国際中立デー（12月12日 記念日）はどんな日？
✅ 国連が制定した、中立性の価値を世界で共有するための国際記念日です。
✅ トルクメニスタンの永世中立政策と国際的承認を背景に誕生した記念日です。
✅ グルバングル・ベルディムハメドフ大統領とトルクメニスタン政府が強く関与しています。
世界が注目する「中立」という考え方とは
国と国との対立、戦争、外交問題——。
このような国際的な緊張関係が続くなか、「中立」という立場は、果たして現代社会において有効なのか？と疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、その「中立」の価値を世界が改めて見直し、認識するために制定されたのが、「国際中立デー（International Day of Neutrality）」です。
この記念日は、単に「争いごとに関与しない」という意味ではありません。
むしろ、「中立」という立場をとることで、冷静に物事を見つめ、公平な視点で対話や交渉を行う力を持つことができる——そんな姿勢を、世界が称え、広めていくための日なのです。
記念日の提唱国であるトルクメニスタンは、1995年に国連から「永世中立国」として公式に承認された、世界でも唯一の存在。その歴史的背景や平和への想いが、この12月12日に込められています。
では、なぜこの日が重要なのか。どうして国連がその価値を認めたのか。
中立という言葉に秘められた意味と、その影響力を掘り下げてみましょう。
国際中立デー（12月12日 記念日）の由来と誕生の理由
「中立」——この言葉にどんなイメージを持っていますか？
曖昧、どっちつかず、逃げ腰……そんなネガティブな印象を抱く人も少なくないかもしれません。
しかし、トルクメニスタンにとっての中立とは、あえてどちらか一方に与しない「強い意思」であり、「平和を守る手段」としての積極的な選択でした。
トルクメニスタンは1991年、旧ソビエト連邦の崩壊を機に独立した中央アジアの国です。
独立後の国家建設において、初代大統領サパルムラト・ニヤゾフは国の外交方針として「永世中立」を掲げました。
そして1995年12月12日、国連総会はこの国の中立政策を正式に承認し、「永世中立国」として認めました。
これは、特定の軍事同盟に属さず、いかなる武力紛争にも関与しないことを国際社会に誓い、それが認められたという、まさに歴史的な決定でした。
それから20年後の2015年、当時の大統領グルバングル・ベルディムハメドフが国際会議で、「中立の価値を世界で共有する日を設けてはどうか」と提案。
2017年2月、国連総会で満場一致により「国際中立デー」の制定が決定されました。その日付は、トルクメニスタンが永世中立国に認められた記念日でもある「12月12日」。
こうして、国際中立デーはトルクメニスタンの平和主義と外交哲学の象徴として、世界中に広がることとなったのです。
国際中立デー（12月12日 記念日）のユニークな豆知識
国際中立デーをより深く理解するために、あまり知られていない興味深い豆知識をご紹介します。
まず、世界には「中立国」と呼ばれる国が複数ありますが、国連によって「永世中立国」として公式に承認されたのは、トルクメニスタンだけ。
スイスやオーストリアも中立的立場を維持していますが、彼らは国際条約や憲法で中立を定めており、国連決議による承認ではありません。
つまり、トルクメニスタンは国際社会が一目置く、「中立のプロ」とも言える存在です。
また、首都アシガバートには、高さ75メートル以上の「中立記念塔」が建てられています。
この塔の頂上には、金色の大統領像が設置されており、なんと1日に1回、太陽の方向を向くように回転するという非常にユニークな構造をしています。
このモニュメントは、国家としての中立の誓いを象徴するランドマークとして、国内外から訪れる観光客の注目を集めています。
さらに、国際中立デーには、トルクメニスタン国内でパレードや平和をテーマにしたシンポジウムが盛大に開催され、国営放送でも中立外交の特集番組が放映されるなど、国家規模での記念行事が行われています。
国際中立デー（12月12日 記念日）と深く関わる人物・団体とは？
国際中立デーの制定と深く関わっているのは、やはりトルクメニスタンの第2代大統領であるグルバングル・ベルディムハメドフ氏です。
彼は医師出身のリーダーでありながら、強い外交手腕を持ち、トルクメニスタンの中立政策を国際的にアピールし続けてきました。
2015年、国際会議にて国際中立デーの制定を提案し、それが実現に至った背景には、彼の粘り強い外交努力があります。
また、この記念日は国際連合（UN）によって公式に承認された国際デーであり、平和や国際関係の重要性を啓発する一環として位置付けられています。
その他にも、国際的な非政府組織（NGO）や、国際政治・平和研究を行う学術機関が、12月12日を機に中立性や非武力的解決のあり方についての議論やイベントを行っています。
国際中立デー（12月12日 記念日）に関するよくある質問
Q1. 国際中立デーには何をすればいいの？
A. 個人レベルでは、国際中立について調べたり、平和について考えたりする良い機会です。SNSでこの日の意義を共有することもおすすめです。
Q2. 中立政策にはデメリットもあるの？
A. 中立政策は他国との軍事的な連携を持てないため、万が一の際の国防や外交圧力に対するリスクもあります。しかしそれを補うための平和外交が重視されています。
Q3. 子どもや学生にもわかる形で学べる機会はある？
A. 学校の授業で取り上げられる例は少ないですが、国際問題に関する出前授業や、子ども向けの平和教育プログラムで紹介されることがあります。
国際中立デー（12月12日 記念日）は「選ばない強さ」を考える日
中立とは、誰の味方にもならないことではなく、誰にも対して敵意を持たないこと。
その姿勢こそが、混乱する世界の中で冷静に物事を見極める「知恵」であり、「勇気」です。
国際中立デーは、そんな「選ばない強さ」の価値を世界中が再確認する日です。
そして、国連によって唯一「永世中立国」と承認されたトルクメニスタンが、その象徴であることは、非常に意義深いことです。
この記念日を通じて、改めて「平和とは何か」「中立とはどうあるべきか」を一人ひとりが考えることが、未来の国際社会を変える一歩になるかもしれません。
