teppay Suica 違いについて(ポイントまとめ)
この記事のポイントだけ、先に箇条書きでまとめておきます。
- teppayとは?
モバイルSuica・モバイルPASMOアプリ内で使える「コード決済(QR/バーコード)サービス」。新しいアプリは不要で、アプリアップデートだけで使えるようになる。 - Suicaとは?
改札の通過やコンビニなどの支払いに“タッチ”して使う交通系ICカード(およびそのスマホ版)。Suica残高の上限は2万円。 - 残高と上限の違い
teppayはSuica/PASMOとは別の「teppay残高」で管理され、最大30万円までチャージ可能。Suicaの2万円上限を超える高額決済にも対応。 - 機能の違い
teppayは「コード決済」「オンライン決済」「ユーザー間の残高送金」「地域限定バリュー(バリチケ)」など、多機能な決済プラットフォーム。Suicaは主に「交通利用+タッチ決済」が役割。 - リリース時期の違い
teppayは、モバイルSuicaで2026年秋スタート予定、モバイルPASMOでは2027年春から利用可能予定。
ざっくり言えば、今使っているSuicaに、「コード決済」「送金」「高額支払い」がドンと乗っかるイメージです。
Suicaがすっかり生活インフラになっている中で、「teppayってまた新しいPay系? Suicaと何が違うの?」と思わずため息が出た人も多いはずです。
実際、JR東日本の発表でも「決済手段が増えすぎてわかりづらい」という利用者の声が背景にあるとされています。
だからこそ大事なのは、
「Suica」と「teppay」の役割の違いだけ、サクッと押さえておくこと。
ここでは、
- teppayとは何者なのか
- Suica(モバイルSuica)とどこが違うのか
- 自分の生活ではどう使い分ければいいのか
を、できるだけ直感的に・ややこしい専門用語抜きで解説していきます。
teppayとは?Suicaの中に生まれる“もうひとつのおサイフ”
teppayの正体を一言でいうと…
teppay(テッペイ)は、
「モバイルSuica・モバイルPASMOアプリの中で使える、コード決済専用の残高」です。
ここがポイント:
- 新しいアプリを入れる必要なし
すでにモバイルSuica/モバイルPASMOを使っていれば、アプリをアップデートするだけで、トップ画面に「teppay」ボタンが追加されるイメージ。 - teppay残高はSuica残高とは別物
teppay用のおサイフにお金を入れておき、そこから- コード決済
- オンライン決済
- 他の人への送金
- Suica/PASMOへのチャージ
などができるようになります。
- 銀行口座やATM、ビューカードからチャージ可能
teppay残高には、銀行口座・ATMの現金・ビューカードから入金が可能。ビューカード連携なら、残高チャージを挟まずに「クレカ直払い」に近い使い方もできます。
Suica/モバイルSuicaの役割
一方で、Suica(およびモバイルSuica)はこれまで同様、
- 改札をタッチして電車・バスに乗る
- 自販機やコンビニ、駅ナカでタッチ決済する
ための交通系IC+電子マネーです。
Suica残高は“カードの中”に記録されるプリペイド方式で、
残高の上限は2万円という制限があります。
teppayとSuicaの違いを5つの視点で整理
「なんとなくイメージはわかったけど、結局何がどう違うの?」という人向けに、5つの軸で比較してみます。
1. 支払い方法の違い:「タッチ」か「コード」か
- Suica
- 対面の支払いは、端末に“ピッ”とタッチ
- 改札も同じくタッチ
- teppay
- スマホの画面に表示したコード(QR/バーコード)をレジで読み取ってもらう
- またはお店側のコードをアプリで読み取る形のコード決済
- 改札は通れません(交通利用はこれまでどおりSuica残高)。
改札用:Suica/PASMO、
コード決済用:teppay
という分担になっているイメージです。
2. 残高の上限と金額感の違い
- Suica残高
- 上限:2万円
- 日常の交通費やちょっとした買い物向き
- teppay残高
- 上限:30万円(予定)
- 家電や宿泊代など、高額のショッピングにも対応できる設計です。
Suica単体だと「2万円の壁」がありましたが、
teppayの登場で「Suicaを使い慣れた人でも、高額決済をキャッシュレスでまとめやすくなる」構造になっています。
3. 残高の関係:「Suica⇔teppay」はどう動く?
