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日本茶の日(10月1日 記念日)とは?豊臣秀吉の大茶会と伊藤園の取り組みを詳しく解説

日本茶の日に合わせた大茶会や日本茶文化を象徴するカラフルなペーパーアート
目次

日本茶の日(10月1日 記念日)はどんな日?

✅ 豊臣秀吉が天正15年(1587年)10月1日に京都・北野で開いた「北野大茶会」に由来し、伊藤園が日本茶文化普及のため制定した日。
✅ この日は、全国で「お~いお茶大茶会」や試飲イベントが展開され、日本茶と暮らしをつなぐ機会になる。
✅ 株式会社伊藤園が中心となり、日本茶の楽しみ方、茶文化の普及、地域茶業の活性化に深く関わっている。

あなたのお茶時間を、ちょっと特別に変える日

朝、ほんのり湯気を立てながら湯呑みに注がれる緑茶の一杯。

その一瞬に、香り、温もり、静寂が重なります。

お茶は、味わいだけでなく心をほどく儀式のような存在でもあります。

10月1日――その日は、そんな「お茶とのゆるやかな時間」に新しい色を添える記念日です。

「日本茶の日」。

長い歴史が育んだお茶の文化をたどりつつ、現代の暮らしに寄り添うヒントをこの日から受け取ってほしい。

そんな想いを込めて、本記事では「日本茶の日」の由来、豆知識、関わる人物・団体、読者が楽しめる提案まで余すことなくご紹介します。

読み進める中で「お茶の楽しみ方」や「語りたくなる雑学」が見つかれば、ぜひ友人や家族と分かち合ってください。

由来を辿る:豊臣秀吉と北野大茶会が紡いだ一日

天正15年(1587年)10月1日。

その日、京都市の北野天満宮境内、北野松原と呼ばれた松林の広がる地に、ひとつの大茶会が開かれました。

主催は天下人・豊臣秀吉。

その名も「北野大茶会(北野大茶湯/きたのおおちゃのゆ)」。

会は、「無礼講」の形式で催されました。つまり、貴人も庶民も、身分も立場も関係なく、誰もが集まりお茶を楽しむことを許されたのです。

茶席は妙なる香りと緑の茶があふれ、訪れた人々は互いに湯を注ぎ、語り合い、茶の湯を通じて心を交わしました。

この大茶会の目的は、お茶の魅力を庶民まで広げること。

それまで茶道や茶会は格式高い世界に属していましたが、秀吉の思いは、誰もが茶を手に取り、味わえる文化をつくることにありました。

この「お茶が開かれる一日」の思いは、後世の茶文化の伏線となりました。

歴史を超えて、伊藤園はこの日付に着目しました。

1587年10月1日――この歴史的な瞬間を現代に紡ぎ、「日本茶の日」として未来へつなごうとしました。

ちなみに、「北野大茶湯」という名称そのものも、後世の記録に頼る部分があり、正確な詳細は絶えながらも、伝承として今日に残っています。

しかし、この“庶民と茶を結ぶ場”という思想こそが、「日本茶の日」の核です。

日本茶の日の背景と楽しみ方

1. なぜ10月上旬がお茶向きの時期なのか

秋風が吹きはじめる10月上旬は、気温が落ち着き、暑さが遠のく頃。

この時期になると、身体は温かさを求め、温かい飲み物への欲求が自然と増します。

日本茶はそのタイミングにぴったり。

そのため、茶業者は10月前後を「秋のお茶商戦期」と位置づけ、「お茶まつり」や記念イベントを展開します。

だからこそ10月1日を記念日に据えるのは理にかなっており、単なる記念日にとどまらず、茶の需要と文化的潮流とが交差する好機なのです。

2. “日本茶”という言葉の意味と種類

「日本茶」とは、学術的な分類ではなく、日常語としての「日本で作られ飲まれているお茶」を指します。

大部分が「不発酵茶(緑茶)」であり、もっと狭く言えば、煎茶、玉露、番茶、ほうじ茶、玄米茶、抹茶などが含まれます。

