国連加盟記念日(12月18日 記念日)はどんな日?
✅ 1956年12月18日、日本の国連加盟が総会で全会一致承認された日。
✅ 冷戦下で日ソ共同宣言後に実現し、日本は80番目の加盟国。
✅ 国際連合、日本政府、日ソ共同宣言に関わった両国が中心。
日本が第二次世界大戦に敗れてから、世界は大きく変わりました。戦争の傷跡がまだ生々しい中で、日本は平和国家として再出発する道を模索していました。
その象徴的な出来事が、国際連合(UN)への加盟でした。多くの日本人にとって、国連加盟は「世界の一員」として認められる喜びであり、同時に「平和への決意」を新たにする契機でもありました。
しかし、日本が国連に加盟するまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。
1952年の主権回復直後に加盟申請を行ったものの、世界は冷戦の最中にあり、東西の対立が激しく、日本の加盟は容易に承認される状況にはなかったのです。
国連加盟記念日成立までの歩み――時代背景と歴史
戦前:国際連盟と日本の孤立
1933年、日本は国際連盟総会での議論をめぐり、深刻な摩擦を抱えました。
「満州国」問題に端を発し、日本代表の松岡洋右は議場を退席し、その後日本は国際連盟を離脱します。これにより、日本は国際協調の場を失い、孤立の道を進むことになってしまいました。
当時の国際連盟は、戦後の世界秩序を築く中心的な機関でした。
そこから離脱したという事実は、日本にとって大きな痛手であり、後の国際関係に深い影響を与えました。
戦後:敗戦から主権回復へ
第二次世界大戦終結後、日本は連合国の統治下に置かれました。
その後、1952年にサンフランシスコ講和条約が発効し、日本は正式に主権を回復します。このとき、多くの日本人は「戦後の再建」と「国際社会への復帰」を強く望んでいました。国連加盟はその象徴的な目標でした。
しかし、冷戦という国際的な緊張は加盟への大きな障害となりました。
特にソ連をはじめとする社会主義諸国は、日本の加盟に反対の立場を取りました。
この反対は単なる政治対立ではなく、冷戦構造の中での勢力争いの一部でもありました。
転機:日ソ共同宣言と国交回復
日本が国連加盟を実現するうえで重要な転機となった出来事があります。それが1956年10月の「日ソ共同宣言」です。
この宣言によって、日本とソ連は国交を回復しました。冷戦に翻弄されていた国際政治の中で、日本とソ連の関係が改善されたことは、日本の国連加盟への大きな一歩となりました。
この動きが国際連合総会における支持を拡大し、1956年12月18日、日本はついに国際連合加盟が全会一致で承認されたのです。
国連加盟記念日の意味とは?
国連加盟記念日には、以下のような重要な意味があります。
① 平和国家としての再出発の象徴
日本は戦前、国際連盟を脱退し世界から孤立しました。戦後、日本は二度と戦争を繰り返さないという強い意思を持って国際社会に戻りました。国連加盟は、その決意を国際社会に示した瞬間でもあります。
② 冷戦構造を超えた国際協調の実現
冷戦下の加盟承認は、単なる政治的勝利ではありません。
東西の対立が激しい中で、全会一致という形で承認されたことには、「国際協調」の理念が強く反映されています。
③ 国際貢献への出発点
国連加盟は、日本が国際舞台で積極的に役割を果たす始まりでもありました。
経済支援、平和維持活動、国際会議での提言など、日本は多方面で国際社会に貢献してきました。この礎が、1956年12月18日に築かれたのです。
豆知識――知っておきたい事実
当時の国連加盟国数
日本が加盟した1956年の時点で国連加盟国は80カ国ほどでした。この数字は、アジア・アフリカの独立が進む前の時代背景を反映しています。
現在の加盟国数
今日では国連加盟国は193カ国となり、ほぼ全世界の主権国家が加盟しています。これは、戦後の国際関係がいかに広がり、多様化してきたかを示しています。
国連加盟記念日に関わる人々・組織
松岡洋右(まつおか ようすけ)
1930年代の国際連盟脱退に関与した人物として歴史に名を残しています。彼の行動は、その後の日本の外交に大きな影響を与えました。
外務省と外交官たち
戦後の加盟交渉では、多くの外交官が冷戦下で戦略的に交渉を進めました。特に日ソ関係の修復に尽力した人々の仕事が、加盟実現に結びつきました。
国際連合
加盟を承認した国際的なプラットフォームとして、国連は世界平和と協力の象徴です。全会一致で承認されたことは、世界各国の信頼の表れでもあります。
よくある質問(FAQ)
Q1: なぜ12月18日が記念日なのですか?
1956年12月18日に国際連合総会で日本の加盟が承認されたためです。
Q2: 日本は1952年に加盟できなかったのですか?
できませんでした。冷戦下でソ連をはじめとする国々の反対がありました。
Q3: 国連加盟は日本の国際関係にどう影響しましたか?
積極的な国際貢献の基盤となり、日本の外交や平和活動の推進に大きく影響しました。
まとめ――国連加盟記念日に寄せて
国連加盟記念日(12月18日)は、日本が国際社会に再び受け入れられた象徴的な日です。
戦前の挫折と戦後の復活、冷戦という難題を乗り越えて迎えたこの日は、私たちが世界とのつながりを考える良い機会となります。
家族や友人とこの日の意味を語り合うことで、平和と協調の大切さを再認識できるでしょう。
これからもこの記念日を通して、日本と世界の未来について考えるきっかけにしてください。