ここが少しややこしいので、整理します。
- できること
- teppay残高 → モバイルSuicaの交通系IC残高にチャージ
- teppay残高 → モバイルPASMOの交通系IC残高にチャージ
- できないこと
- Suica残高 → teppay残高
- PASMO残高 → teppay残高
つまり、
teppayを“上の階”に置いて、
そこからSuica/PASMOにお金を流し込むことはできるけど、
Suica側からteppayに戻すことはできない
というイメージです。
「交通費用の本体口座がteppay」
という使い方をすると、
- 給料日にまとめてteppayに入金
- 必要なタイミングでSuicaに小出しでチャージ
といった“家計管理っぽい”使い方も現実的になってきます。
4. 使える場所の違い
- Suicaが使えるお店
- 「Suica」「交通系IC」のマークがある店舗
- 鉄道・バスの運賃支払い
- 自販機・コンビニ・飲食店・駅ナカなど
- teppayが使えるお店
- 「teppayマーク」または「Smart Codeマーク」のある加盟店でコード決済が可能
- オンラインショップやモバイルオーダーの支払いにも対応予定
注意点
- 「Suicaが使える=teppayも使える」ではありません。
- 逆に、「teppay/Smart Code対応だけど、Suicaタッチ決済は非対応」というお店も出てくるはずです。
今後は、
- 改札やタッチ決済 → Suica
- レジでコード読み取り → teppay
という“2レーン制”で考えておくと迷いにくくなります。
5. 機能の違い:teppayならではの「+α」
teppayには、従来のSuicaにはなかった機能がいくつも加わります。
代表的なものがこちら:
- ユーザー間の残高送金機能
- teppayユーザー同士で「残高を送る・受け取る」が可能
- SuicaとPASMOのアプリをまたいだやり取りもできるのが大きな特徴です。
- オンライン決済・モバイルオーダー決済
- スマホアプリでの事前注文やネットショッピングに対応
- Suicaの“リアルなタッチ決済”から、teppayの“オンライン決済”へと守備範囲が拡大します。
- 地域限定バリュー(バリチケ)
- 自治体や地域のプレミアム商品券、キャッシュレス還元事業とも連携しやすい構造
- 旅行や遠征のときに「その地域だけで使えるお得な残高」を持たせることも構想されています。
- ポイント(teppayポイント)
- teppayの決済で「teppayポイント」が貯まり、支払いにも使える方向性が示されています。
サッと比較したい人向け:teppayとSuicaの違い早見表
| 項目 | teppay | Suica/モバイルSuica |
|---|---|---|
| 役割 | コード決済・オンライン決済用の残高 | 交通系IC+タッチ決済 |
| 支払い方法 | スマホ画面のコードを読み取る | 端末に“ピッ”とタッチ |
| 改札通過 | 不可(交通利用はSuica側) | 可能 |
| 残高の上限 | 30万円(予定) | 2万円 |
| 残高の関係 | teppay→Suicaにチャージ可能/逆は不可 | teppayへのチャージは不可 |
| 使えるお店 | teppayマーク/Smart Code加盟店、ネット決済 | Suica・交通系ICマークのあるお店や改札 |
| 主な追加機能 | 送金・オンライン決済・地域限定バリューなど | 交通+電子マネーのシンプルな機能 |
| アプリ | モバイルSuica/PASMO内にボタン追加で利用 | モバイルSuica/物理カード |
具体的な使い分けイメージ
「じゃあ、自分はどう使えばいいの?」を、シーン別にイメージしてみます。
パターン1:通勤ユーザー(会社員)
- 改札:
→ これまでどおり、モバイルSuicaでタッチ - 日常のコンビニ・カフェ:
→ 少額ならSuicaタッチのままでもOK - 出張・家電購入・ホテル代など高額決済:
→ teppayでコード決済(30万円まで対応)
この場合、「日常の細かい出費はSuica、まとまった支払いはteppay」と分けると管理もしやすくなります。
パターン2:学生・若い世代
- 友だちとの割り勘・立替精算:
→ teppayの「残高送金」でサクッとやり取り - 通学:
→ Suicaで改札 - ライブ・イベントの物販やカフェ:
