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刃物の日(11月8日)とは?語呂合わせの意味とふいご祭の関係、産地・文化まで徹底解説

11月8日の刃物の日に込められた由来と、全国の刃物文化・職人技を紹介する記念日の特集ブログ
目次

刃物の日はどんな日?

✅ 「いい(11) は(8) もの」という語呂合わせと、金属加工に用いる「ふいご祭」の開催日にちなんで制定された刃物に感謝する記念日です。
✅ 刃物の歴史や文化を再認識することを目的とし、全国各地の刃物産業や職人の伝統技術を称える日でもあります。
✅ 岐阜県関市を中心に、新潟三条、越前、堺など日本各地の刃物産地と業界団体、さらには日本記念日協会が関わっています。

あなたのキッチンにもある「文化財」?日常に息づく刃物の価値を考える

毎日何気なく使っている包丁。

手芸や工作に使うハサミ。

段ボールを開けるときに手に取るカッター。

そんな日常の中に、実は何百年という技術の積み重ねが込められているとしたら、驚きませんか?

11月8日の「刃物の日」は、そんな刃物たちに改めて“ありがとう”と伝える、ちょっと特別な日です。

語呂合わせで「いい(11)は(8)もの」と読めるこの日。

でもそれだけではありません。

実はこの日、鍛冶職人たちが火力を強めるために使う送風装置「ふいご」に感謝をささげる伝統行事「ふいご祭」も行われる日。

つまり、刃物に命を吹き込む“火”と“技”にまつわる文化的な意味が重なっているのです。

刃物というと、「怖いもの」「危ないもの」とネガティブに思われがちですが、本来は命や生活を支えるための“守り刀”のような存在。

日本の誇る「用の美」が詰まった刃物文化を、今日という機会にじっくり見直してみませんか?

