プロ野球誕生の日（ジャイアンツの日）（12月26日）はどんな日？
✅ アメリカ遠征のために創設された日本初のプロ野球チームの設立日。
✅ 読売巨人軍のルーツが千葉・谷津にあり、記念碑や手形が残されている。
✅ 日本プロ野球の礎を築いた読売巨人軍と伝説の投手・沢村栄治に深い関わりがある。
野球好きなら誰もが知っておきたい歴史的な記念日があります。
それが、プロ野球誕生の日（ジャイアンツの日）とされる、12月26日です。
この日は、日本で初めての本格的なプロ野球チーム「大日本東京野球倶楽部」が設立された、まさにプロ野球の幕開けの日。このチームこそが、現在の読売ジャイアンツの前身であり、日本の野球史にとって非常に重要な節目の日でもあります。
職業野球がまだ「邪道」とされていた時代に、情熱と信念を持って立ち上がった先人たちの姿が、今も野球ファンの心に生き続けています。
この記事では、12月26日がなぜプロ野球誕生の日として記念されているのか、その裏にある歴史、人物、ドラマ、そして今に残る熱き証について、じっくり掘り下げてご紹介します。
プロ野球誕生の日（ジャイアンツの日）の由来とは？なぜ12月26日が記念日になったのか
1934年12月26日。この日、日本のスポーツ史に新しい扉が開かれました。
東京・銀座にて、読売新聞社が主導となって結成した「大日本東京野球倶楽部」が正式に設立されました。
これが、日本における最初のプロ野球チームです。
このチームが生まれたきっかけは、アメリカからやってくる大リーグのオールスターチームとの対戦を目的としていました。招かれたのは、ベーブ・ルースやルー・ゲーリッグといった大リーグのスーパースターたち。
彼らとの試合を通じて、日本の野球を世界に知らしめる絶好の機会と考えられたのです。アマチュア野球の花形だった六大学野球のスター選手たちがプロ契約を交わし、チームに加入。
これまで存在しなかった“職業野球”という新しい道を歩み出した瞬間でした。
当時の日本では、スポーツはあくまで「学生のもの」「趣味のもの」という風潮が強く、「お金をもらって野球をするなんて邪道だ」と揶揄される時代でした。
それでも彼らは夢を信じ、野球の未来を切り拓くためにバットを握ったのです。この勇気ある第一歩が、現在のプロ野球12球団、さらには高校野球、社会人野球、独立リーグなど、日本野球界全体の土台となりました。
だからこそ、12月26日は「プロ野球の誕生日」として記念されているのです。
プロ野球誕生の日（ジャイアンツの日）の裏にある感動エピソードと豆知識
記念日には必ず、知れば知るほど面白い背景があります。
プロ野球誕生の日も例外ではありません。千葉県習志野市には「谷津バラ園」がありますが、その入り口にひっそりと立つ石碑をご存じでしょうか？
そこに刻まれているのが、「読売巨人軍発祥の地」の文字です。
ここはかつて「谷津球場」と呼ばれ、創設されたばかりの大日本東京野球倶楽部が練習を行っていた場所です。谷津球場は、今はもう存在しません。
ですが、この場所がなければジャイアンツも、プロ野球の誕生もなかったかもしれない。
そんな歴史の記憶が、「碑」として今も大切に守られています。
しかもその石碑のそばには、ジャイアンツの歴代名選手たちの手形がずらりと並びます。
長嶋茂雄、王貞治、原辰徳。彼らのサインとともに、手を重ねることで、野球の情熱と誇りを感じ取ることができます。
また、プロ野球の誕生と同時に活躍したのが、伝説の投手・**沢村栄治（さわむら えいじ）**です。彼は巨人軍の創設メンバーであり、ノーヒットノーランを三度達成した天才投手。
圧倒的な速球と制球力で、日米のプロ野球ファンを驚かせた存在でした。彼の名を冠した「沢村賞」は、今でもプロ野球の優れた投手に贈られ続けています。
そして沢村は、日中戦争と太平洋戦争に召集され、最前線に立ち、わずか27歳の若さで戦死しました。その人生はまさに、野球と国家に身を捧げた男の物語。
彼の存在そのものが、日本プロ野球の尊厳と誇りを物語っているのです。
プロ野球誕生の日（ジャイアンツの日）に深く関わる人物と団体
この記念日には、忘れてはならない人々と組織があります。
まず中心となったのが、読売新聞社です。
当時、読売新聞社はアメリカ遠征を成功させるために資金を出し、選手のスカウトや広報まで幅広く支援しました。
また、選手にプロ契約を結ばせ、報酬を支払うという大胆な決断もしています。
この一歩がなければ、日本にプロスポーツという概念が根づくのはもっと遅れていたかもしれません。
続いて、プロ野球創設期に活躍した選手たち。
特に沢村栄治は象徴的存在で、彼の実力と人格、そして短すぎる生涯が、プロ野球の神聖さを人々に植えつけました。
その後、長嶋茂雄や王貞治らが登場し、ジャイアンツは「国民的球団」となっていきます。
さらに原辰徳監督に至るまで、巨人軍は常にプロ野球の中心に存在し続けています。
球団創設から90年以上経った今でも、その伝統と魂は受け継がれているのです。
プロ野球誕生の日（ジャイアンツの日）に関するよくある質問
Q1. なぜ12月26日がプロ野球誕生の日とされているの？
1934年12月26日に「大日本東京野球倶楽部」が創設されたからです。これが現在の読売巨人軍の前身です。
Q2. 「読売巨人軍発祥の地」の石碑はどこにあるの？
千葉県習志野市の「谷津バラ園」入口脇にあります。かつての谷津球場跡地に立てられています。
Q3. 初期メンバーで有名な選手は誰？
沢村栄治が代表的です。ノーヒットノーランを三度達成した日本初の本格派プロ投手です。
プロ野球誕生の日（ジャイアンツの日）は“日本の夢”の始まりだった
プロ野球誕生の日は、単なる球団の設立記念日ではありません。
それは「夢を仕事にする」という選択が、初めて日本で認められた瞬間でもあります。
反対や偏見の中でプロとしてバットを振った若者たち。
戦争で命を落としながらも、日本の未来を見据えていた沢村栄治。
メディアとして、文化の担い手として支え続けた読売新聞社。
そのすべてがあったからこそ、今日のプロ野球があるのです。
12月26日は、すべての野球ファンが、先人に感謝し、これからの野球に思いを馳せる日にふさわしいといえるでしょう。
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