→ teppay対応店ならコード決済
LINE PayやPayPayでやっていた送金・割り勘を、「Suica/PASMOの世界の中で完結させられる」のがteppayのメリットになりそうです。
パターン3:家族・親子での使い方
- 親のスマホ:
→ teppayにまとめて残高を入れておく - 子どものモバイルSuica:
→ 必要なタイミングで「teppay→Suicaにチャージ」
「おこづかい口座=teppay」「普段使い=Suica」と考えると、家族でのお金の管理がしやすくなる可能性があります。

teppay/Suicaを運営する会社の基礎情報
JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)
- 東日本エリア(首都圏・東北など)を中心に鉄道ネットワークを運営
- SuicaやモバイルSuicaの発行・運営主体
- 今回のteppayも、モバイルSuicaのアップデートとして提供開始予定
PASMO(株式会社パスモ・PASMO協議会)
- 私鉄・地下鉄・バス事業者などが参加する交通系IC「PASMO」の運営主体
- モバイルPASMOアプリを提供し、首都圏を中心に利用可能
- teppayは2027年春からモバイルPASMOでも提供予定
teppayプラットフォームの位置づけ
- Suica/PASMOという巨大インフラの“上”に乗るコード決済プラットフォーム
- 「決済手段が多すぎてわかりづらい」という課題に対して、
「使い慣れたSuica・PASMOの中に集約する」という考え方で生まれたサービスとされています。
teppay Suica 違いに関連する質問
Q1. teppayだけあれば、Suicaはもういらない?
A. いいえ、Suicaはこれからも“必須級”です。
- 改札を通るのはこれまでどおり「交通系IC(Suica/PASMO)」の役割
- teppayだけでは電車・バスに乗れません
- Suicaタッチ決済に対応している自販機・店舗も、当面はそのまま継続
teppayはあくまで「Suicaの中に増えるもう一つのおサイフ」です。
Suicaを手放すというより、Suicaがパワーアップするイメージが近いです。
Q2. teppay残高をSuicaにチャージしたあと、またteppayに戻せる?
A. 戻せません。teppay→Suica方向の“片道”です。
公式発表では、
- teppay残高 → Suica/PASMOの交通系IC残高にはチャージ可能
- Suica/PASMO残高 → teppay残高へはチャージ不可
とされています。
そのため、
- teppay:大きな“親口座”
- Suica:通勤・通学・少額決済用の“子口座”
というイメージで、「戻せない前提」で金額を決めてチャージするのがおすすめです。
Q3. PayPayや他のQRコード決済とはどう違う?
A. 「Suica/PASMOと深くつながっている」のがteppay最大の違いです。
具体的には:
- Suica/PASMOとアプリが一体になっている
- teppay残高からSuica/PASMOに直接チャージできる
- SuicaとPASMOをまたいで残高送金ができる(予定)
など、「交通系ICと密接に連携したコード決済」という点が、一般的なQRコード決済との大きな違いです。
teppay Suica 違いのまとめ
最後に、ポイントを改めて整理します。
- teppayは、モバイルSuica/PASMOアプリ内に登場するコード決済用の新しい“おサイフ”
- 改札はこれまで通りSuica/PASMO、コード決済・オンライン決済・送金はteppayという役割分担
- teppay残高は最大30万円までチャージでき、高額決済にも対応
- teppay残高からSuica/PASMOへのチャージはできるが、その逆はできない
- Suica/PASMOユーザーは、新アプリを入れなくても、アップデートだけで使い始められる予定
Suicaに慣れた私たちにとって、
「また新しい○○Payか…」ではなく、
「いつものSuicaの中がちょっと賢く・つながりやすくなる」
と捉えると、teppayの登場はむしろ歓迎できる変化かもしれません。
正式スタートまでまだ時間がありますが、今のうちに「teppayとSuicaの違い」だけ押さえておけば、リリース時に迷わず使い始められるはずです。


