萌の日はどんな日?
✅ 十月十日を組み替えると萌に見える
✅ 2014年に.moeが一般登録開始
✅ 株式会社インターリンクが制定
「萌の日」は、毎年10月10日に設けられている記念日です。制定したのは、インターネット事業を手がける株式会社インターリンク。新しいトップレベルドメイン「.moe」の普及促進も目的の1つです。
10月10日になった理由は、数字の「10」が2つ並ぶからではありません。「十月十日」という4文字を組み替えると、「萌」という漢字の形に見えるためです。文字そのものを楽しむ、オタク文化らしい発想から生まれました。
インターリンクは「萌の日」を日本記念日協会へ申請しています。同社の発表によると、2015年1月30日に登録されました。記念日の背景には、2014年に一般登録が始まった「.moe」の存在があります。
「萌」という言葉が指す対象も、アニメや漫画だけではありません。動物、フィギュア、電車、城なども想定されています。自分が心を動かされる対象へ思いを表す日として広げようとした記念日です。
萌の日の由来|なぜ10月10日なの?
萌の日が10月10日になった最大の理由は、「十月十日」の字形です。4文字をそのまま日付として見るだけでは、「萌」とのつながりは分かりにくいかもしれません。
そこで「十」「月」「十」「日」を並べ替えてみます。2つの「十」を上に置くと、「萌」の草冠に似た形になります。その下に「日」と「月」を並べれば、「明」に近い形です。
漢字の「萌」は、草冠と「明」を組み合わせた字です。そのため「十月十日」をパーツのように見ると、「萌」の姿が浮かんできます。正式な漢字の分解方法ではなく、見た目を利用した文字遊びです。
10月10日と「萌」の関係は、2015年の登録時に突然作られたわけでもありません。インターリンクは2014年10月10日の発表で、すでにこの日を「萌の日」と呼んでいました。
その2014年は、「.moe」が本格的に動き始めた年でもあります。インターリンクは7月22日午前11時から、「.moe」の一般登録受付を開始しました。10月10日の時点では、登録開始から約3か月が経過していたことになります。
さらにさかのぼると、ICANNと「.moe」に関するレジストリ契約が結ばれたのは2013年11月13日です。2014年4月10日にはFounders Programが始まり、5月13日にはSunrise期間が始まりました。
こうした準備を経て、2014年7月22日に一般登録へ進みます。その後、10月10日という日付と「萌」の字形を結びつけた発信が行われました。そして2015年1月30日、日本記念日協会への登録につながったという流れです。
つまり、萌の日には2つの軸があります。1つは「十月十日」が「萌」に見える文字遊び。もう1つは、日本発の言葉「萌」と「.moe」を世界へ発信する取り組みです。
インターリンクは記念日の定着についても、具体的な姿を描いていました。アニメや漫画などの二次元だけを対象にはしていません。動物、フィギュア、電車、城などへの「萌の告白」も想定しています。
恋愛の告白だけを意味する日ではない点も特徴です。「このキャラクターの表情が好き」「この電車の造形が好き」といった感情も含められます。10月10日は、好きな対象への熱量を言葉にする日として考えられたのです。
萌の日にまつわる興味深い背景
萌の日を深く知るには、まず「萌」という言葉の意味を知る必要があります。現在の「萌」は、植物が芽を出す意味だけで使われているわけではありません。
小学館の「デジタル大辞泉」では、俗語としての「萌え」を強い愛着や情熱などを表す言葉と説明しています。必ずしも恋愛感情を意味しない点も特徴です。1990年前後から、漫画やアニメの愛好者の間で使われ始めたとされています。
初期には、架空のキャラクターに向けた感情を表す場面が中心でした。その後は対象が広がり、「鉄道萌え」「城萌え」のような使い方も見られるようになります。萌の日が人間以外の三次元も対象にした背景と重なります。
一方、「萌え」という俗語の語源は1つに確定していません。1990年代のパソコン通信で生まれたとする説明があります。特定のキャラクター名がきっかけという説も知られています。
ただし、語源を特定の作品だけに結びつけるのは慎重であるべきです。複数の説があり、成立過程には不明な部分が残っています。少なくとも1990年前後から広がった言葉として捉えるのが安全です。
萌の日のもう1つの主役が「.moe」です。「.moe」は、ウェブサイトの住所となるドメイン名の末尾に使えるトップレベルドメインです。「example.moe」のような形で利用されます。
ICANNが紹介した「.MOE」の事例では、世界の自称geekやotakuに向けたデジタル上の名前空間を作る考えが示されています。日本語の「萌」をローマ字の「moe」として、国境を越えて使える点が特徴でした。
2015年には、萌の日に合わせた「.moe」のキャンペーンも海外へ広がりました。日本の登録サービスに加え、フランスのGandi.netやアメリカのName.comでも企画が行われています。
この動きから見えてくるのは、「萌」が日本国内だけの言葉として扱われていなかったことです。アニメ、漫画、ゲームなどが海外へ広がる中で、「moe」も日本文化を連想させる言葉として利用されました。
2014年の「.moe」一般登録時にも、海外を意識した展開が見られます。インターリンクは同年7月、フランスで開催されたJapan Expoで「.moe」に関する調査を実施していました。
