漢字の日(12月12日 記念日)はどんな日?
✅ 「いい字一字」の語呂合わせから、日本人に漢字の大切さを再認識してもらうための日です。
✅ 毎年その年を象徴する「今年の漢字」が清水寺で発表され、年末の風物詩となっています。
✅ 公益財団法人・日本漢字能力検定協会(漢検)が制定・主催し、全国規模で行事が展開されます。
言葉には、時代を映す力があります。
そして、その「言葉」を文字として形づくるもの――それが「漢字」です。
私たち日本人にとって、漢字はただの記号ではありません。
日々の生活、感情の表現、文化の伝承に至るまで、あらゆる場面で使われ、根を張っています。
そんな漢字の魅力をもう一度見直すきっかけとなるのが、12月12日の「漢字の日」。
この記事では、「漢字の日」がなぜ12月12日なのか、どんなイベントが行われているのかを、心に響く視点で深く掘り下げてご紹介します。
読むだけで、友達や家族に話したくなるような豆知識もたっぷり詰め込みました。
日本語の美しさ、そして一文字の漢字が持つ力を、あなたもきっと再発見できるはずです。
漢字の日(12月12日)の由来は?心に残る語呂と想い
「漢字の日」は、1995年に公益財団法人・日本漢字能力検定協会(通称・漢検)によって制定された記念日です。
この日が12月12日に決められた理由は、語呂合わせにあります。
「12(じゅうに)」→「1(いち)」と「2(に)」に分けて、
「いい(1)じ(2)いち(1)じ(2)」=「いい字一字」
という日本語ならではの美しい語呂から生まれました。
この語呂には、「1年に1つでも、心に残る『いい漢字』を覚えてほしい」という願いが込められています。
つまり、「いい漢字を一つ選び、その意味や背景を知ること」が、この記念日の本質なのです。
文字は、時代を超えて人と人をつなぎます。
漢字は、日本語に深みを与え、私たちの感情を丁寧に言葉へと形づくる道具です。
そんな漢字に光を当て、再びその価値に気づかせてくれる日が「漢字の日」なのです。
さらに、この記念日は日本記念日協会にも公式に登録されており、教育機関やメディアでも毎年取り上げられるようになっています。
「今年の漢字」が漢字の日に発表される理由と、その舞台裏
「漢字の日」と聞いて、真っ先に思い浮かぶイベントといえば「今年の漢字」ではないでしょうか。
この「今年の漢字」は、漢字の日と同じく1995年から始まりました。
日本全国から、その年の世相を象徴する「漢字一字」を一般公募し、最も多くの票を集めた一字が選ばれます。
発表の場は、京都の名刹・清水寺。
荘厳な舞台で、清水寺の貫主が大筆を使い、選ばれた一字を力強く揮毫(きごう)します。
その瞬間は、テレビ・新聞・ネットニュースなどでも大きく報じられ、まさに「年末の風物詩」として日本中の注目を集めています。
この一字は、その後、清水寺に奉納され、境内に展示されるため、年を越しても訪れる人々の目に触れる機会があります。
たとえば、2020年には新型コロナウイルスによる社会変化を反映して「密」が選ばれました。
2024年には、パリオリンピックの盛り上がりや政治資金問題などの話題を背景に「金」が最多票を得て選出されました。
「今年の漢字」は、ただのイベントではありません。
そこには、私たち一人ひとりの「今年」に対する感情や体験が込められているのです。
だからこそ、発表された一文字に「うん、やっぱりそれだよね」と納得したり、「そんな漢字が選ばれるなんて意外!」と驚いたり、多くの人が感情を重ねるのです。
日本漢字能力検定協会と清水寺の強力タッグが支える「漢字の日」
この記念日を影から支える存在――それが「日本漢字能力検定協会(漢検)」です。
京都市東山区に本部を構えるこの団体は、日本語力・漢字力の向上を目的とした公益財団法人であり、全国的に知られる「漢字検定(漢検)」の主催者でもあります。
子どもから大人まで幅広い世代が受験している漢検は、漢字の学び直しやキャリアアップにも活用されています。
しかし、漢検の活動は試験だけではありません。
文化としての漢字を守り、広め、社会全体の言語力向上を支援するために、「漢字の日」や「今年の漢字」のイベントを通じて啓発活動を続けています。
その一環として、1995年から毎年欠かさず「今年の漢字」発表イベントを実施。
舞台となる京都・清水寺は、世界遺産にも登録されている日本を代表する寺院であり、日本文化の象徴です。
このように、伝統と現代、教育と文化が手を取り合う形で「漢字の日」が成り立っているのです。
これは、日本ならではの文化の融合であり、世界にも誇れる取り組みと言えるでしょう。
漢字の日(12月12日)に関するよくある質問
Q1:子どもと一緒に「漢字の日」を楽しむにはどうしたらいい?
「今年の漢字」を一緒に予想してみるのがおすすめです。
また、家族で「今年の私の漢字」を考えて書いてみるのも楽しく、教育的です。
Q2:なぜ毎年「金」の漢字がよく選ばれるの?
オリンピックの開催年や経済的話題がある年には「金」が注目されやすく、2024年で5回目の選出となっています。
Q3:「今年の漢字」はどこで応募できる?
日本漢字能力検定協会の公式サイトや郵送、全国の協力施設などで公募を受け付けています。
漢字の日(12月12日)を通して、自分の「言葉」と向き合ってみよう
「漢字の日(12月12日 記念日)」は、私たちが普段何気なく使っている言葉に、改めて目を向ける大切な日です。
「一字」に込められた意味は深く、人生や時代を象徴する力さえ持っています。
「今年の漢字」は、ただのニュースではありません。
それは、日本中の人々の心の声を集めた結果として浮かび上がる、一年の物語の縮図です。
忙しい日々の中で、ふと立ち止まって、自分にとっての「いい字一字」は何かを考える時間。
そんな時間をくれるのが、12月12日の「漢字の日」なのです。
この記念日をきっかけに、日本語の美しさと、漢字の奥深さに触れてみてはいかがでしょうか?

