「teppay Suica 違い」とシーン別の使い分けポイント
まず、このブログでお伝えしたい使い分けルールだけ先にまとめます。
- 改札・電車・バスで迷ったら → 迷わずSuica(PASMO)
交通利用はこれまでどおり交通系ICの役割。teppayでは電車やバスに乗れません。 - 駅ナカやコンビニ、カフェなど日常の少額決済 → 基本はSuica、キャンペーン時はteppayも検討
2万円未満ならどちらでもOK。ポイント還元やteppayのキャンペーンがある時は、コード決済側に寄せるとおトクなことも。 - 家電・旅行・ホテルなど2万円を超える支払い → teppay一択
Suicaは残高上限2万円、teppayは最大30万円までチャージできるので、高額決済はteppayでまとめた方がシンプルです。 - ネットショッピング・アプリ注文 → teppay(+teppay JCBプリカ)
ECサイトやタクシー・飲食店のモバイルオーダーは、Suicaではなくteppay側のオンライン決済機能が担当。 - 友だちや家族との送金・割り勘 → teppayの「残高送付」機能
モバイルSuicaとモバイルPASMOをまたいで、teppay残高を「送る・受け取る」ことができます。 - 旅行・遠征・地域イベント → Suica+teppayの地域限定バリュー(バリチケ)の組み合わせ
指定地域だけで使えるバリューと、ふだん使いのSuicaをセットにすると、現地でのお金管理がかなり楽になります。
この記事では「どっちがおすすめ?」という比較よりも、「この場面なら、こう使い分けるとラク」という具体的なシーン別ルールに絞って解説します。
通勤・通学、コンビニでのちょこっと買い物、週末のショッピング、ネットでの予約やお取り寄せ…。
日々の支払いシーンは増える一方で、「Suicaだけでも足りてるけど、teppayも入れた方がいいのかな?」とモヤっとしている人も多いと思います。
ざっくりとした違いは理解していても、実際の生活の中で「いつSuica」「いつteppay」にすればいいのかが一番悩むポイントですよね。
ここでは、
- 改札/街ナカ/ネットの3つの世界
- 少額/高額の金額軸
- 一人/友だち・家族の利用シーン
この3つの切り口で、teppayとSuicaの使い分けを“生活者目線”で整理していきます。

通勤・通学シーン:改札はSuica、交通費の元口座はteppay
結論:改札はこれからもSuica、でも「交通費の源泉」はteppayにまとめるとラク
まずは、毎日の基盤となる通勤・通学シーンから。
交通に関しては、これからも主役はSuica/PASMOです。
電車やバスの乗車は、交通系IC残高でしか利用できません。
一方でteppayは、
- モバイルSuica・モバイルPASMOアプリ内に追加されるコード決済
- teppay残高から、Suica/PASMOの交通系IC残高へチャージ可能
という「上流の財布」的な役割を持っています。
なぜ「交通費の源泉」をteppayにすると良いのか
理由はシンプルで、
- 毎月の交通費+αをteppayにまとめておけば、
「今月、移動と日常の支払いに回せるお金」が一目でわかる - Suica側は、あくまで“改札を通るための子ども財布”として扱える
からです。
具体的にはこんな使い方。
- 月初に「通勤定期+予備の交通費」を含めた金額をteppayにチャージ
- 定期券購入や交通費は、必要に応じてteppay残高→Suica残高へ移す
- 余った分は駅ナカや街ナカのteppayコード決済に回す
通勤・通学の人ほど、
「生活費の母艦:teppay」「改札用:Suica」
と役割を分けると、お金の“見える化”がしやすくなります。
具体的な一日のイメージ
- 朝:Suicaで改札ピッ
- 昼:駅ナカカフェでテイクアウト(Suicaタッチ決済でもOK)
- 夕方:帰りに高めのランチ会計をteppayのコード決済で支払い
- 帰宅後:1週間分の交通費をteppayからSuicaへ追加チャージ
こうしてみると、
改札まわりの操作は何も変えずに、「上流の財布」だけteppayに変えるイメージです。
コンビニ・ドラッグストア・カフェ:金額でざっくり“線引き”
結論:2,000〜3,000円まではSuica、それ以上はteppayを“候補”に
日常で一番頻度が高いのが、コンビニ・ドラッグストア・カフェでの支払い。
正直、2,000円くらいまでならSuicaだけでも何も困りません。
Suica残高の上限は2万円ですし、毎日少しずつ使っていくには十分です。
ただ、次のようなシーンでは、teppayを検討すると良い場面が増えます。
- まとめ買いで3,000〜5,000円くらいの支払いになる
- キャンペーンやポイント還元が、teppay側で多く付く
- 家計簿アプリなどで、「日用品はteppay、食費はSuica」などカテゴリ分けしたい
“直感ルール”を決めておくと迷わない
おすすめなのは、こんなマイルールを持っておくこと。
- 1回の支払いが3,000円未満 → Suica
