毎年7月末、青森の夏の訪れを告げる「浅虫温泉花火大会」。
その伝統と美しさに魅せられ、県内外から多くの観光客が集まるこのイベントが、2025年は開催中止となりました。
ニュースを見て驚いた方も多いのではないでしょうか？
私自身、浅虫の花火を何度か観たことがあり、あの感動を今年も味わえると思っていたので、中止の報を見て言葉を失いました。
この記事では、中止の背景や地域への影響、そして今後の可能性について、体験談も交えながら徹底的に解説します。
浅虫温泉花火大会とは？―地域と共に歩んだ74年
浅虫温泉花火大会は、戦後間もない1949年から続く、浅虫温泉のシンボルともいえるイベントです。
青森市の東側に位置する浅虫温泉は、「東北の熱海」とも呼ばれる観光地であり、豊富な温泉と海の風景が魅力。
そんな場所で、毎年真夏の夜に打ち上げられる約4000発の花火は、まるで空と海が一体化するかのような美しさを見せてくれます。
浴衣姿の親子、地元の高校生、観光バスで訪れる年配の団体…。
花火だけではなく、地元の屋台や温泉、魚介のグルメなども一体となって、町全体が“夏祭りモード”になるのが特徴です。
2025年、ついに中止―その発表の詳細
2025年6月3日。
浅虫温泉観光協会の公式サイトに掲載された一枚の「中止のお知らせ」が、SNSを中心に瞬く間に広まりました。
発表された理由は以下の通りです。
- 2024年の大会が天候不良に見舞われ、有料観覧席の売上が落ち込んだ
- 花火費用の高騰により、想定よりも大幅な費用超過が発生
- 観光協会の財務に深刻な影響が出たため、2025年の予算が確保できなかった
公式コメントでは、「10月から検討を重ねてきたが、現実的な開催案が見いだせなかった」と記されていました。
参加者として感じた、2024年大会の現実
私は2024年の大会に参加していました。
当日は曇りがちで、風も強く、19時ごろからポツポツと雨が。
それでも人々は集まっていました。
浴衣の女性がスマホで天気を確認していたり、小学生の兄弟が「ねぶたの前に花火見たかったな…」と話していたのが印象的でした。
結局、花火は短縮され、観覧席の一部も閉鎖。
屋台の売上もほとんどが見込みを下回ったようです。
地域と観光業界への打撃
浅虫温泉の宿泊施設や飲食店にとって、花火大会のある週末は“稼ぎ時”。
例年であれば、旅館の予約は半年前から埋まり、周辺道路も交通規制がかかるほどの混雑となります。
2025年はそれが“ゼロ”になる。
これが意味するのは、単なる数字ではありません。
それは、**地域経済にとっての実質的な「損失の夏」**なのです。
地元住民と観光客の声
実際にSNSやニュースで目にした声を一部紹介します。
「30年浅虫に住んでいて、初めて花火のない夏になる。これが最後じゃないことを祈る」（浅虫町民・60代男性）
「子どもに“初めての花火”を見せてあげたかったのに…。すごく残念」（青森市・30代母親）
「運営が苦しいなら、クラウドファンディングとかやってみたら？応援する人たくさんいると思うよ」（Twitter投稿）
代替イベントと復活への可能性
観光協会は「代替案を検討中」としています。
例えば…
- 浅虫湾沿いでの灯篭流しイベント
- 小規模ながらも地元団体による手筒花火
- 子どもたちの光る風船リリースイベント
など、「打ち上げ花火以外」で町の夏を盛り上げようという動きも出てきています。
また、市民有志がクラウドファンディングを検討しているという情報もあり、地域全体が「何とかして残したい」という雰囲気に包まれつつあります。
私たちにできる支援とは？
花火大会を失って悲しむだけでは、何も変わりません。
私たちにもできることがあります。
- 観光で浅虫温泉を訪れ、地域の経済に貢献する
- SNSで中止の理由や地域の取り組みを発信する
- 支援イベントやクラファンに協力する
- 「来年は見に行こう」と予定を組むこと自体が希望の表明になる
まとめ―伝統は「思い」と「行動」で続いていく
2025年の中止は、誰にとっても苦しい決断でした。
しかし、これは浅虫温泉花火大会の“終わり”ではありません。
むしろ「支える人がいる限り続いていく」という、新たなステージの始まりです。
花火は、打ち上げられてわずか数秒で消えてしまいます。
でも、人の心に残った光は、何年も、何十年も続くものです。
あなたの一言、あなたの来訪、あなたの支援が、浅虫の夜空に再び大輪の花を咲かせる日を近づけるのです。
❓ Q1：2025年の浅虫温泉花火大会はなぜ中止になったのですか？
A1：
2024年の第74回大会が悪天候に見舞われ、来場者数が例年を大きく下回ったことにより、有料観覧席などの収入が伸び悩みました。
さらに、花火の費用単価の高騰も重なり、最終的な収支が多額の費用超過となり、観光協会の財務状態を圧迫する結果となりました。
これらの要因から、2025年の大会運営について現実的な案を取りまとめることが大変厳しい状況となり、中止が決定されました。
❓ Q2：2025年に浅虫温泉で代替イベントは開催されますか？
A2：
はい、浅虫温泉観光協会は、花火大会の中止に伴い、地域の盛り上げと誘客に貢献するイベントへの積極的な協力を続けています。
具体的には、1月に初開催された「浅虫ねぶた冬の陣」や、5月に実施された「あさ虫温泉フェス」などがあり、今後も地域活性化を目的としたイベントが予定されています。
詳細な情報は、浅虫温泉観光協会の公式ウェブサイトやSNSで随時発信されていますので、最新の情報をご確認ください。tiktok.comasamushi.com
❓ Q3：浅虫温泉花火大会は今後再開される可能性がありますか？
A3：
現時点では、2025年の大会中止が発表されていますが、完全な廃止ではなく、再開に向けた可能性を模索しているとのことです。
観光協会は、地域の皆様や関係者と協力しながら、持続可能な運営方法や資金調達の方法を検討しています。
再開に向けた取り組みや最新情報については、浅虫温泉観光協会の公式発表をご確認ください。