刃物の日の由来とは?なぜ11月8日なのか

刃物の日が11月8日に設定された理由には、2つの意味が込められています。

まず1つ目は、「いい(11) は(8) もの」という語呂合わせ。

この言葉には、切れ味のよい刃物、質の高い道具を大切に使い続けるという意味が込められています。

2つ目は、「ふいご祭」に関係しています。

ふいごとは、鍛冶職人が金属を熱する際に空気を送るために使う道具のこと。

古くは和製ベルローとも呼ばれ、鞴(ふいご)を用いた火造りは日本刀や農具などの製作に不可欠でした。

この「ふいご祭」は、鍛冶の神様「天目一箇命(あめのまひとつのみこと)」に感謝し、仕事道具に祈りを捧げる神事として古来より行われてきました。

旧暦の11月8日頃に行われるこの祭りは、火や金属、技術への感謝の心を表す重要な節目。

そこに「いい刃物」という語呂をかけて、現代においてもこの日を刃物の日としたのです。

記念日は、全国の刃物産地の業界団体が共同で制定し、日本記念日協会により正式に登録されました。

こうして「刃物の日」は、刃物の魅力やその背景にある技術と心を改めて見つめ直す日となったのです。

刃物の日の豆知識!包丁から刀、ナイフまで奥深い刃物の世界

「刃物」とひとことで言っても、その種類は実に多岐にわたります。

家庭で使う包丁やキッチンバサミ、工作用の小刀、裁縫バサミ、そして農業用の鎌や鉈、日本刀や狩猟用ナイフなど、用途や素材によって多様な姿に分かれます。

この多様性は、日本の暮らしが多様である証ともいえるでしょう。

現代の刃物は、主に鋼やステンレスでできています。

しかし、刃物の起源をたどると、貝殻を削って作った「貝刃」や、石を砕いて使う「石器」まで遡ります。

つまり刃物は、人類の文明とほぼ同じだけの歴史を持っているのです。

また、日本の伝統的な刃物には「片刃」と「両刃」の違いがあります。

料理人が使う和包丁は片刃で、精密な切断ができる特徴があります。

一方で洋包丁は両刃で、家庭料理など多目的に使えるよう設計されています。

最近では、セラミック製やチタン製といった軽量・高耐久な刃物も登場し、アウトドアや登山での使用も注目されています。

ただし、刃物は法律で所持・携帯に制限があるものも多く、持ち歩きには注意が必要です。

例えば、刃渡り6cmを超えるナイフは「銃刀法」の規制対象となるため、アウトドア用品であっても不用意に持ち運ぶと違法となるケースもあります。

こうした背景も理解した上で、「刃物を正しく、そして美しく使う」という意識を持つことが大切です。

刃物の日に深く関わる人や団体とは?全国の産地が支える刃物の技

「刃物の日」は、全国の刃物産地や業界団体によって支えられています。

特に有名な刃物の産地には以下の地域があります。

  • 岐阜県関市(せきし)
  • 新潟県三条市
  • 福井県越前市
  • 大阪府堺市
  • 東京都(墨田区を中心に工業団地あり)
  • 京都府(利器工具組合など)
  • 高知県土佐山田
  • 島根県雲南市吉田町

中でも、岐阜県関市は「日本三大刃物産地」のひとつとして知られており、「関の孫六」で有名な和包丁ブランドも生み出しています。

堺市も、日本刀の製法を活かした高品質な刃物が今でも作られており、寿司職人などプロ向けの需要が高い地域です。

また、各産地には職人が集う協同組合があり、品質管理や伝統技術の継承に取り組んでいます。

さらに近年では、若手職人の育成や、女性職人の進出も進み、刃物産業に新しい風が吹き込まれています。

中には、海外から修行に訪れる見習い職人もいて、日本の刃物技術が“世界の憧れ”になっていることを物語っています。

刃物の日に関するよくある質問

Q1:刃物の日にイベントや催しはあるの?

はい、刃物の産地では記念日を祝う様々な行事が行われています。

例えば、岐阜県関市では「刃物供養祭」や「ふいご祭」、職人の実演イベントや研ぎ体験などがあります。

また、堺市や越前などでも展示販売会、刃物作りの工房見学ツアーなどが開催されることがあります。

オンラインでも包丁研ぎ方セミナーなどを行う企業も増えており、全国どこにいても参加しやすくなっています。

Q2:家庭でできる「刃物の日」の過ごし方はある?

もちろんあります。

たとえば、家にある包丁を研ぐ、ハサミの手入れをする、使わなくなった刃物を正しい方法で処分するなどが挙げられます。

また、刃物の産地や工房のドキュメンタリーを観たり、伝統技術を学ぶ本を読んだりするのもおすすめです。

「道具に感謝する日」として、子どもと一緒に道具の大切さを話し合うのも素敵な時間になります。

Q3:似たような刃物関連の記念日はあるの?

はい、いくつか存在します。

  • 4月18日:よい刃の日(「よ(4)い(1)刃(8)」)
  • 5月9日:工具の日
  • 10月1日:電動工具の日
  • 11月28日:いいニッパーの日(「いい(11)ニッパー(28)」)

これらは刃物や工具の文化、使い方、安全性への意識を高める目的で制定されています。

刃物の日まとめ:暮らしを支える“切れ味”にありがとうを伝える日

刃物の日は、単なる語呂合わせで生まれた記念日ではありません。

火を操る鍛冶職人たちの神事にルーツを持ち、私たちの日常を支える「切る道具」への敬意と感謝を込めて、全国の産地と職人たちによって守られてきました。

現代では料理の包丁、工作のハサミ、登山ナイフなどさまざまな形で活躍する刃物。

でもその根底には、「安全で、美しく、そして切れ味の良い道具を作ろう」という作り手の誇りがあります。

この記念日をきっかけに、普段見落としがちな道具の価値を見直し、「使う人」「作る人」「支える町」それぞれへの敬意を深める日にしてみてください。

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