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身体検査の日(12月28日)とは?起源・歴史・活力検査の変遷を徹底解説

身体検査の日の由来や歴史、文部省の訓令による制度化の背景をわかりやすく解説
目次

身体検査の日はどんな日?

✅ 明治21年12月28日、文部省が全国の学校に「活力検査」を訓令した日
✅ 検査内容は体力中心から、健康と発育の確認へと変化した
✅ 制定は文部省(現・文部科学省)で、近代教育の整備の一環


子どもたちの成長を見守る「健康のバロメーター」が始まった日

学校生活の中で、毎年春になるとやってくる「身体検査」。

身長が何センチ伸びたとか、体重が増えた、視力が落ちたなど、毎年の自分の変化を数字で知る機会でした。

中には「服を脱ぐのが恥ずかしかった」「体重測定が憂うつだった」と、苦い思い出がある人もいるかもしれません。
でも、そんな身体検査が「健康を守る大切な制度」として制度化された日があるのです。

それが、12月28日。この日は「身体検査の日」として、文部省(現在の文部科学省)が明治時代に「すべての学校で活力検査を実施せよ」と訓令を出した、歴史的な日です。

この記事では、「身体検査の日」の由来から、制度の変遷、ちょっとした豆知識や、関わりのある組織について、分かりやすくご紹介します。

読んだ後に、家族や友人にも話したくなるような内容になっています。
ぜひ最後までお楽しみください。

「身体検査の日」の由来とは?

1888年(明治21年)12月28日、当時の文部省は全国の学校に対し、毎年4月に「活力検査」を実施するよう訓令を出しました。この訓令が、日本における学校身体検査の始まりです。

明治時代の日本は、近代国家への歩みを進めていた最中でした。1871年に文部省が設立され、1872年には日本初の教育制度「学制」が公布されます。

学制では、フランスの教育モデルを参考にして「すべての村に学ばぬ家がないように」との理想を掲げ、全国的な義務教育の基盤が築かれました。

その一環として導入されたのが、「活力検査」と呼ばれる身体検査制度です。

この検査の目的は、子どもたちの健康状態を把握するだけでなく、国民の体力レベルを統計的に把握し、国力の一部として管理しようという意図も含まれていました。

当初の検査項目は、以下のように多岐にわたっていました。

  • 体長(身長)
  • 体重
  • 胸囲
  • 臀囲(でんい:お尻の周囲)
  • 指極(しきょく:両手を広げた長さ)
  • 握力
  • 肺量
  • 力量(筋力)

これらは今でいう健康診断に加えて「体力測定」の要素が強く、子どもたちの“活力”を文字通り数値化しようとする内容でした。

訓令が出された12月28日が、後に「身体検査の日」として記念日となったのは、まさにこの国の教育と健康政策の転換点だったからです。


「身体検査の日」にまつわる豆知識

「身体検査の日」が示すように、最初の検査は「活力」という言葉が示す通り、体のパワーや能力を測るものでした。

しかし、時代が進むとともに、身体検査の性格も変化していきます。

1897年(明治30年)、文部省は「学生生徒身体検査規程」を公布し、これまでの「活力検査」を改定しました。
この改定では、握力や肺量などの体力項目が削除され、代わりに発育や健康を確認する目的が強調されました。

この時点から、身体検査は「健康管理」の一環として位置づけられるようになります。

そして、昭和に入ると、内科検診・視力検査・聴力検査・尿検査など、より医学的な項目が加えられ、現在に続く「学校健康診断」の形が完成していきました。

また、戦後の教育改革の中で、学校保健の充実が求められるようになり、定期的な健康診断が法律で義務付けられます。
今日の学校では、年1回以上の身体検査が文部科学省の指導のもとで全国的に実施されています。

つまり、私たちが受けてきた身体検査は、120年以上の歴史と、時代ごとの医療・教育の変遷を映す“鏡”のような存在なのです。

「身体検査の日」と関わりのある組織や人物

「身体検査の日」の誕生に最も関わりが深いのが、1871年に創設された文部省です。

文部省は、明治政府が掲げた「富国強兵」「殖産興業」の理念に基づき、教育を国家の礎と位置づけて設立されました。

そして翌1872年、全国的に教育制度を整えるべく、「学制」が制定されます。

この学制では、全国を学区に分けて学校を設置する計画が打ち出され、義務教育の始まりとなりました。

公布に際して出された「被仰出書(おおせいだされしょ)」には、以下のような言葉が記されています。

「必ず邑に不学の戸なく、家に不学の人なからしめん事を期す」

つまり、「どの村にも学ばない家をなくし、どの家庭にも学ばない人がいないようにしたい」という、教育の平等を強く意識した理念が込められていました。

身体検査は、この学制の流れの中で「すべての子どもが健やかに学ぶ」ための前提条件として制度化されました。

健康でなければ学ぶこともままならず、教育の成果を引き出すにはまず身体が丈夫である必要があります。

その理念は今も文部科学省に引き継がれ、毎年の身体検査が続けられています。

「身体検査の日」に関するよくある質問

Q1:身体検査の結果は、どのように使われているの?
A:個人の健康管理はもちろん、学校や教育委員会が集団の健康傾向を把握するためにも活用されています。公衆衛生の観点でも重要です。

Q2:身体検査は義務ですか?拒否できますか?
A:学校保健安全法により、学校は身体検査を行う義務がありますが、保護者の判断で受けないことも可能です。ただし、事前の相談が必要です。

Q3:日本以外にも学校で身体検査はありますか?
A:あります。ただし、日本のように全国一律で詳細に測定する国は少数で、地域差や制度的な違いがあります。

「身体検査の日」のまとめ

数字の奥にある、子どもたちの未来と社会の願い

12月28日の「身体検査の日」は、ただの“健康チェック”の日ではありません。そこには、日本という国が「すべての子どもたちに教育を受けさせたい」という強い願いと、健やかな成長を支えるための細やかな制度設計が込められています。

数字で表される身長や体重の背後には、個々の努力や生活習慣、家庭の環境、社会全体の健康へのまなざしが映し出されています。

もし次に身体検査を受ける機会があったら、ぜひその数字に込められた意味や歴史にも、少しだけ思いを馳せてみてください。それが、私たちの未来を形作る大切な“記録”になるかもしれません。

今日は何の日(12月28日は何の日)

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