日本酒の日はどんな日?
✅ 日本酒造組合中央会が1978年に制定、新米での酒造り開始を祝う記念日。
✅ 十二支の「酉」は酒壺の象形文字であり、酒との関連性が深いことから10月1日が選定された。
✅ 日本酒造組合中央会を中心に、全国の酒蔵や飲食店、愛好家が関わる一大イベントが開催される。
五感を潤す秋の入口、日本酒の記念日へようこそ
しとやかな風が頬を撫でる秋の夕暮れ。
焼き魚の香ばしい匂いに、土鍋から立ち昇る湯気。
そんな情景にそっと寄り添うのが、一杯の日本酒です。
10月1日は「日本酒の日」。
聞いたことはあるけれど、何をする日なのか、なぜこの日なのか──。
じつはこの日は、日本人の暮らしと酒造りが深く重なり合う、「始まりの日」。
酒造りの季節、酉の月、日本文化の奥深さが凝縮された日でもあります。
この記事では、「日本酒の日」が生まれた背景と魅力、楽しみ方までをじっくりご紹介します。
日本酒が好きな人はもちろん、あまり飲んだことがない方にも、この日がきっと特別に思えるはず。
日本酒の日の由来を深掘り!なぜ10月1日なのか?
結論:日本酒の日は、酒造りの始まりと文化の象徴が重なる日
日本酒の日は、1978年(昭和53年)に「日本酒造組合中央会」によって制定されました。
目的は明確。
日本酒離れが進む時代背景の中で、日本酒の魅力を再発見してもらうためです。
では、なぜ10月1日が選ばれたのでしょうか?
理由は主に3つあります。
理由①:新米の収穫と酒造りのスタート
秋は収穫の季節。
中でも「新米」が穫れるこの時期は、酒蔵にとって特別な意味を持ちます。
日本酒は米から作られる発酵酒。
つまり、米の質が命です。
10月頃から新米を使った仕込みが本格化することから、「酒造りの元旦」とも呼ばれています。
この始まりの時期に、日本酒への感謝と祈りを込めて乾杯する──。
そんな意味が込められています。
理由②:「酉」は酒壺を表す象形文字
十二支の10番目は「酉(とり)」。
この文字、実はもともと「酒壺」を象った象形文字だという説があります。
つまり、酉の月(10月)は「酒の月」。
「日本酒=酉=10月」という美しい符合が、10月1日を記念日とする後押しとなりました。
理由③:かつての「酒造年度」の始まりが10月1日だった
今でこそ酒造年度は7月始まりですが、かつては10月1日から翌年の9月30日まででした。
これは明治時代の制度で、全国の酒蔵が10月から一斉に酒造りを始めていた証です。
伝統ある「酒造元旦」に敬意を払い、記念日として設定されたのです。
このように「日本酒の日」は、日本の自然・歴史・文化が三位一体となった特別な1日。
ただの語呂合わせではなく、深い意味が込められているのです。
日本酒の日に知っておきたい豆知識いろいろ
日本酒の日をさらに楽しむために、ちょっとした豆知識を紹介します。
🎌 酒造年度(BY)って何?
「BY2024」などと書かれた酒瓶を見たことはありませんか?
これは「Brewery Year(酒造年度)」の略称で、何年度に仕込まれたお酒かを示します。
日本酒はワインのように「収穫年」で評価される面もあるため、BY表記は非常に重要です。
🍶 ひやおろしと秋の味覚
10月は「ひやおろし」が美味しい季節。
これは冬に仕込んだ酒を、夏を越してまろやかに熟成させた季節限定酒。
加熱処理を最小限に抑え、香りと旨味を最大限に引き出した逸品です。
サンマの塩焼きやキノコのホイル焼きと合わせれば、まさに至福のひととき。
🕔 酉の刻に乾杯を
「酉の刻」とは、午後5時から7時の時間帯を指します。
古来より、酉の刻は酒を飲むのに最もふさわしい時間とされていました。
日本酒の日には、この時間に全国一斉で乾杯するイベントも。
静かな夕暮れに、一杯の酒を通して誰かとつながる。
そんな儀式的な意味もあるのです。
日本酒の日に深く関わる人物・団体・企業
🎯 日本酒造組合中央会
この記念日を制定した立役者。
日本全国の酒蔵を統括し、日本酒文化の普及に力を入れています。
彼らが主催する「日本酒で乾杯!」キャンペーンは毎年恒例の大型イベントです。
🏯 各地の酒蔵と職人たち
日本酒の日は、酒蔵にとって「新たな挑戦の始まり」。
この日に合わせて、新商品や限定酒を発表する蔵も少なくありません。
酒造りは「杜氏(とうじ)」と呼ばれる職人たちの手仕事。
寒さと湿気、米と菌とに向き合い、魂を込めて仕込むその姿は、まさに匠の世界です。
🍴 飲食業界・観光業界
日本酒と相性の良い和食を提供する飲食店では、この日を中心に特別メニューを用意するところも。
また、地域振興を狙い、観光業界も巻き込んで「蔵開きツアー」や「地酒フェスティバル」が行われています。
👥 日本酒ファン・インフルエンサー
近年では、SNSを通じて「日本酒の奥深さ」を発信する人も増えました。
インスタグラムやX(旧Twitter)で日本酒レビューを行うインフルエンサーの投稿が、この記念日をさらに盛り上げています。
日本酒の日に関するよくある質問
Q1:日本酒の日は何をすればいい?
A:まずは「乾杯」してみましょう。
家族や友人と自宅で、お気に入りの地酒で乾杯するだけでOK。
酒蔵見学、試飲会、オンラインイベントも多く開催されています。
Q2:日本酒初心者でも楽しめる?
A:もちろんです。
辛口・甘口、フルーティー系から濃醇タイプまで、種類が豊富なのが日本酒の魅力。
初心者には「純米吟醸酒」や「スパークリング日本酒」などが飲みやすいでしょう。
Q3:日本酒の日のイベントはどこで開催されてるの?
A:全国各地の酒蔵、百貨店、飲食店、オンラインなど多岐に渡ります。
「日本酒で乾杯!WEEK」では、乾杯イベントや地酒フェアが全国で行われるので、要チェックです。
日本酒の日まとめ
10月1日の「日本酒の日」は、単なるお酒の記念日ではありません。
新たな酒造りの幕開けを祝い、文化と歴史を振り返り、五感で日本の秋を味わう大切な一日。
この記念日を通して、改めて日本酒の奥深さ、職人たちの情熱、そして季節との調和に心を寄せてみませんか?
いつもの一杯が、もっと豊かに感じられるはずです。