小学生に広がる「推し活」の背景
「推し活」という言葉は、今や多くの人々に知られています。元々はアイドルやアニメファンの間で使われていた言葉ですが、現在では小学生にも広がりつつあります。学研教育総合研究所の「小学生白書」によれば、調査対象の小学生の53%が「推しがいる」と回答しています。この現象の背景には、コロナ禍や一人一台端末の普及などが影響していると考えられます。
推し活のメリット
自分の世界が広がる
推し活を通じて小学生は自分の世界を広げることができます。推しの情報を収集したり、イベントに参加したりする中で、同じ興味を持つ他者とつながることができます。これは、アイデンティティ形成の前段階にある小学生にとって、自分らしさを見つけるための重要なステップです。
自分の資源を分け与える喜び
推し活は、小学生にとって初めての「与える経験」となることがあります。推しのためにお小遣いを使ったり、時間を割いたりする行為は、他者に資源を分け与える喜びを感じる機会を提供します。これは、人間の社会性を育む重要な経験です。
第三の居場所ができる
推し活は、家庭や学校とは異なる「第三の居場所」を提供します。この居場所は、しがらみや義務がなく、本当にくつろげる場所として機能します。推し活を通じて、子どもは心の拠り所を見つけることができます。
親が気をつけるべきポイント
監視ではなく見守る
推し活において親が取るべきスタンスは、監視ではなく見守りです。子どもが推している対象を自由にさせることが重要です。推し活がお小遣いの範囲を超えた場合は、家庭の金銭感覚や方針に従って話し合うことが必要です。また、SNSでのリスクについても注意を促すことが大切です。
理解するのではなく認める
親が子どもの推しを理解しようとするのではなく、その存在を認めることが重要です。「こんなものを推すのはダメ」と否定することは、子どもの自分らしさを否定することになります。まずはその心の動きを肯定し、一緒に喜ぶ姿勢が求められます。
バランスを保つためのサポート
推し活が子どもの生活においてバランスを崩さないようにサポートすることが大切です。推し活が楽しいものであるべきで、もし「苦しい、つらい」と感じるようになった場合は、バランスが崩れているサインです。その場合は、適切な介入が必要です。
まとめ
小学生に広がる「推し活」は、子どもの心に多くのポジティブな影響を与える一方で、親としての適切なサポートが求められます。推し活を通じて自分の世界を広げ、資源を分け与える喜びを感じ、第三の居場所を見つけることができます。しかし、親は監視ではなく見守り、理解するのではなく認める姿勢で、子どもの推し活をサポートすることが重要です。適切なバランスを保ちながら、子どもの成長を見守りましょう。
