風鈴の音と並んで、日本の夏を象徴する音って、なんだと思いますか?
その答えのひとつが、「カランコロン」。
木の台に足を乗せ、涼しげな浴衣姿で歩くと鳴るあの音。
下駄です。
見た目はシンプルですが、実は下駄は奥深い存在。
そして、その下駄の魅力を再発見してもらおうと制定されたのが「下駄の日」(7月22日)です。
昭和の香りを感じる懐かしさと、職人技が詰まった造形美。
そして、祭りや花火、温泉など日本の風景にぴったりな履き物。
この記事では、「下駄の日」にまつわる由来や背景、面白い豆知識、そして今の時代における下駄の魅力をたっぷりお届けします。
読み終えた頃には、きっとあなたも「久しぶりに下駄を履いて歩きたくなる」そんな気持ちになるはずです。
✅下駄の標準寸法「7寸7分」にちなむ記念日
✅歩いた足跡が「二」に見える「22日」
✅下駄文化の継承と再発見が目的
下駄の日はどんな日?意味や目的をわかりやすく解説
「下駄の日」とは、全国木製はきもの業組合連合会が制定した記念日で、毎年7月22日に祝われます。
この日は、和装文化の代表格でもある「下駄」の価値を見直し、その魅力を次世代にも伝えていこうという願いが込められています。
記念日が制定された背景には、「下駄を履く人がどんどん減っている」という危機感がありました。
日本の暮らしが西洋化し、スニーカーや革靴が主流になる一方、和装や下駄は“特別な時にだけ履くもの”に変わっていきました。
しかし、下駄には今なお多くの魅力があります。
それは「実用性」「デザイン」「伝統文化」といった、他の履物にはない価値です。
そこで、記念日という形でその魅力を再提示しようと、全国の下駄職人や関係者が立ち上がり「下駄の日」が誕生したのです。
なぜ7月22日?下駄の日の由来と意味を徹底解説
では、なぜ「7月22日」が下駄の日なのでしょうか?
その理由は、数字に隠された2つの象徴性にあります。
まず「7」は、下駄の代表的な寸法である「7寸7分」に由来します。
ここで豆知識!
1寸は約3.03cm、1分は約0.303cm。
つまり、7寸7分=23.331cm。
これが、標準的な下駄の長さとされているのです。
昔の人の感覚って、すごく計算されているんですね。
次に「22」。
これは、下駄を履いて歩くと地面に残る足跡が漢数字の「二(二)」に見えることから。
つまり、「下駄の寸法」と「下駄を履いて歩いたときの姿」が数字に象徴されているんです。
なんとも粋な発想ですよね。
さらに、伊豆長岡観光協会(現在の伊豆の国市観光協会)では、11月11日を「下駄の日」としています。
こちらは、足跡が「11 11」に見えることに由来します。
地域によって異なる記念日があるのも面白いポイントです。
下駄ってどんな履物?起源や語源など知っておきたい豆知識
下駄と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
多くの人が、「木の台に鼻緒がついた履き物」「浴衣や夏祭りに合わせるもの」と答えるでしょう。
でも実は、下駄の歴史や構造にはもっと深い魅力があるんです。
まず、語源。
「下」は地面、「駄」は履物を意味します。
戦国時代から「下駄」という言葉が使われるようになりましたが、それ以前は「足下(あしした)」を意味する「アシダ」と呼ばれていた記録もあります。
昔は、道が舗装されておらず、雨が降ればぬかるみが当たり前。
そんなとき、草履では泥に沈んでしまいますが、高さのある下駄なら足元が汚れずに済む。
つまり、下駄は日本の暮らしに寄り添った実用的なアイテムだったのです。
しかも下駄は、歩くたびに「カラコロ」や「カランコロン」という音がします。
これが日本の夏を象徴する“音の風景”となり、今でも多くの人の記憶に残っています。
実はいろいろある!下駄の種類とその違いとは?
一口に「下駄」と言っても、実はいくつかの種類があります。
それぞれに特徴があり、履き心地や見た目も変わります。
◆駒下駄(こまげた)
一番ベーシックな下駄。
底に2本の歯がついていて、しっかりと地面を捉えます。
浴衣との相性も良く、花火大会などでよく見かけるタイプです。
◆右近下駄(うこんげた)
歯がなく、底が一体化している「サンダル型」の下駄。
初心者でも歩きやすく、現代風のデザインも豊富に出ています。
特に温泉街ではこのタイプが貸し出されることが多いです。
◆日田下駄(ひたげた)
大分県日田市の伝統工芸品。
高品質な杉材を使用し、美しい木目と軽さが特徴です。
日田下駄の作り手たちは、代々受け継がれる技を守り続けています。
こうした下駄のバリエーションを知ると、自分にぴったりの一足を探したくなりますよね。
下駄の日に関わる人々と文化の守り手たち
「下駄の日」は記念日として制定されたことで注目を集めるようになりましたが、それを支えているのは下駄に携わる人々の情熱です。
制定した「全国木製はきもの業組合連合会」は、全国の下駄製造業者や職人が集まる団体。
彼らは、ただ下駄を作るだけでなく、「どうしたら現代の暮らしに下駄を取り戻せるか」を常に模索しています。
また、観光地や温泉地では、観光客向けに下駄の貸し出しを行うなど、文化を体験として伝える工夫も増えています。
さらに、伝統的な職人技を体験できる「下駄作りワークショップ」も全国各地で開催されており、若い世代にも下駄文化が少しずつ浸透しています。
こうした人々の努力によって、下駄はただの“懐かしい履物”ではなく、“現代とつながる文化財”として息を吹き返しているのです。
よくある質問|下駄の日と下駄にまつわる疑問を解決!
Q1. 下駄って疲れるイメージがあるけど、実際どう?
A1. 最初は足の指が痛くなることもありますが、鼻緒が柔らかいタイプや足袋を使えば快適に履けます。右近下駄など初心者向けのモデルもあります。
Q2. 子どもにも履かせて大丈夫?
A2. サイズが合っていればOKです。特に夏祭りや七五三など、イベントで履くと子どもも特別感を味わえます。
Q3. 下駄を現代のファッションに取り入れるコツは?
A3. モダンデザインの下駄や、デニム+下駄の組み合わせなど“和洋ミックス”が今のトレンド。Tシャツに下駄も意外と合います!
下駄の日に思いを馳せて──あなたも一歩、下駄で歩いてみませんか?
7月22日の「下駄の日」は、ただの記念日ではありません。
それは、忘れかけていた日本の美しさを、足元から再確認する日です。
下駄の音には、不思議と人の心を落ち着かせる力があります。
歩くたびに鳴るあの音が、夏の風を運んでくれるような気がしませんか?
「下駄を履くなんて久しぶり…」という人も、「履いたことがない」という人も、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
今だからこそ、下駄を履く時間には価値があります。
足元から日本を楽しむ──そんな一日を、7月22日に過ごしてみませんか?
その他の記念日(7月22日)
大暑
ナッツの日
著作権制度の日
円周率近似値の日
ONE PIECEの日
ディスコの日
夏ふーふースープカレーの日
塩っぺの日
夫婦の日
ショートケーキの日
禁煙の日
デルちゃん誕生の日
ラブラブサンドの日
カニカマの日
なないろSMSの日