- 3,000円以上でteppayのコード決済が使える店 → teppay
これくらいざっくり決めておくと、
レジ前で「どっちで払うんだっけ…」と迷う時間を減らせます。
家電・旅行・ホテルなど高額決済:teppayの出番
結論:2万円を超える可能性がある支払いは、最初からteppayで考える
Suica・PASMOの交通系IC残高は上限2万円。
対して、teppay残高は最大30万円までチャージ可能です。
この差が一番効いてくるのが、次のような高額シーンです。
- ノートPCや家電の購入
- ホテルの宿泊費やツアー料金の支払い
- 家具や大型インテリアの購入
Suicaだけで支払おうとすると、
- 2万円以上の支払いがそもそもできない
- レジ前で残高不足になり、チャージし直し…という手間も増える
teppayを使えば、
- 事前に30万円までチャージしておける
- 一回のコード読み取りで、ドンと高額決済できる
- その分の支出が「teppay明細」にまとまってくれる
というメリットがあります。

具体的な使い方イメージ
- 週末、家電量販店で15万円のPCを購入 → teppayコード決済
- 同じ日に、駅ナカで軽食 → ここは今までどおりSuica
- 数日後、旅行のホテル代5万円を現地で精算 → teppayで支払い
「高額な支払い=teppay」と決めておくことで、Suica側は“ふだん使い専用財布”にできます。
ネットショッピング・アプリ注文:Suicaではなくteppayの世界
結論:ネットは基本teppay、「teppay JCBプリカ」でECサイトにも対応
オンラインの世界に入ると、Suicaよりもteppayの出番が増えます。
teppayには、
- アプリ内で「teppay JCBプリカ」というバーチャルカードを発行できる
- そのカード情報を使って、ECサイトでの買い物に利用できる
- タクシー・飲食店などのモバイルオーダー決済にも対応
といったオンライン決済機能が備わる予定です。
一方でSuicaは、
- オンラインよりも「リアルのタッチ決済」が主戦場
- ECサイトやアプリ決済での出番はまだ限定的
という立ち位置です。
シーン別の使い分け
- ネット通販
→ teppay JCBプリカを発行して支払い - タクシーアプリやフードデリバリー
→ teppay対応のモバイルオーダーがあればそちらを優先 - 駅の券売機や窓口での定期券購入
→ teppay残高→Suica残高に移してからSuica側で購入
オンラインはteppay、
オフラインの交通・タッチ決済はSuicaと覚えておくと、スッと整理できます。
友だち・家族との送金・割り勘:Suicaではなくteppayが担当
結論:人とお金のやり取りが発生する場面は、teppayを“連絡口座”に
友だちと遊びに行ったり、家族におこづかいを渡したり…。
「人とお金をやり取りするシーン」は、Suicaよりもteppay向きです。
teppayでは、
- teppayユーザー同士で残高を「送る・受け取る」が可能
- モバイルSuicaとモバイルPASMOをまたいだ送金もできる
- 受け取ったteppay残高を、そのままSuica/PASMOにチャージすることも可能
といった機能が用意されています。
具体的なシーン例
- 飲み会の割り勘
幹事がteppayでまとめて支払う → 参加者は後からteppayで残高送金 - 親子のおこづかい&交通費サポート
親が子どものteppayに毎月決まった額を送金 → 子どもは必要な分だけSuicaにチャージして通学に使う - サークル・部活の会費
部長のteppayアカウントに会費を集約 → 活動費の支払いもteppayで決済
このように、人とお金の“やり取りのハブ”としてteppayを置くと、現金の受け渡しをほぼゼロに近づけられます。
旅行・遠征・イベント:Suica+バリチケで“旅財布”を作る
結論:交通はSuica、現地での消費はteppayの「地域限定バリュー(バリチケ)」にまとめる
旅行や遠征、フェスや地域イベントなど、普段とは違うエリアに行くときこそ、teppayの「地域限定バリュー(バリチケ)」が本領発揮しそうです。
バリチケは、
- 特定の地域だけで使える残高
- teppay残高と組み合わせて支払いできる
- 自治体のプレミアム商品券・キャッシュレス還元事業などと連携して提供される想定
といった特徴を持つ仕組みです。
旅の使い方イメージ
- 旅行前:
現地のキャンペーンで配布されるバリチケを、teppayアプリで受け取る - 現地移動:
電車・バスはいつもどおりSuicaで乗車 - 食事やお土産:
teppayコード決済+バリチケ併用で支払い
「この旅の予算はこのバリチケ+teppay残高の範囲内」と決めておけば、使いすぎ防止にもなるし、地域のキャンペーンも最大限活用できます。
迷ったときの最終ルール:3ステップで考える「Suicaかteppayか」
ここまでの内容を、“現場で3秒で判断する”ためのルールにまとめてみます。
