サッカーをプレイする中で、アウトサイドキックという技術を使いこなすことができれば、あなたのプレーは格段に幅広いものになります。
この技術は、特に相手の意表をつくパスやカーブのあるシュートで大きな効果を発揮します。
しかし、習得するのは簡単ではありません。
足の外側を使ってボールを蹴るというのは、通常のインサイドキックやインステップキックに比べて難易度が高く、精度を保つには多くの練習が必要です。
この記事では、アウトサイドキックの特徴や効果的な使い方、練習法について、初心者から上級者まで幅広く対応する形で紹介します。
アウトサイドキックとは?
アウトサイドキックは、その名の通り、足の外側を使ってボールを蹴る技術です。
通常、サッカーでは足の内側(インサイド)や足の甲(インステップ)を使うキックが主流ですが、アウトサイドを使うことで、以下のようなメリットがあります。
- 予想しづらい方向へのパス
足の外側でボールを蹴ることで、相手ディフェンダーにとって予測しづらいパスが可能になります。
特に、相手の目線や身体の向きとは反対方向にボールを送ることができるため、守備の読みを外すことができます。 - カーブをかけるシュートやパス
アウトサイドキックでは、足の外側を使うことでボールに強い回転を与えることができます。
これにより、カーブがかかり、ディフェンスの裏を突くようなパスや、ゴールを狙うシュートが可能です。 - プレースピードを維持
インサイドやインステップキックに比べて、アウトサイドキックはよりコンパクトなモーションで行うことができるため、スピードを落とさずにパスやシュートを行うことができます。
特に、瞬間的に方向転換を行いたい場合や、プレッシャーがかかっている場面で非常に有効です。
アウトサイドキックの実戦での使いどころ
アウトサイドキックは、試合のさまざまなシーンで有効に使われます。
特に次のような状況でその威力が発揮されます。
1. サイドからのクロスボール
サイドの選手が、相手ディフェンダーをかわしてクロスを上げる際、アウトサイドキックを使うと、ボールにカーブをかけることができます。
これにより、ゴール前にいる味方選手にピンポイントでボールを送ることができるだけでなく、ディフェンダーの頭上を越えてゴールキーパーが対応しにくいボールを送ることも可能です。
2. パスのバリエーションを増やす
アウトサイドキックを使うことで、通常のインサイドパスでは出せない角度のパスを出すことができます。
例えば、左サイドでプレーしている右利きの選手が、右足のアウトサイドを使ってボールを内側にカーブさせながら、中央にいる選手へパスを出すといったプレーが可能です。
この技術を習得すれば、相手ディフェンダーの間を通す難しいパスも可能になり、攻撃のバリエーションが増えます。
3. 一瞬の判断でシュートを打つ
ゴール前でボールを受けた時、相手ディフェンダーに囲まれて自由に体勢を整えることができない場面があります。
そのような状況でも、アウトサイドキックを使えば、足の外側でコンパクトにボールに触れることができ、スピードを落とさずにゴールを狙うシュートが可能です。
ゴールキーパーやディフェンダーにとって予測しにくい軌道でボールが飛ぶため、意外性のある得点が生まれることも少なくありません。
プロ選手が実際に使うアウトサイドキックの例
アウトサイドキックの有効性を理解するためには、プロ選手がどのようにこの技術を使っているかを知るのが一番です。
以下に、いくつかの有名な選手の事例を紹介します。
1. ルカ・モドリッチ(クロアチア代表/レアル・マドリード)
ルカ・モドリッチは、中盤の司令塔としてアウトサイドキックを頻繁に使用する選手の一人です。
特に、相手ディフェンダーの隙を突いた素早いパスや、クロスフィールドの長いボールをアウトサイドキックで正確に送ることで知られています。
モドリッチは、プレッシャーがかかる状況でも冷静にアウトサイドキックを使いこなし、ゲームをコントロールしています。
2. ロベルト・カルロス(元ブラジル代表)
ロベルト・カルロスは、その強烈なカーブをかけたフリーキックで有名ですが、彼のアウトサイドキックも非常に印象的です。
彼がフリーキックでボールにかける強烈なカーブは、アウトサイドキックを使ったものです。
特に有名なフランス戦でのフリーキックゴールは、アウトサイドキックの見本とも言えるプレーでした。
アウトサイドキックの練習方法
アウトサイドキックを身に付けるためには、反復練習が重要です。
以下に、具体的な練習方法を段階ごとに紹介します。
1. 基礎練習:短距離のアウトサイドパス
まずは、短い距離でのパス練習から始めましょう。