10月10日という日付は、その海外展開とも相性がよかったと考えられます。「10/10」という日付そのものは海外でも示せます。一方、「十月十日」を組み替える文字遊びには、日本語ならではの仕掛けがあります。
2025年にも、インターリンクは10月10日の萌の日に関連した「.moe」の企画を実施しています。登録料金を日付に合わせた1,010円とするプロモーションも案内されました。
「10月10日だから1,010円」という数字の遊びは、記念日の性格ともよく合っています。「十月十日」が「萌」に変わる文字遊びに、さらに「1010」という数字の遊びを重ねた形です。
萌の日には、インターリンクが長年続けるオタク文化関連の企画もつながっています。同社は「あなたが選ぶオタク川柳大賞」を開催してきました。公式イベント情報では、開催期間を毎年10月上旬から3月下旬としています。
このように10月10日は、記念日の名称だけが存在する日ではありません。「.moe」、オタク川柳、キャンペーンなど、株式会社インターリンクの複数の取り組みと結びついてきました。
萌の日と関係が深い企業・団体
萌の日と最も関係が深い企業は、制定した株式会社インターリンクです。インターネット接続サービスやドメイン関連事業などを手がけています。
インターリンクは2000年からドメイン名登録事業を開始しました。2006年10月には、日本で8社目のICANN公認レジストラに認定されたとしています。2012年の新gTLDプログラムでは「.moe」を申請しました。
そして2014年、「.moe」の運用と一般登録が始まります。「萌」という日本語を、そのまま世界で使えるドメインにした点が大きな特徴です。萌の日は、この「.moe」の普及促進と強く結びついて生まれました。
もう1つ欠かせない存在が、一般社団法人日本記念日協会です。インターリンクは「十月十日」を萌の日とする申請を行いました。同社の公式発信では、2015年1月30日に登録されたと説明されています。
ここで整理しておきたいのは、2014年と2015年の違いです。「.moe」の一般登録が始まったのは2014年7月22日。萌の日が日本記念日協会へ登録されたのは2015年1月30日です。
つまり「2014年に萌の日が正式登録された」とすると、時系列がずれてしまいます。2014年は「.moe」が本格始動し、10月10日を萌の日として発信していた年。登録は翌2015年です。
ICANNも萌の日の背景を理解するうえで外せません。ICANNは、インターネット上のドメイン名などを世界規模で調整する組織です。「.moe」のレジストリ契約情報も公開しています。
「萌」という感情の対象に、特定の人物を1人だけ挙げるのは適切ではありません。アニメのキャラクター、猫、鉄道車両、城郭など、対象は人によって異なるからです。
インターリンク自身も、二次元だけに限定していません。動物、フィギュア、電車、城などへの思いを表す日として定着することを期待していました。萌の日は「誰に萌えるか」より、「何に心を動かされるか」を広く受け止める記念日です。
萌の日に関するよくある質問
萌の日はなぜ10月10日なの?
10月10日を漢字で「十月十日」と書いたときの形が理由です。4文字を組み替えると、「萌」の字に見えることから選ばれました。
2つの「十」は草冠のように見えます。「日」と「月」を並べると「明」に近い形です。草冠と「明」で「萌」という見立てになります。
語呂合わせで「10」を「もえ」と読むわけではありません。10月10日という日付を漢字で表したときに成立する、視覚的な文字遊びです。
萌の日は誰が制定したの?
制定したのは株式会社インターリンクです。同社はインターネット接続やドメイン関連事業を手がけ、「.moe」のレジストリ運営にも携わってきました。
目的の中心には、2014年に運用が始まった新gTLD「.moe」の普及があります。さらに、好きなキャラクターや動物、鉄道、城などへ「萌」の気持ちを伝える日の定着も目指しました。
インターリンクは日本記念日協会へ申請しています。同社の公式発表によると、萌の日は2015年1月30日に登録されました。
萌の日はいつから始まったの?
「.moe」の一般登録は2014年7月22日に始まりました。インターリンクは同年10月10日の発表ですでに、この日を「萌の日」と呼んでいます。
その後、日本記念日協会への申請を経て2015年1月30日に登録されました。そのため、背景を知るには「2014年の.moe始動」と「2015年の記念日登録」を分けて考えると分かりやすくなります。
なお、俗語としての「萌え」自体はさらに古い言葉です。辞書では、1990年前後から漫画やアニメの愛好者の間で使われ始めたと説明されています。
萌の日は「好き」の形を10月10日に映した記念日
10月10日の萌の日は、「十月十日」を組み替えると「萌」に見えるという発想から生まれました。制定したのは株式会社インターリンクです。
背景には、2014年7月22日に一般登録が始まった「.moe」があります。インターリンクは10月10日を萌の日として発信し、2015年1月30日に日本記念日協会への登録へつなげました。
「萌」は1990年前後から広がったとされる言葉です。アニメや漫画だけでなく、猫、フィギュア、電車、城などにも向けられます。誰かの「好き」を狭く決めつけないところに、この記念日らしさがあります。
10月10日に「十月十日」と紙へ書いてみると、由来は一気に身近になります。4文字の中から「萌」を見つけた瞬間、その日付を忘れにくくなるはずです。
