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紙の記念日(12月16日)とは?渋沢栄一が築いた製紙業の歴史と今を徹底解説

紙の記念日の由来と渋沢栄一の功績、日本の製紙業の歴史と発展を詳しく紹介
目次

紙の記念日(12月16日 記念日)はどんな日?

✅ 1875年12月16日、王子の抄紙会社が日本初の洋紙製造工場として営業を開始した記念日です。
✅ 洋紙の輸入依存を脱却するために設立され、日本の近代製紙業の礎となりました。
✅ 渋沢栄一が設立を主導し、後に王子製紙として日本最大の製紙会社へと発展しました。

紙の記念日(12月16日)はなぜ生まれたのか?

私たちの生活に、紙がない日はあるでしょうか?

朝起きて手にするティッシュペーパー。
学校や仕事で使うノートや書類。
買い物のレシートに、郵便受けの中のチラシ。
そしてトイレットペーパーまで。

実は、これらの“当たり前”の紙の製品が、日本で安定して作られるようになったきっかけこそが「紙の記念日」なのです。

その始まりは、1875年(明治8年)12月16日。この日、東京・王子に設立された「抄紙会社」の工場が、ついに営業を開始しました。

それまで日本の紙といえば「和紙」が主流。洋紙はすべて外国からの輸入に頼っており、品質・価格ともに大きな課題を抱えていました。

この問題をいち早く察知し、日本国内で洋紙を生産できる体制を整えたのが、「日本資本主義の父」と称される実業家・渋沢栄一でした。

彼の先見の明と情熱により、「抄紙会社」が誕生。日本の製紙業は、ここから劇的に変化を遂げていくことになります。

渋沢栄一が仕掛けた「紙の革命」〜紙の記念日の背景〜

抄紙会社の設立は、単なる一企業の誕生ではありませんでした。

明治政府は近代化を急ぐ中で、貨幣の発行や公文書に使う洋紙の安定供給が不可欠だと認識していました。

しかし、洋紙は当時非常に高価で、しかも海外からの輸入に頼るしかありませんでした。

この状況に立ち向かったのが、当時大蔵省に勤めていた渋沢栄一でした。

彼は、紙幣や公文書に不可欠な洋紙の国産化を目指し、政府主導ではなく「民間企業による製造」を提案します。

1873年(明治6年)、抄紙会社が設立されると、翌年には東京・王子の地に工場が建設されます。

そこに最新鋭の洋紙製造機械を導入し、2年後の1875年12月16日、ついに営業運転が始まったのです。

これが「紙の記念日」の由来であり、日本における“洋紙元年”とも言える歴史的な瞬間でした。

紙の記念日にまつわる豆知識:私たちの暮らしと紙の深い関係

紙の記念日は、紙そのものの価値や役割を改めて見直すきっかけになります。

紙は単なる“モノ”ではありません。人と人をつなぎ、記録を残し、感情を届ける「文化」でもあります。

以下のような豆知識を知ると、もっと紙の魅力が伝わってきます。

●「抄紙」という言葉は、「紙をすくこと」を意味します。つまり「抄紙会社」は、紙を作る会社という意味になります。

●当時の抄紙機は、イギリスから輸入されたもの。明治初期においては、最先端のテクノロジーでした。

●「王子製紙」という社名は、工場が設立された地名「王子」に由来しています。東京北区の王子は、製紙の町として一時代を築きました。

●王子製紙は、その後日本国内の製紙市場の8割以上を握るほどに成長。「大王子製紙」と呼ばれ、圧倒的な存在感を放っていました。

●現在でも紙の可能性は進化中。環境に配慮した再生紙、紙ストロー、バイオ素材を使った新素材など、未来型の“紙”が続々登場しています。

渋沢栄一と王子製紙:紙の記念日に欠かせない人物と企業

紙の記念日を語る上で、絶対に外せない人物、それが渋沢栄一です。

彼は、第一国立銀行(現在のみずほ銀行)をはじめ、帝国ホテル、東京証券取引所、東京ガス、キリンビール、サッポロビール、東京海上火災保険など、500社以上の設立に関わったと言われています。

そして、その中でも抄紙会社の創設は、日本の近代産業史において非常に重要な事業のひとつでした。

また、渋沢が関わった抄紙会社は、その後いくつもの合併・再編を経て、現在の「王子ホールディングス」へとつながっています。

ちなみに、王子ホールディングスの代表的なブランドが「ネピア」です。
このブランドは、ティッシュペーパーやトイレットロール、マスクなどでお馴染みですね。

今や「ネピア」は、品質と信頼の代名詞として多くの家庭で愛されています。

つまり、紙の記念日をきっかけに始まった国産洋紙の挑戦は、現在の私たちの生活にしっかりと根を張っているのです。

紙の記念日に関するよくある質問

Q1:紙の記念日にイベントは開催されるのですか?
一部の製紙企業や博物館などで、小規模な展示や啓発イベントが行われることがあります。特に王子製紙のルーツを知る展示などが人気です。

Q2:王子製紙は今も存在しますか?
現在は「王子ホールディングス」という名前で存在しています。王子製紙をはじめとした再編の結果、生まれた巨大製紙グループです。

Q3:渋沢栄一はなぜ紙の製造に関わったのですか?
彼は当時大蔵省に所属しており、紙幣や官公庁文書に使う紙を安定して供給する必要性から、紙の国産化に取り組みました。

まとめ:紙の記念日(12月16日)は日本の近代化のシンボル

紙の記念日を通して、私たちは「紙のありがたみ」を再確認することができます。

ただの道具ではなく、社会をつくり、文化をつなぎ、未来を描く素材。
それが紙です。

1875年の12月16日。
たった一つの工場の稼働が、日本の製紙産業を動かし、今なお私たちの生活を支えています。

この記念日をきっかけに、何気なく使っている紙の一枚に、少しだけ「ありがとう」と言ってみてはいかがでしょうか?

きっと紙の優しさが、いつもより身近に感じられるはずです。

今日は何の日(12月16日は何の日)

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