ステップ1:交通か、それ以外か
- 電車・バス・改札 → 必ずSuica(PASMO)
- それ以外の支払い → ステップ2へ
ステップ2:リアルか、オンラインか
- ネット通販・アプリ決済 → teppay(+teppay JCBプリカ)
- お店のレジでの支払い → ステップ3へ
ステップ3:金額はいくらか
- おおよそ3,000円未満 → SuicaでもteppayでもOK(好みやキャンペーンで選ぶ)
- 2万円を超えそう → 最初からteppayで支払う前提で考える
これさえ頭に入っていれば、「とりあえずこの場面はこっち」とサクッと判断できるはずです。
teppay・Suicaを提供する会社の基礎情報
JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)
- SuicaおよびモバイルSuicaを提供する鉄道事業者
- 2026年秋に、モバイルSuicaアプリ内でteppayを提供開始予定
- Suicaを“移動のデバイス”から“生活のデバイス”へ進化させる構想の中核としてteppayを位置づけている
株式会社パスモ・PASMO協議会
- 私鉄・地下鉄・バス事業者が参加する交通系IC「PASMO」の運営主体
- 2027年春から、モバイルPASMOアプリにteppay機能を追加予定
teppayプラットフォームの立ち位置
- モバイルSuica・モバイルPASMOアプリ内で動くコード決済・オンライン決済・送金の新サービス
- 追加のアプリダウンロードや新規ID登録は不要で、既存ユーザーがそのまま使える設計
- 「キャッシュレス疲れ」を感じている利用者の、決済手段を“馴染みのサービスにまとめたい”ニーズに応えることを目標としている
teppay Suica 違いと使い分けに関するよくある質問
Q1. スマホの電池が切れたとき、teppayしかないと困る?
A. 困ります。なので、Suica(できれば物理カード)もキープしておくのがおすすめです。
- teppayはモバイルSuica/PASMOアプリ内のサービスなので、スマホが動かないと使えません
- 一方、物理Suicaカードならスマホの電池が切れても改札を通れます
- 普段はモバイルSuica+teppay、バッグの中に物理Suicaを“お守り”として入れておく、くらいのバランスが安心です
Q2. QRコード決済(PayPayなど)があるのに、わざわざteppayを使う意味はある?
A. 「Suica/PASMOと一体になっているかどうか」が大きな違いです。
他のQR決済サービスでも、
- コード表示で支払う
- ポイントが貯まる
- キャンペーンがある
といった基本機能はほぼ共通です。
ただしteppayは、
- モバイルSuica・モバイルPASMOとアプリが一体になっている
- teppay残高からSuica/PASMOに直接チャージできる
- Suicaユーザー・PASMOユーザー同士で残高送金できる
といった、“交通の世界と深くつながっている”ことが最大の特徴です。
Suicaを日常的に使っている人ほど、「移動と支払いを同じ陣営でまとめたい」という意味で、teppayの価値が出てきます。
Q3. teppayだけを使って、Suica残高は空っぽにしてしまってもいい?
A. 交通インフラとして考えると、最低限のSuica残高は残しておいた方が安心です。
理由は3つあります。
- teppayでは電車・バスに乗れない(改札はあくまで交通系IC)
- teppay残高をSuicaにチャージできますが、その逆(Suica→teppay)はできない
- チャージ忘れや通信トラブル時に、Suica残高がゼロだと身動きが取りにくい
そのため、
- 「移動の保険」としてのSuica残高(+物理カード)
- 「決済や管理のハブ」としてのteppay残高
という2本立てで考えるのが、いちばん現実的です。
teppay Suica 違いと使い分けのまとめ
最後に、この記事の要点をもう一度コンパクトにまとめます。
- 改札・交通はこれまで通りSuica(PASMO)担当
- コード決済・オンライン決済・送金はteppayが新しく担当
- 日常の少額決済はSuica、高額決済やネット支払いはteppay、と金額とシーンで役割を分けるとスッキリ
- teppayを「生活費の母艦」、Suicaを「移動用の子財布」として使うと、家計管理もしやすくなる
- 友だち・家族との送金や、旅行先でのバリチケ活用など、“人と地域”と絡むお金の動きはteppayが得意分野
大事なのは、「全部teppay」「全部Suica」と極端に振ることではなく、
移動はSuica、
シーンに応じたお金のやり取りはteppay。
という“ちょうどいい距離感”を、自分の生活パターンに合わせて決めておくことです。
teppayが始まる頃には、また新しいキャッシュレスも増えているかもしれません。
その中で迷わないための、自分なりの「シーン別マイルール」を、この記事を参考にぜひ考えてみてください。

