シネマトグラフの日(12月28日)はどんな日?
✅ 1895年12月28日に、世界初の映画の有料上映がフランス・パリで行われた記念日。
✅ 上映作品は『工場の出口』『馬芸』『金魚採り』など10本の短編で、現代映画の原点とされる。
✅ 映像機器「シネマトグラフ」を発明したリュミエール兄弟が深く関わっている。
スクリーンの中で、世界が初めて“動き出した”瞬間を想像したことがありますか?
街の喧騒を抜けた暗い部屋の中、静まり返った観客の前に、映像が映し出される。
これは、誰かの夢?それとも未来の現実?
そう、1895年12月28日、フランス・パリの地下の一室で、まさにその“奇跡”が起こりました。
この日、シネマトグラフという装置を用いて、リュミエール兄弟が“世界初の有料映画上映”を成功させたのです。
それを記念したのが、「シネマトグラフの日」。
今では当たり前のように存在する映画館、感動の物語、ドキドキのアクション。そのすべての原点が、ここにあります。
この記事では、「シネマトグラフの日」の由来や背景、リュミエール兄弟の功績を、感情豊かに、そしてじっくり丁寧にご紹介します。映画が生まれた“始まりの日”を、あなたと一緒に紐解いていきましょう。
シネマトグラフの日の由来とは?映画という芸術が歩み始めた記念すべき瞬間
今から130年近く前のパリ。
美しい街並みに囲まれたオペラ座のすぐ近くに、「グラン・カフェ」という名のカフェがありました。
その地下の一室に、わずか35人ほどの観客が静かに座っています。天井から吊り下げられた白いスクリーン。
そのスクリーンに、突如として“動く映像”が映し出されました。
最初に映ったのは、「工場の出口」
労働者たちが笑顔で門から出てくる、ごくありふれた日常の風景です。でも、その風景が“動いている”ことに、観客は声を上げて驚きました。
これが、「映画の始まり」です。
使用された装置は、「シネマトグラフ」フランスの発明家、リュミエール兄弟によって開発されたこの装置は、「撮影」「現像」「上映」のすべてを一台でこなす革新的なものでした。
しかも、映像はスクリーンに投影され、複数の人が同時に楽しめる。現代の映画館スタイルの元祖となったのです。
1895年12月28日。この日は、“動く写真”が「映画」という芸術へと進化した記念日であり、世界中の感動の物語が始まった「映画元年」のような日なのです。
シネマトグラフの日の豆知識|驚きと感動に満ちた上映会の裏側
上映された作品は、10本の短編映画。それぞれの長さはわずか40秒から1分ほど。
現在のようなセリフも音楽もない、モノクロのサイレント映像でした。
でも、それがどれだけ衝撃だったか、想像できますか?
ある作品では、「列車が駅に到着するシーン」が映し出されました。観客の多くが「本物の列車が突っ込んでくる!」と勘違いし、驚いて逃げ出したそうです。
それだけ、映像が現実のようにリアルに感じられたのです。
当時の映画は娯楽ではなく、むしろ“未来の科学”のようなもの。新聞は「奇跡の機械が誕生した」と大きく報じました。
また、上映会の入場料は1フラン。当時としては少し高めでしたが、それでも人々はこぞって足を運びました。
そして、口コミが口コミを呼び、数日後には行列ができるほどの大盛況に。“無声映画の黄金時代”は、ここから始まったのです。
シネマトグラフの日とリュミエール兄弟|映像の未来を信じた2人の天才
シネマトグラフを生み出したのは、ルイ・リュミエール(1864年生まれ)とオーギュスト・リュミエール(1862年生まれ)の兄弟です。
彼らは、リヨンで写真用の乾板を製造していた父アントワーヌ・リュミエールの影響を強く受けて育ちました。
特に弟のルイは天才的な技術者で、十代で写真機の改良を行い、化学分野にも精通していた人物です。
兄のオーギュストは経営や企画の面で支え、この“発明とマネジメントの黄金コンビ”が、世界初の映画を実現させました。
彼らの凄さは、単に機械を作っただけではありません。彼らは、映像が「人の心を動かす力」を持つことを誰よりも早く信じていました。
現代の映画監督スティーブン・スピルバーグやクリストファー・ノーランが語る「映画の原点」は、必ずと言っていいほど、リュミエール兄弟に行き着きます。
ちなみに、“映画の父”と呼ばれるジョルジュ・メリエスも、この上映会に参加して強い影響を受けました。
ここから、多くのクリエイターの道が始まったのです。
シネマトグラフの日に関するよくある質問
Q1. シネマトグラフとはどんな機械だったのですか?
A. 手回し式で、1台で撮影・現像・上映ができる装置です。映像をフィルムに記録し、それをスクリーンに投影しました。
Q2. なぜ“有料”上映だったことが重要なのですか?
A. 無料の映像展示はそれまでにもありましたが、“お金を払って観る価値がある”とされた点が、芸術や産業としての映画の出発点を示すからです。
Q3. 当時の映像作品はどこで見ることができますか?
A. 現在では、多くのリュミエール作品がデジタルアーカイブされており、動画サイトや美術館、映画館イベントなどで見ることができます。
シネマトグラフの日は“心が動く瞬間”の始まりを祝う日
もし、あなたが映画館で初めて映画を観たときのことを思い出せるなら、そのときの“胸の高鳴り”や“涙がこぼれそうな感動”を覚えているはずです。
シネマトグラフの日は、その“最初の感動”が世界に届けられた日。
たった1分の映像が、130年後の私たちの心にも届くなんて、すごいと思いませんか?
リュミエール兄弟が信じた「映像の未来」は、今やNetflixやYouTube、映画館を通して、地球の隅々にまで広がっています。
12月28日。この日は、スクリーンの向こうに心を託したすべてのクリエイターに、静かに感謝を捧げる日でもあります。
映画が好きな人も、まだ映画の魅力に気づいていない人も。この「シネマトグラフの日」をきっかけに、映画の原点にふれてみてはいかがでしょうか。
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