仕事が忙しくて病院に行く時間が取れない。
ちょっとした不調なら薬局で済ませたい。
でも、その判断って本当に正しいのかな?
そんな現代人の悩みに応えるキーワードが「セルフメディケーション」です。
軽い体調不良やケガを、自分自身で適切にケアすることで、医療機関への依存を減らし、健康を自ら管理できる力を育む。
そんな大切な考え方を広めるために制定されたのが、「セルフメディケーションの日(7月24日)」です。
この記念日は、日本OTC医薬品協会が2017年に制定し、一般社団法人 日本記念日協会によって認定・登録された正式な記念日。
記念日を中心とした1週間を「セルフメディケーション週間」として、健康管理の意識向上を目的に全国でさまざまな啓発活動が行われています。
世界的にもこの日は「セルフケアデー(International Self-Care Day)」として位置づけられ、各国で健康イベントが展開されています。
つまり、7月24日は「自分の体に耳を傾ける日」と言っても過言ではないのです。
✅ 自分で健康を守る意識を高める日
✅ OTC医薬品の正しい活用を考える日
✅ 日常にセルフケアを取り入れるきっかけの日
セルフメディケーションの日はどんな日?
セルフメディケーションとは、「自分の健康を自分で管理すること」。
WHO(世界保健機関)も、セルフメディケーションを以下のように定義しています。
「自己判断により入手可能な医薬品(OTC医薬品)を使って、比較的軽度の病気やけがに対して自ら治療する行為」
この考え方の背景には、日本を含めた先進国での医療費の増加や、病院の混雑、医師不足などの社会的課題があります。
その中で、ちょっとした風邪や胃もたれ、切り傷など、病院に行かなくても対処できる症状については、自ら適切なケアを行うことが求められるようになったのです。
日本ではこの意識を広めるため、日本OTC医薬品協会が「セルフメディケーションの日」を制定。
7月24日という日付は、「1日24時間、1週間7日間」という、毎日の健康管理の象徴的な数字から来ています。
これは、いつでもどこでも、自分の健康に気を配る意識を持とうという強いメッセージでもあります。
なぜ今「セルフメディケーション」が求められているのか?
現代の日本では、次のような状況が起きています。
- 高齢化による医療費の急増
- 病院の待ち時間の長さ
- 軽症でもすぐに病院に行く人の増加
これらの問題は、社会全体の医療コストを押し上げ、重症患者が適切な医療を受けられないという事態を引き起こしかねません。
ここで求められるのが、「セルフメディケーション」という考え方。
具体的には、
- 市販の風邪薬を使う
- 軽い頭痛に鎮痛剤を服用する
- 虫刺されに抗ヒスタミン軟膏を塗る
こうした行為は、すでに多くの人が日常的に行っているはずです。
ただし重要なのは、「適切な薬を、正しく選び、使う」こと。
この知識と判断力を持つことで、自分の健康を守る力が育まれます。
セルフメディケーションの日と「税制」:知って得する制度とは?
実は、セルフメディケーションには経済的メリットもあります。
それが「セルフメディケーション税制」です。
この制度は、2017年1月からスタートしたもので、次の条件を満たすと、医療費控除を受けることができます。
- 健康診断や予防接種を受けていること
- 対象のOTC医薬品を年間1万2000円以上購入していること
これにより、最大8万8000円までの控除が可能です。
対象商品には「セルフメディケーション税制対象」のマークがついており、薬局やドラッグストアでも簡単に確認できます。
確定申告時にレシートを提出すればOKなので、1年分のレシートを保管しておくのがおすすめです。
セルフメディケーションの日に知っておきたい!OTC医薬品の豆知識
OTC医薬品とは、医師の処方箋なしで購入できる一般用医薬品のこと。
Over The Counter(カウンター越し)の略で、薬剤師のアドバイスを受けながら購入するイメージから名付けられました。
種類は次の3つに分類されます。
第1類医薬品:副作用のリスクが高いため、薬剤師の説明が義務
第2類医薬品:リスクがやや高く、登録販売者から購入可能
第3類医薬品:リスクが比較的低く、誰でも購入可能
正しい知識があれば、市販薬だけでも多くの不調に対応できます。
セルフメディケーションの日に関わる団体と世界の動き
この記念日を制定したのは「日本OTC医薬品協会」です。
東京都千代田区岩本町に事務局を構え、OTC医薬品のメーカーが参加する団体です。
この協会は、製薬業界の利益だけでなく、国民の健康管理を支えるための情報発信も担っています。
また、世界では「International Self-Care Foundation(ISCF)」という団体が、7月24日を「International Self-Care Day」として制定し、世界中で健康啓発活動を展開しています。
日本もこれに連携し、「セルフケア週間」として全国でキャンペーンや講演、啓発パンフレットの配布などが行われています。
セルフメディケーションの日によくある質問Q&A
Q1:どんな症状がセルフメディケーションの対象?
軽度の風邪、頭痛、便秘、虫刺され、軽いケガなどです。深刻な症状は必ず医師の診察を受けましょう。
Q2:薬の選び方に不安がある時は?
薬剤師や登録販売者に相談しましょう。薬局では無料で相談できる体制が整っています。
Q3:セルフメディケーション税制の対象になる薬は?
対象薬にはパッケージに「税制対象」マークがあります。詳細は厚生労働省のウェブサイトや薬局で確認できます。
セルフメディケーションの日は、自分と家族の健康を考える日
セルフメディケーションの日(7月24日 記念日)は、単なる「薬の日」ではありません。
それは、「健康を誰か任せにせず、自分で考える」ことを教えてくれる日です。
忙しい日々の中でも、自分の体の声に耳を傾けてみてください。
そして、家族や大切な人とも「最近体調どう?」なんて会話をしてみてはいかがでしょうか。
この記念日が、あなたの健康意識に小さな変化をもたらしてくれることを願っています。
