
けれど、良塩くんのようなキャラクターがいると、親子で「今日の味噌汁は少し薄めにしよう」と話しやすくなります。高齢の家族には「血圧計を出してみようか」と声をかけるきっかけにもなります。
減塩の日の魅力は、医学的な意味を持ちながら、台所や食卓の会話まで降りてきている点です。
塩分を減らす行動は、病院の診察室だけで始まるものではありません。スーパーの売り場、家庭の鍋、弁当のしょうゆ袋、ラーメン店の丼の中にもあります。
日本高血圧学会と良塩くんたちは、その気づきを毎月17日にそっと思い出させてくれます。
減塩の日に関するよくある質問
減塩の日はいつですか?
減塩の日は、毎月17日です。
5月17日の世界高血圧デーと高血圧の日にちなみ、1年を通して減塩を意識できるよう、毎月17日に設定されました。日本高血圧学会が制定し、2017年に発表された記念日です。
毎月あるため、1月17日は調味料の使い方、2月17日は汁物、3月17日は外食というように、月ごとに見直すテーマを変えられます。
「毎月1つだけ変える」と決めると、負担が軽くなります。
減塩は高血圧の人だけが意識すればよいですか?
高血圧の人だけでなく、血圧が正常な人にも意味があります。
日本高血圧学会は、高血圧の予防のため、血圧が正常な人にも可能であれば1日6g未満の食塩制限を勧めています。
血圧は、年齢、体質、体重、飲酒、運動不足、睡眠など、複数の要因で変わります。その中で食塩は、毎日の食事で調整しやすい要素です。
ただし、治療中の病気がある人、腎臓病の人、薬を服用している人は、自己判断で極端な食事制限をしないでください。医師や管理栄養士に相談し、自分に合う量を確認することが安全です。
おいしく減塩するには何から始めればよいですか?
最初の一歩は、汁を残すことです。
ラーメン、うどん、そばの汁を飲み干さないだけで、2〜3gほど食塩を減らせる場合があります。これは、減塩を始める人にとって取り組みやすい方法です。
次に、しょうゆやソースを料理に直接かけない工夫があります。
小皿に出して少しだけつけると、同じ料理でも塩分を抑えやすくなります。レモン、酢、こしょう、しょうが、しそ、みょうがを使うと、塩を減らしても香りで満足感が出ます。
味噌汁は1日1杯を目安にし、具を増やすと満足しやすくなります。
豆腐、油揚げ、白菜、きのこ、わかめを入れると、汁の量を減らしても食べごたえが残ります。減塩は「味を捨てる」行動ではなく、味の作り方を変える習慣です。
減塩の日まとめ|毎月17日は食卓と血圧に目を向ける合図
減塩の日は、毎月17日に塩分のとり方を見直す記念日です。
5月17日の世界高血圧デーと高血圧の日に由来し、日本高血圧学会によって制定されました。2017年の発表以来、毎月の食生活を振り返る合図として広がっています。
大きな変化は必要ありません。
麺類の汁を残す。しょうゆをつけて使う。味噌汁を具だくさんにする。加工食品の栄養成分表示を見る。
この4つのうち1つを毎月17日に選ぶだけでも、食卓は少しずつ変わります。
塩味に慣れた舌は、薄味にも慣れていきます。家族の健康を思う気持ちを、無理のない1皿に変える日。それが減塩の日です。