日本独自の製法として、茶葉を摘んだ後にすぐ「蒸す」という工程が入ります。

この蒸し工程によって酸化を抑え、鮮やかな緑色と爽やかな香りを保持するのが、日本茶の特徴です。

この蒸す手法を茶製法に取り入れている国は珍しく、日本茶の風味の独自性を形づくる要因です。

「緑茶=不発酵茶」という言い方は学術的にはほぼ同義ですが、日本で「緑茶」といえば、煎茶を中心に、玉露やほうじ茶・抹茶なども含むことが通例です。

3. 伊藤園の取り組み:記念日を通じて広がる茶文化

「お~いお茶」でお馴染みの株式会社伊藤園(本社:東京都渋谷区本町)は、1990年代以降、日本茶飲料の普及に力を入れてきた企業です。

2002年、同社は10月1日を「日本茶の日」と制定し、以降、毎年この日に合わせて大規模なイベントやプロモーションを展開しています。

例えば、「日本茶の日 お~いお茶大茶会」。

これは、全国の量販店や商業施設で試飲イベントや茶体験を行う催しで、2023年には全国約400店舗で実施されました。

メイン会場となったイオンモール幕張新都心では、ティーテイスターによるお茶の淹れ方体験、フォトフレーム配布、クイズラリー、モンスターガ茶マシンと呼ばれる遊び要素なども設けられ、世代を超えた盛り上がりを見せました。

また、2022年のイベントでは、北野天満宮と東京スカイツリータウンを結ぶオンライン中継イベントが行われ、「お茶で乾杯チャレンジ」がギネス世界記録に認定されました。

これは「お茶のオンライン交流会に参加した最多ユーザー数」の部門で、3,475名が参加しました。

さらに、伊藤園はこの時期、社員を店頭に送り出し、茶の知識を直接伝える試みも実施します。2024年には総勢約1,500人の社員が店頭活動を行い、記念日の盛り上げを担いました。

こうした取り組みは、単なる販促ではなく、“日本茶文化を生活者に近づけたい”という理念に基づくものです。

関わる人・団体・地域:文化を支える力

豊臣秀吉:茶を庶民へ広げた天下人

豊臣秀吉という人物は、戦国時代を統一した武将としての顔だけでなく、文化政策を積極的に行った側面も持っています。

そのうちのひとつが「北野大茶会」の開催です。

茶の湯を単なる貴族文化から庶民のものへ広げようとした秀吉の心意気は、今日「日本茶の日」の根底に流れています。

このエピソードは、権威と格式だけを重んじる時代に風穴をあけた行動として、後世にも語られるべき文化的意義を持ちます。

株式会社伊藤園:記念日の旗手

先述の通り、日本茶の日を制定し、その普及と実践を担ってきたのが伊藤園です。

同社は「お~いお茶」「さらさらとけるお~いお茶」「お~いお茶プレミアムティーバッグ」など、多様な日本茶商品を市場に提供しています。

また、地域茶業者との連携、大学や茶道部との共同イベント、オンラインコンテンツ配信、環境・茶殻リサイクル事業など、企業理念と文化発信を融合させた活動を展開しています。

地域・茶産地:お茶を育てる力

日本茶の背景には、茶産地の存在が欠かせません。

静岡県は日本茶総生産量の約 40% を担う最大の産地であり、牧之原台地・富士山麓・安倍川沿岸などが主要栽培地です。

続いて鹿児島県(三重・宮崎・福岡など)が追随し、宇治(京都府)、狭山(埼玉県)、八女茶(福岡県)なども名高い産地です。

これらの地域では、「日本茶の日」に合わせて地域茶業者主催のお茶祭り、試飲会、茶摘み体験、茶工場見学などが企画されることが増えています。

そうした地域の風景と文化が、記念日の豊かさを支えています。

日本茶の日にまつわるよくある質問

Q1:「日本茶の日」はいつから始まったの?