- パートナーと向かい合い、約5~10メートルの距離で立ちます。
- 足の外側を使って、ボールを蹴ります。この時、軽くカーブがかかるように意識してください。
- パートナーと交互にパスを行い、正確にボールを送ることに集中します。
- 徐々に距離を延ばして、より遠い位置へ正確にパスを通せるようにします。
2. 応用練習:動きながらのアウトサイドキック
次に、ドリブル中にアウトサイドキックを使う練習を行います。
- ドリブルしながら、急に方向を変えるタイミングでアウトサイドキックを使います。
- 例えば、相手ディフェンダーに近づいた時、突然アウトサイドでパスを出すことで相手を惑わせるプレーを練習します。
- 逆足でもスムーズにアウトサイドキックができるよう、両足で練習を行いましょう。
3. シュート練習:アウトサイドでのカーブシュート
アウトサイドキックは、シュートにも有効です。
特に、ゴール前で混戦が起きた際や、角度のない場面からのシュートに適しています。
- ゴールに向かってアウトサイドキックでシュートを打ちます。
- コーンを障害物として置き、その間をカーブで通過させるようにボールを蹴ることで、狙った方向にカーブをかける感覚を養います。
- 最初はゆっくりと、次第にスピードを上げながら正確なシュートを目指します。
4. 実戦練習:ペアでの試合形式の練習
最後に、実際の試合を想定した練習を行います。
- 2人組でパスの練習を行いながら、ディフェンダー役を一人立ててプレッシャーを加えます。
- ディフェンダーの動きに合わせて、瞬時にアウトサイドキックを使ってパスを通す練習を繰り返しましょう。
- 距離やスピードを変えながら、実戦を想定して様々な状況でアウトサイドキックを使えるようにします。
メンタル面でのアプローチ:アウトサイドキックを実戦で使いこなすコツ
技術だけでなく、メンタル面もアウトサイドキックを効果的に使う上で重要です。
試合中は常にプレッシャーがかかるため、冷静に技術を発揮できるかどうかがカギとなります。
1. 自信を持って使う
アウトサイドキックは特殊な技術であるため、自信を持って使うことが重要です。
練習を積み重ねることで自然に体に染み付いた動作を、試合でも落ち着いて発揮するためには、何度も成功体験を積む必要があります。
2. 決断力を養う
アウトサイドキックを使うシチュエーションは、一瞬の判断が求められます。
「ここで使うべきかどうか」と迷う時間はありません。
そのため、練習中から決断力を養い、瞬時にアウトサイドキックを選択できるようにしましょう。
3. 試合で失敗を恐れない
最初は試合で失敗することがあるかもしれませんが、繰り返し使うことで自分のものにしていくことが大切です。
試合は練習以上にプレッシャーがかかる場面ですが、そこでアウトサイドキックを使うことで、大きなチャンスを作ることができるでしょう。
ポジション別のアウトサイドキックの使い方
アウトサイドキックはポジションによってその活用方法が異なります。
フォワード(FW)
フォワードは、ゴール前で一瞬の判断でシュートを打つ場面が多いです。
アウトサイドキックを使ってコンパクトにボールを捉え、ゴールキーパーやディフェンダーの意表を突くシュートを狙うことができます。
また、相手のプレッシャーが強い状況でも、アウトサイドを使って身体の向きとは違う方向へボールを送り、ディフェンダーをかわすことが可能です。
ミッドフィールダー(MF)
ミッドフィールダーにとって、アウトサイドキックはパスのバリエーションを増やす強力な武器です。
特に、相手ディフェンダーの間を通す難しいパスや、視野の広さを活かした長いクロスフィールドパスでの使用が効果的です。
ディフェンダー(DF)
ディフェンダーでも、アウトサイドキックを使うことで、相手フォワードのプレスをかわしながら安全にボールをクリアすることができます。
特に、サイドバックの選手がプレッシャーを受けた際、アウトサイドキックを使ってサイドラインを切る形でクリアすることで、相手に攻撃のチャンスを与えずに済みます。
まとめ
アウトサイドキックは、サッカーにおいて非常に有用な技術です。
特に、予測しづらいパスやカーブをかけたシュートなど、相手にとって意表を突くプレーを生み出すことができます。
この技術を身に付けるためには、基本的なパス練習からシュート練習、そして試合を想定した実戦練習まで、段階を追ってトレーニングを行うことが大切です。
また、メンタル面での準備も欠かせません。
試合でこの技術を自信を持って使いこなすことで、あなたのプレーの幅が大きく広がり、チームにとっても頼れる存在となるでしょう。
ぜひ、アウトサイドキックをマスターして、さらに高いレベルのプレーを目指してください。