A : 日本茶の日は、株式会社伊藤園が 2002年に制定しました。
豊臣秀吉が 1587年10月1日に北野大茶会を催した故事を由来としています。

Q2:記念日当日にどんなことが行われるの?

A : 全国の量販店やショッピングモールなどで「お~いお茶大茶会」や試飲会が実施されます。
茶道体験、おいしいお茶の淹れ方講座、フォトフレーム贈呈、オンラインイベント、SNS企画など、多彩な催しがあります。

例:2023年、イオンモール幕張新都心では特別ゲスト(市川ぼたん・市川新之助)を迎え、茶体験・じゃんけん大会・味変アイス体験などの催しが行われました。

Q3:家庭でできる「日本茶の日」の楽しみ方は?

A : 以下のような方法が手軽かつ楽しいです:

  • 茶葉を一種類選び、「淹れ方比較」を家族や友人と楽しむ
  • 家庭用急須やティーポットで丁寧に淹れて、香りを味わう
  • お茶に合う和菓子や軽食とペアリングしてティータイムを豊かに
  • SNSで「#日本茶の日」で写真をシェアして参加感を味わう
  • 茶殻を乾燥させてアロマ素材や肥料にリユースする

こうして、自宅がお茶の“体験場所”になります。

あなたの「日本茶の日」プラン

ここでは、読者であるあなたが10月1日を楽しく過ごせるようなプランをいくつかご提案します。

プラン A:朝からゆったり「お茶の目覚め」

  • 早起きして、朝の静かな時間に湯を沸かし、一番茶葉で煎茶を丁寧に淹れる
  • 茶碗や茶器を眺めながら、香りを楽しんでゆったり味わう
  • 少し和菓子を添えて、小さな贅沢を感じる朝時間

プラン B:お茶とともに語り合う午後

  • ティータイムに友人や家族を招き、「淹れ方対決」や「茶クイズ」などを楽しむ
  • 茶葉の系統(玉露、煎茶、ほうじ茶など)を並べ、香り・味を比べてみる
  • 茶葉パッケージの産地情報を読み比べ、産地の話題を広げる

プラン C:お出かけイベント参加型

  • 近隣で開催される「日本茶の日」イベント・試飲会を調べて出かける
  • イベントでは、伊藤園のティーテイスターや茶業者の話を聞き、お茶の淹れ方体験をする
  • SNS投稿や写真撮影で記念を残し、「あなたのお茶時間」の記録をつくる

プラン D:夜まで味わう「お茶の余韻」

  • 夕方になると、温かいほうじ茶や玄米茶で一息
  • 茶殻を活用してアロマポットやハーブ用途に使い、香りの余韻を楽しむ
  • 夜は茶器の手入れをしながら、お茶との一日を振り返る

これらのプランは単体でも組み合わせても構いません。
大切なのは、「いつものお茶」が少し特別に感じられる一日にすることです。

まとめ:日本茶の日(10月1日 記念日)に寄せて

10月1日には、歴史と現代、文化と暮らしが交差します。

豊臣秀吉が打ち立てた「誰もが茶を楽しむ場」の思想が、時空を超えて、今日「日本茶の日」として息づいています。

伊藤園をはじめとする茶業者や地域が、その想いを形にし、全国で試飲会や文化イベントを開催することで、私たちはお茶という日常に新たな意味を見いだせます。

でも、最も大切なのは、あなた自身が「お茶を愛でるひととき」をつくること。

ここで紹介した歴史、豆知識、楽しみ方をもとに、10月1日をあなたなりのお茶時間で彩ってみてください。

季節が深まりゆく秋に、ひと息つく時間をお茶とともに。

その一杯が、記念日を越えて、あなたの暮らしを少し豊かにすることでしょう。

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